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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ニューヨークタイムズが、UFCを論じる

これもNHBニュース( http://blog.livedoor.jp/nhbnews/ )とダブルポストです

【海外総合】 NY タイムズ、 UFC の NY 解禁に否定的論調(訳) < Gryphon
http://theboard.blogs.nytimes.com/2009/01/22/the-disturbing-rise-of-ultimate-fighting/
1月22日の同紙「THE BOARD」欄より。社説的な存在のようです(右にBout the board という自己紹介記事があります)


http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-407.html
でもすでに紹介されていますが、一応能力の限りで全訳してみました。
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総合格闘技「UFC」のプロモーターは、彼らの血にまみれた戦いの新しい開催候補地として、ニューヨーク州を凝視し続けている。

ラスベガスからやってきたこの大企業は、街頭での派手な大喧嘩といった雰囲気をかもし出す新しいスポーツを、1ダース以上の州で既に興行し、テレビ放送もある。
彼らはニューヨークででヌルヌルに脂ぎったロビイストを雇った。議会に法律改正の圧力をかけるためだ。

NY州の州都選出議員、ボブ・ライリー氏の主張は少数派ではあるが、そんな動きに立ち向かう、勇敢な声だ。だが彼は、ハルク・ホーガンとこれから戦うやられ役(ジョバー)のような立場だと感じざるを得ない状況だろう。

UFCを認める人々も「たしかに、以前このスポーツは醜悪で残忍なものだった」ということには同意している。アリゾナ上院議員ジョン・マケイン(※08年共和党大統領候補)がそれを「人間の闘鶏」と呼んで、禁止するキャンペーンに行ったときことを覚えている人もいるだろう。

彼らは、「急所攻撃もサミングも禁止となった。規則を改正した」と主張するが、ライリー議員は「彼らは『何が許されているか』について口をつぐんでいる」と指摘する。 「頭部へのキック、頭部への膝蹴り…そういう頭部への打撃が認められています、とは言わないね」
UFCの選手はヘルメットも靴もないし、ボクシングのように厚い詰め物をしたグローブもつけないのだ。

UFCの支持者が、州の財政難の折、1チケット200-400ドルの料金の中から一部が州の財政に入る意味は非常に大きいと主張する。


だが、ちょっと待ってほしい。そうではあるだろうが、それは文字通り「血塗られた金」ではないのか。


この”スポーツ”に対しては、最も説得力のある議論が英国メディカル連盟から出ている。(同連盟はUFC、ボクシングともに禁止する運動をしている)

イギリスの医療専門家はこう宣言したのだ。

「暴力的な格闘トーナメントの場に、医師はいることができない。UFCに関わるプロモーターや関係者は多くのお金を儲けるだろうが、どんな金額だろうと不治の脳傷害や若死に見合うものではない」

UFCの大人気(ケーブルテレビの主力になっている)という現象はつまり、そこでたくさんの金銭が動くこと、そして暴力とセックスに関してこの国が奇妙なダブルスタンダードを持っていることが理由だろう。

「wardrobe malfunction」(※わいせつ関連の、放送規制のことか?)によって、通常は隠しておくべき身体の一部がほんのちょっとでも見えてしまったら、政府は迅速に、そして非常に懲罰的な反応を見せる。では、若者が別の若者の顔をぼこぼこにして血だらけにするなら・・・それはなぜか、エンターテインメントということになるのだ。

NYタイムズは、国際的クオリティペーパーであると同時に、NYのローカル紙であるという面も厳然として存在する…らしい。数十年前の立花隆の記事がソースだが。
あと THE BOARDというコーナーが、日本の社説とイコールなのか、それも無知なもんで分からないですけど。
まあ、お高くとまったNYTがUFCをまだあんまり認めていない、つうことはよくわかった。同じくNYに本拠を置くWWEについてはどういう視線を向けているのだとうか。
NYはとにかくいろいろ厳しくてですね、ブルーノ・サンマルチノジャイアント馬場をカナディアン・バックブリーカーで持ち上げたところ、州警察の介入で試合中止となったことがある(ソース:梶原一騎)。
あの州のルールはネコの目のようにクルクル変わるのさ、ともある覆面レスラーが言っていた(ソース:同上)


あと、訳していて思ったのは、強欲とかえげつないとか、そういうことの表現であっちも「脂ぎった」ロビイスト(the oiliest lobbyists )という言葉を使うんだなぁと(笑)。