http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090919
長文の引用にわたるがご容赦を。
三浦さんの話を書いてきて、「守る会」が呼びかけている《将軍様へのハガキを出そう》運動を思い出した。もう運動は「第5弾」になっている。
ハガキの表に金正日と妹の写真があるのがミソだ。北朝鮮では、金日成や将軍様の肖像や写真を粗末に扱ってはならない。紙幣は金日成の肖像の部分を折り曲げてはならないし、新聞に載った将軍様の写真を踏みつけたりしたら大変なことになる。
つまりこのハガキが北朝鮮に着けば、破ったり捨てたりはできないのだ。
裏に朝鮮語のメッセージがある。第4弾ではミサイル問題をテーマにしていたが、第5弾では後継者問題に触れている。
《偉大なる将軍様へ
お体の具合はいかがでしょうか。将軍さまの健康を心より心配申し上げます。外国の報道機関ではしきりと後継者問題を取りあげておりますが、どうか次の指導者は、人民による公正な民主選挙で選んでいただきますようお願いいたします。
共和国の健全なる発展を願い、つつしんで以下の要請をいたします。
○政治犯に対し公正な裁判を保証し、拷問や奴隷労働・死刑などの非人道的行為を禁止してください。
○日本から帰国した在日僑胞の安否を公表し、彼らの朝日間自由往来を認めてください。
○貴国の秘密工作機関が拉致したすべての外国人(南朝鮮人もふくめて)を解放してください。》
切手代は70円。きれいなデザインの50円と20円の切手を選んで貼ってポストに入れた。
ひょっとして平壌の切手好きの郵便局員が「あ、すてきな切手だな」と家に持ち帰ったりして・・・。こんな想像をするとちょっと楽しくなる。
葉書を送るというだけで、独裁国家の政治犯が釈放されたり待遇が多少向上した・・・というのがアムネスティの原点だと聞いたことがあるが、人類史上最低最悪レベルのあそこで、果たして通用するかどうか。ただ、面白い試みであることは間違いない。
建前を逆手に取っているともいえるね。
「公平で自由な選挙を認める金正日さま万歳!」(建前ではすでに自由選挙だよね?)
「言論の自由を保証する金正日さま万歳!」(建前ではすでに以下略)
「人民を満腹にさせてくれる金正日さま万歳!」(建前以下略)
そーーいえば子どものころ、夕食前の五時半にやっていた「ルパン3世」の再放送で、独裁国家から脱出するルパン一行が、気球にその独裁者の似顔絵を描いたら、追跡する秘密警察が「総統閣下の肖像画に敬礼!」をせざるを得なくなり、銃ももちろん撃てずに、ルパン一行はまんまと悠々逃亡・・・というエピソードを見た気がするなあ。
子どものコロの記憶なので、第何期なんて覚えてない(そんな概念が無かった。ルパンはルパン)んだけど。
こんな笑い話もあったなあ!
私が読んだ笑い話の固有名詞は違うけど、それをちょっと変えてみよう。
ピョンヤンの路上で、ひとりの男が叫んだ。
「俺たちが苦しんでいるのは、たった一人の大馬鹿者のせいだ!たった一人のせいなんだぞ!!」
たちまち飛んでくる秘密警察。
「この反逆者があああああ!!!!!」
「だってそうじゃないか、我々はアメリカ帝国主義者の、あのオバマという大統領のせいで苦しんでいる」
秘密警察の男、振り上げた警棒を止めて
「なんだ・・・そういう意味か。うーむそれなら問題は無い、人騒がせなやつだな、もう帰れ」帰っていく男が振り向きざま、秘密警察の男に。
「ところで貴方は、だれのことだと思ったんです??」