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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

メディア側は「当事者が情報発信するメディア」=ブログをこう見ているという一例

ひさびさに毎日新聞「発信箱」より。
賛否を含め、もう少し話題を呼んでもいいかもしれない。
資料的価値もあり、収録する。
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20080510ddm002070140000c.html

発信箱:ナルシシズム・メディア=落合博


 1789年7月14日、ルイ16世は日記に「何もなし」と書き込んだという。バスチーユ監獄が襲撃されたこの日はフランス革命が勃発(ぼっぱつ)した日として世界史年表に載っている。世間の諸事に無関心だったか、情報から隔離された「裸の王様」だったか。

 長野市内で北京五輪聖火リレーがあった先月26日、走者を務めた競泳選手の公式サイトには何の書き込みもなかった。リレー後の取材に、この選手は「この問題について答えるつもりはない。僕らの舞台は、ここで発言することでなく、競技を見せること」などと話したという。

 問題とはチベット問題を指す。彼の所属先でもある、聖火リレーのスポンサーは直前、宣伝車での参加を取りやめた。彼の言葉には配慮がにじんでいて、裸の王様ではなかったことは確かなようだ。

 北京五輪では、選手や役員によるブログ(インターネット上の日記風サイト)活動が解禁される。私小説的とも言えるブログについて、雑誌「ナンバー」初代編集長でジャーナリストの岡崎満義さんは「ナルシシズム・メディア」と呼ぶ。心の内を直接ファンに伝えられるのが人気の一因らしいが、自己愛の吐露に陥りかねない。顔を出して公の場所で語ることが自分だけでなく、スポーツの社会的な地位を高めることにもなることに気づいてほしい

 五輪期間中、選手発の「ナマの情報」があふれるだろう。私たちは、選手本人にとって都合の悪いことについても、気後れせずに尋ね、発信していくことでメディアとしての存在意義、社会的な位置を確保していきたい。(運動部)


毎日新聞 2008年5月10日 東京朝刊