日程や主要データはここを見ていただく。いよいよ今週末でおしまい。
http://www.roppongihills.com/jp/events/macg_ULTRAMAN.html
成人の日≒星人の日というこじ付けで登場したバルタン星人だったが、要は写真撮影に応じるというだけの営業仕事でした。お子さんのアイドル。どうせならメトロン星人との夢タッグを結成して欲しかったな。
でも、めー光った。普段の日は分身の術で実物大人形も置いているぞ。
実は写真撮影には制限があって、あの営業のバルタンと、入り口最初の着ぐるみ展示の部分のみ。
でも着ぐるみ大の怪獣が十五体ぐらい並んでいるだけで、やっぱり豪華なSFワールド。
こちらは哀愁怪獣コンビ(実相寺軍団ともいう)。
「Q、Q、Q。ウルトラQ。」
威風堂々、シュート野郎のゼットン。&走れケムール。
メトロン星人。応援団としては。英語表記も説明板にはあるが、中国語も必要だったかも。
【写真撮影できなかったものについて】ウルトラ関係者のその後
ウルトラに関しては多くの出版物があり、博物館の展示で分かる新事実とかはどれほどあるかっていうと、それは受け手の知識しだいなのだろうが、俺は結構、へーそうなのか、でしたね。
ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン(が中心です、この博覧会は。他の展示はごく僅かなので注意)の俳優さんやスタッフは亡くなった方も多いが、ご存命の方も多い。
そういう人たちのその後の活動、経歴がよく分かったのが収穫だった。
どうでもいいけどアラシ、フルハシ隊員の毒蝮三太夫、例の「ババァ、死ぬの忘れてるんじゃねえか」でお馴染みのあのラジオ番組、「セブン終了直後」から始まっているんだってさ(笑)。すげえ。
怪獣墓場(シーボーズ登場)の回で科学特捜隊に呼ばれ、怪獣供養のお経を読んでいたお坊さんは光学監督で、いまも現役で映画界に活躍しているとか。
実相寺の絵手紙
あとは実相寺昭雄氏が描きためた、絵葉書というか絵手紙というか・・・よく公民館のカルチャースクールで開催されたりしてて、中年のお母さんがハマって年賀状そればっかりになったりするでしょう。武者小路実篤ふうというか。
あんな感じで、マンやセブンの名場面が描いてあるの。
そこに添えられた言葉が
「宇宙人と鋏は使いよう」(バルタン)
「人間は故郷をめざす」(ジャミラ)
「落書きは現実化する」(ガバドン)
「宇宙人には 座布団を すすめるべきか」(メトロン星人)
など。
「あのころ 星が近かった」という回顧の一文もあった。
”見えない天才”大伴昌司の資料たくさん
これがすごく、あらためて彼の天才を認識させられた。
テレビ番組に対し、付属する「裏設定」を自由奔放かつ複雑に構築し、放送された番組の外からも多様な世界観を生みだす。ある意味では番組自体を圧倒していた。
つまり有名な「腕の力はジャイアント馬場一万人分」とか、とか「耳は一万光年先のわるぐちも聞こえる」とか「味はエビに似てたんぱく」など、「怪獣図鑑」や雑誌グラビアのアイデアを生んだ人ですね。
もし怪獣を役立てることができたら?とか「マンとセブンの怪獣同士が戦ったら」などの数々の奇想も展開した。
大伴が亡くなった後、日本のSF(すこし・ふしぎのほう)がこの戦略を生かしきるようになるのは「ガンダム」を待たなければならなかったのかもしれない。
実相寺昭雄氏は大伴氏が嫌いだったようで、のちにドラマ化もされた小説では、気持ち悪いオカマ風の悪役として描写されている。
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私は個々の人間関係というより、一種「ウルトラマンの世界」を脇からかっさらうばかりの勢いがあった大伴グラビア、読み物の、その破壊力を実相寺は恐れたと思っている。
ほう、「大伴昌司」の項目はウィキペディアでもごく少ないが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%98%8C%E5%8F%B8
とのことだ。おまけに、実家は資産家でもあるが
・・1960年、不動産鑑定士の資格を取り、さらに株式の投資で蓄財。同じころ、東京都大田区池上の自宅敷地内にスチュワーデス専用のアパートを建てる
自力でビジネスもちゃんとやって身を興しており、そもそもこのライター、編集者としても怪獣図鑑は超ベストセラーだ。
「国際ジャーナリストで日米の外交交渉にも関わった父親とコラムニストの母親について、小さい頃から海外経験は豊富。そんなお金持ちの家に生まれたけど、慶応大を出て難しい専門資格も取りました。その後は親に頼らず、自分の力で株投機で20代で資産を構築。。何もしなくても食うには困らないけど、趣味的にやっている雑誌やテレビの企画がバカ売れで、若くしてマスコミの寵児になった。独身だけど、家の敷地内にはスチュワーデス専門のマンションが有る」・・・
こんな設定の主人公作ったら、どこのライトノベル編集部でも
「君、妄想もいいけど、もう少しリアリティってものが必要だと思うんだ」
と作者に説教すると思うよ(笑)
この大伴氏の、「怪獣ひみつ図解」グラビアの最初の段階の手書き原稿がたくさん提示されている。
子どもの頃見たよこれ、というのがたくさんだ。
昔はプロレスのグラビア特集もたくさんあったから、こういうので小遣いを稼いだベテラン記者も結構いるみたいね。
大伴氏は、この手法を使って神話や聖書なども怪獣図鑑ふうに解説しているグラビアも多数あり(この博覧会には内)、たしか数年前、それを集めた本が出版されていたはずだ。
今でも販売されているか?
この人は、惜しくも36歳!で急死したのだが、実は「天涯孤独」を生前自称しており、SF仲間が「俺たちが葬式を・・・」と思ったのだが、彼のプライベートを知る人がほとんどいなかった。
だが、苦労して調べると、なんと関西では知らぬものの無い、超大金持ちのお坊ちゃんであってみんなが驚いた…という話は、今では日本SF界の神話になっている。
彼の短くもなぞめいた生涯を描く
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わはは、アマゾンの中古状況って見方よく知らなかったが、今の相場は6000-1万円ぐらいらしい。
ウルトラシリーズ、ウルトラマンを全部いえますか?
この博覧会はセブン以降の紹介は極端にいえばひとつだけで、ウルトラマンシリーズの映像をつなげた円谷プロもプロモビデオがあるのみ。
これでねえ・・・造作も無いこと、と自信満々だったのだが、いや知らない人たちがぞろぞろ出て驚愕しました。
ウルトラの中でもちゃんと杯をもらった義兄弟と、準構成員がいるのだが、準構成員がほんとにけっこうぞろぞろ。マッチョなウルトラマンUSAとか、会社が傾くとスポンサーはやっぱり大事ですね、という感じの出光一家(ゼアスなど)とか。
ただ、ハヌマーンが入ってなくて残念だった。
そんなのを見て外に出ると
[:]
六本木ヒルズご自慢のオブジェも、都心に突如現れたクモ怪獣にしか見えません(笑)。
日常をちょっと非日常に見ることができる、そんな魔法をかけてくれる博覧会でした。 おわり