近聞遠見:「維新・28%」をどうみるか=岩見隆夫
毎日新聞 2012年06月09日 東京朝刊
http://mainichi.jp/opinion/news/20120609ddm002070102000c.html
昨年1月、民主党の辻元清美元副国土交通相(大阪10区)は民放テレビ番組で、維新代表の橋下徹大阪府知事(当時)と大阪都構想について討論したあと、廊下で立ち話になった。辻元は橋下の9歳年長で衆院当選4回、いわば政治の先輩だ。
「もう少し重心を落として、ていねいに慎重にやった方がいいよ。私もかつて派手にやっていて、痛い目にあったからね」
とアドバイスしたという。<政治家には時々、バブルが巡ってくる。期待されればされるほど、自分をさらに大きく見せようとしてしまう。テレビを通じてバブルの自分がどんどん増幅され、いつしか「モンスター」のようになってしまう。しかし、バブルはいつかはじけるものだ。 テレビの画面に連日映し出される橋下さんはいま、バブル期にいるように感じ、大きな危惧を抱いている>
と辻元は先月出版した「いま、『政治の質』を変える」(岩波書店)のなかで書いた。
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以下の「28%」は毎日新聞の支持率(次の選挙で投票したい政党)。
28%バブル論だ。泡だからいずれはじける、と。そうだとしても、現に28%であるからには、近づく衆院選をかき回さないはずはない。
はっきりしているのは、維新という新勢力が既成政党を浸食し始めた。毎日調査でも、民主支持層の23%、自民支持層の15%が比例代表で維新に投票すると答えている。さらに増えるかもしれない。