なんで2日にわたって「聖☆おにいさん」の話を繰り返したかというと、見出しのように9月12日、オランダ総選挙があるからです。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120827/mcb1208270501007-n1.htm
反緊縮派勢い 欧州の火種 オランダ総選挙、懐疑派連立なら窮地 (1/2ページ)
2012.8.27 05:00オランダで9月12日に総選挙が行われる。世論調査では欧州連合(EU)に批判的な野党・社会党が優勢を保っており、反緊縮を掲げる欧州懐疑派の連立政権が発足すれば欧州債務危機への対策は一段と困難になる。
9月の総選挙は、ルッテ政権が掲げる財政緊縮策をめぐる協議が決裂し、内閣が4月23日に総辞職したことを受けて実施される。2010年10月に発足したルッテ政権は、中道右派の自由民主党とキリスト教民主勢力(CDA)による少数与党の連立政権で、これに極右の自由党が閣外協力する形で存続していた。財政赤字を13年までに国内総生産(GDP)の3%以内に抑制するとの財政赤字削減策に自由党が反対して協議から離脱した結果、少数与党の連立政権は議会での過半数の支持を失った。
市場調査会社TNS−NIPOが先週発表した世論調査の結果によると、有権者の約3分の1が、左派の社会党か極右の自由党を支持していることが分かった。社会党は財政緊縮策に反発、自由党はEUとユーロ圏からの離脱を主張している。
社会党とルッテ首相率いる与党・自由民主党(VVD)の予想獲得議席数は、いずれも150議席のうち34議席と、同数で首位。自由党は14議席で5位に・・・
左派とナショナル・ポピュリズム政党がどちらも「EU批判・緊縮策批判」で足並みをそろえていると。見慣れた風景っちゃ風景だが。
だがメーンの問題は経済とはいえ、自分はやはり文化的な問題として、暗殺10周年のフォルタインが生んだ「イスラム批判」を主張の軸のひとつにしている党がどう動いていくかに注目している。
前身政党のフォルタイン氏は、前も書いたが「自分は同性愛者である。だがイスラム教は同性愛を認めないではないか。だからイスラムは民主主義社会と相容れないのだ」というヨーロッパ的普遍主義を排外主義に転換するアクロバット的な潮流を生んだひと。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120212/p4
その流れを汲む現自由党のウィルダース党首も、たとえばアメリカなら政治家として受け入れられることはまずないだろう「無神論者」だと公言しているという。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120130/p3
実は現在、2012年8月28日から毎日新聞の国際面で
「『極右』の実像 オランダ総選挙」という連載企画があるのだが、第3回(8月30日)ではウィルダースが一躍国際的に名前を知られた『コーランはヒトラーの著書「わが闘争」のようなもの』という発言が”扇動罪”にあたるかどうかを争った裁判のようすが描かれている。
このときの裁判はオランダ史上初めて、テレビで完全生中継がされたという。
さらに面白い話だが、
自由党は左派系政党と連携し、「女王の権限を縮小する法案を支持した」のだという。最終的には法案は成立しなかったが、「反権力」「非エリート」「中・下層階級の代弁者」として自由党とウィルダース党首は振る舞っているのだ、という。