比例区議席と離党について
これはいわゆる「議会あるべき論」「議会スジ論」のひとつとして、「比例代表は多くがその『党』に対して票を投じたのだから、比例区の議席を得ている議員がその党を離党したときは議員を辞職するべきだ…」というのが過去によく言われていたが、それはいまどうなっているのかな?
鈴木宗男氏と連携する議員や党は、公に鈴木氏の「名誉回復」をしたほうがいいんじゃないの
地域政党「新党大地」の代表を務める、鈴木宗男元衆議院議員が、5人の国会議員が参加した、新たな政党「大地・真民主党」を立ち上げました。
総務省によりますと、鈴木宗男元衆議院議員が、政治資金規正法に基づいて、総務大臣に届け出た新たな政党は、「大地・真民主党」で、5人の国会議員が参加していますが、これまで「新党大地」に所属していた浅野貴博衆議院議員以外は、名前を明らかにしていません。民主党内では、消費税率の引き上げなどに反発して離党の動きが広がっていますが、国会法の規定で、先の衆議院選挙に候補者を擁立した「新党大地」では、比例代表選出の議員が参加できないため、その受け皿として新党を立ち上げたものとみられます。
整理しておきたい。
・鈴木宗男氏は裁判で有罪判決が確定、服役し出所した。公民権は停止中。
・鈴木氏はいまなお「事件は冤罪、国策捜査」だと主張。
・しかし、具体的に言うと民主党や社民党は公式に、鈴木氏が逮捕された時に鈴木氏を非難、彼がかつて所属していた自民党を批判していた。
・そのため、しばしば、あの時こう(宗男有罪論を)いっていたじゃないか、と皮肉られる。
で。
裁判というのはあくまでも人が行うものだ。三審まで進むと、あるいは控訴が認められないと判決は確定するが、「いやそれでも無罪だ」「いやそれでも有罪だ」と主張し続ける自由はある。(根拠がないと突っ込まれる)
聞いていた人(政党)が、「いや確かに逮捕時点では有罪と思ったけど、裁判の行方とか聞いてたら無罪論に立場を変えるわ、ごめんごめん」ということだってあるだろう。その逆だってあるだろう。動機は政局的な思惑かもしれないし、そうでないかもしれない。
ただ、政党というのは過去の見解、行動の積み重ねでその党のスタンスを有権者は見極める。だから、ハタから見れば、過去の逮捕時の宗男批判をプレイバックさせて、「なんでそいつと連携するの?」というのは逆に正しい。
だから、宗男氏と党として連携する(してた)なら、社民党なり民主党は正式な形で「以前、わが党は鈴木宗男氏を有罪とみなしていたが、現在、われわれはあれを冤罪とみなしている。司法の確定判決は有罪だが、それは間違いだとみなしている。ここに、鈴木氏の名誉を党として回復させ、過去の有罪認定に遺憾の意を表する」とでも公式文書で宣言したらどうか、と。今後もし鈴木氏と連携するなら共産党や自民党も。
これは特に非難しているのではない。ひとつの手続き論としてだ。
日本では幸か不幸か「名誉回復」を正式な手段、明示的な手段で行う例があまり多くないから、そういう習慣をつくったほうがいいのでは、というのと。「司法の判断は司法の判断。しかしわれらは、Aを『無罪』or『有罪』と今尚思っている。その判断への評価は、有権者にゆだねる」という、そういうものは(自分なりの主張があるなら)まああってもいいよね、ということです。