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2012年6月24日(日) 午後 9:00 〜 午後 11:24 放送
【45周年】ダークナイト 〜THE DARK KNIGHT
ゴッサム・シティの巨大銀行が強盗団に襲われた。行員たちを銃で脅し、巨大金庫のカギを解除すると、手際よく大金を奪っていく強盗団。しかし、彼らはそれぞれに与えられた役割を全うすると、ボスと呼ばれる男に次々と抹殺されていく。そのボスとは、白塗りの顔に裂けた口という不気味な容貌の謎の男ジョーカー。彼は最後には全員を抹殺すると、スクールバスに乗り込み、大金と共に逃走する。
そんなゴッサム・シティを守るために奔走するバットマン(クリスチャン・ベイル)は、ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)と協力し、マフィアのマネー・ロンダリング銀行の摘発に成功。それでも悪にまみれていく街に、新任の地方検事デント(アーロン・エッカート)が救世主として登場する。正義感にあふれるデントはバットマンの行動をも支持、汚職警官らに目を光らせつつ、徹底的な犯罪撲滅を誓う。
資金を絶たれて苦しむマフィアのボスたちの会合にジョーカーが現れた。ジョーカーはマフィアの全資産の半分を条件に、バットマンの殺害を提示。ジョーカーのとんでもない要求をはねつけるマフィアのボスの前で、おとなしく引き下がったかに見えたジョーカーだったが、そのボスたちの弱みを巧みにつけこみ、半ば強引に条件を呑ませてしまう。
バットマンの姿を借りて悪人退治を行う一般市民を捕え、本物のバットマンに素顔をさらせ、という要求ビデオを送り付けるジョーカー。最凶の悪の出現に街が震撼する中、警視総監や市長(ネスター・カーボネル)、さらにはデントまでをターゲットに、ジョーカーは次々と巧妙なワナを仕掛けてくる。
その恐ろしいまでの生き残りゲームに、バットマンとゴードン、そしてデントは敢然と立ち向かっていくのだが…。
この作品が登場したとき、単なるヒーローコミックの映画化をこえた深みやドラマ性を持ち、また船の衝突と爆弾のエピソードに見られるようなマイケル・サンデルばりの正義論や、当時のアメリカの世相を反映して「悪に対抗する為には、こちらも悪になって許されるか?」というテーマも孕んだ大傑作であることは町山智浩氏はじめ多くの人が語っているので、私が蛇足をその絵に加える必要もないでしょう。
で、あたしは別の観点から。
「主に泣いてます」のドラマ放映も間近に控え、「いま心身ともに絶頂だ!!」な漫画家が東村アキコさん。
その、「主に泣いてます」では『主人公の女性があまりに絶世の美女過ぎて、まわりの男性たちがつぎつぎに理性を忘れて口説きにかかって社会が混乱するので、もてないように変装する』という設定があるのだが、なぜかサポーターの趣味によって、変装ではなく「主にコスプレしてます」となっている。
んで、「学生時代、少女漫画を積んだベッドを作ってそこで寝ていた」というほどの漫画脳を持つアキコ先生、ここぞとばかり、そのコスプレを自分の趣味のジャンルに設定し、そこから話題を膨らませてマニアックな話題を書き散らしては満足しているという傾向がつよい。
このエントリでは、そのひとつを紹介しています
■「瞳閉じすぎ・翼広げすぎ」問題朝日新聞に&東村アキコの「ベタ指摘」小芝居のすごさ(「主に泣いてます」)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120406/p5
いや・・・この作品はたしかに傑作だ!!
主人公女性がコスプレしてるジョーカー、以前の映画で制作費の半分をギャラで渡してジャック・ニコルソンを起用するというド反則をやって以来、それを超える役者はいないだろうと思われていたが・・・若手が大熱演!しかしこの後すぐに夭折し、これは彼の悲しい記念碑となった、というサイドストーリーもある!
興行収入も、確かに全米歴代ベスト20に入っている!!(今現在13位)
http://www.worldwideboxoffice.com/
しかし・・・・・・そこから一足飛びに
「バカ 男はみんなみんなダークナイト大好きなんだから 見てるどころかDVD持ってるんだブルーレイ持ってんだ男は 隙あらばダークナイトの話してやろうって狙ってんだ 男ってのはみんな いっつもいっつもダークナイトのことばっか考えてんだ バカだ あいつら」
ってのは、さすがに・・・少なくとも日本では、一般性がないんと違うか(笑)!?
たしかに人気作で、興行収入もよかったが、例えばジャンプのグラビアを飾ったりワイドショーで「いま大ブーム」という特集が組まれるほどの社会現象は生んでいないはず。
関係ないが、町山氏がわざわざ引用ツイートしている(笑)
https://twitter.com/TomoMachi/status/176223827204915201
いや、これがさ、アメリカで仮定しても
「男はみんなみんなスターウォーズ/スタートレック好き・・・」とか、ダークナイトに限定しないで「バットマンシリーズ」なら、まあ納得できるのよ。
日本で「男はみんなみんなヤマト/ガンダム/仮面ライダー好き」・・・これもわかる。
男はみんな「ウルトラマン好き」これもわかるどころか、ほとんど公理だ。
だが・・・東村アキコのネームは、そのウルトラマンでたとえれば
「男はみんなみんな『ウルトラ六兄弟対怪獣軍団』好きなんだ!隙あらばハヌマーンの飛行形態の話してやろうって狙ってんだ、男ってのはみんな!いっつもいっつもハヌマーンのことばっか考えてんだ! バカだ、あいつら!」
という台詞のような。いい喩えになったな。
では何なんだというと、ようは東村アキコ本人が、この「ダークナイト」という映画をメチャクチャに好きすぎるんじゃないか、と。その好きが高じて、あるいは周辺環境がそうなのか(笑)、「男はみんなダークナイトが好きなんだよ!」というネームを切ってしまったのかと。
本来そこで、編集者から、
「先生、その喩えはそれほど一般的ではないのでは・・・?」
みたいな指摘があるのかもしれないが、前回エントリに書いた通り
・・・この人はどうしてそういうポジションになったのか分からないが、初連載の「ひまわりっ」の時から、モーニングではほぼネームに対して編集部は「これでいきましょう!」「最高です!!」とそのまま一発OKを連発、そして現在のアンチェイン状態が生まれたという。
あれかね、ジャイアント・キマラには「アフリカのサバンナで育んだ野生のまま戦え!」と命じるのが一番だ、ってノリなのかね(笑)
というアレです。
しかし、
客観的に見れば「男はみんなダークナイト好きなんだ!みんなDVDを持っていて、すきあらば語ろうとする」と言い出す東村アキコ先生はどこかがズレていると思うのだが、(私の)主観的にいえば、そう言い出す東村アキコ先生の、その”ズレ”が最高すぎる!!
「すべての男子がDVD、ブルーレイを持っている」というのも、たぶん「実際のセールス」に根拠があるわけではなく「内容的にすべての男子がDVDを買う(べき)作品だ」という評価が根拠なんだろうな。
たぶん、彼女の創作家としての才能、そして私のようなファンが彼女に寄せる信頼は、ここで「男はみんなダークナイト好きなんだよ!」と断言する感性とどこかで一致しているのだと思う。
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そこは何かという事を細かく分析するのはややしんどい仕事なので、ここで終わらせて放置しますが、まあそんなことを念頭において今夜の放送を見るもよろし、でしょう。
ん?来月新刊??
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これ、知らんわー。どんなんだろ。