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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ランペイジがリデルに完勝。だがランペイジは、アメリカンヒーローになれるか?

PRIDE離脱勢の中でも、もっとも激しくDSEスタッフと感情的な軋轢があったのがこのクイントン・ランペイジ・ジャクソンなのであって虫のいいことこの上ない発想だが、そう見なしたほうが盛り上げるわけで敢えて「PRIDE軍団の大逆襲!!UFCのカリスマを日本からの刺客が葬送!!」と、 いうことにしましょう。


しかしクイントン・“ランペイジ”・ジャクソン、ワンパンチ勝利だったねえ。リデルも直後は負けたことに気づかない、納得しなかったっぽいし、それほど何も分からないように、一瞬で意識を刈り取ったというわけだ。


WOWOWでは結局見られなかったけど、
あ、あれだ、何も困らなかったから。
すべて問題は解決したから。
どういうふうに解決したかは申しあげないが、
まあれだ、「今日の不可能は、明日の可能となる===ツィオルコフスキー」だ。

f:id:gryphon:20211114170241j:plain
今日の不可能は明日の可能である 栄光なき天才たち「宇宙を夢見た人々」ツィオルコフスキー

技術者万歳。味のIT革命やぁーー!(意味不明)


ま、それはともかく、ここから本題にはいります。

UFCは今や、単なる格闘ファンやエッジの効いたナウいヤングのかなりヤバイっす来てますよトレンディだよ、というものじゃなくおじちゃんおばちゃん、パパさんママさん子供たちまで見ている国民番組になりつつあるわけですねUFCでは。

その中で、特にチャック・リデルは長年ダナ・ホワイトに忠誠を誓い続けたこともあり、ここ数年の試合ぶりの良さもありで、飛びぬけた人気ぶりを誇る、Mr.UFCだった。

その王者が、ランペイジに交替した。
強いものがとって代わるのはリングのおきてだとはいえ、タイトルホルダーのみならずその「Mr.UFC」の地位の方は受け継がれるか?というのが私の個人的な興味であります。



ランペイジは、日本で言えば郷野聡寛的なしゃべりの上手さがある(皮肉、下品な表現を含めてるってことね)選手で、その表現のうまさはアメリカのメディアでも好意的に受け止められた。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070207#p1

これはアメリカにランペイジが行ってよかったと思う点だけど、前から小生が注目していた「ランペイジのインタビュー時の機転、知性」をすごくアメリカでは評価されているようだ。

ダナ・ホワイトは今回、ミルコ・クロコップがインタビューをキャンセルしたことを追及されて「だれもがランペイジのようになれる(喋れる)わけじゃない」という言い方でかばってるぐらいだし、GAME AND MMAサイトで翻訳されているインタビュー

http://gameandmma.blog29.fc2.com/blog-entry-564.html#more

でも

最初のインタビューから試合終了のゴングまで、ジャクソンは常に人を楽しませる事を忘れません。金網の外での控えめで時に挑発的なユーモアであれ、金網の中でトレードマークのスラム技であれ、この選手にとって戦いとは向こうからやってくるものではなく、彼自身が追い求めるものなのです

と聞き手が評している。人気は出ると思うのだ。

ここに紹介されているUFCの予告CMでもちょっとべしゃりをしているな

http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20070204


しかし、喋りがいくら上手くても、郷野聡寛がPRIDEのエースになるのかっていうとなれないでしょ(笑)。昔は首相に関しても「床の間に置けるやつと置けないやつがいる」という言い方があった。
あの下品ッぶりが受けるのか、ってこともある。


それ以上に・・・これは昔の自慢ですけど
私「ランペイジ論三部作」というのを書いている。古い順から


■[格闘技][K-1][PRIDE]ランペイジのPRIDE離脱   の噂に関して
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050702#p1

■[格闘技][PRIDE]ランペイジの過去と未来・後編
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050703#p1

■[格闘技][PRIDE][K-1]ランペイジ論・完結編
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050705#p1


の三つ。これを読むと分かるように、ランペイジは社会への怒り、黒人は差別されているという被害者意識をたっぷりと持っている。その意識が正しいのか間違っているのか、それは置いといて、これが現在のアメリカで受け入れられるのか?


ということが個人的にはこれから興味深い。
黒人差別を告発していくような「闘う黒人」はモハメド・アリを頂点に70年代に光彩を放ったが、その後社会に収斂されていった・・・。だが、スパイク・リーとかブーンドッグスとかあるもんね。

だから戴冠前後のランペイジの、特に地元メディアでの発言に注目したい。でも読めるかって言うと読めないから、そこだれか頼むね(無責任)。今後は「新王者ランペイジの素顔に迫る」みたいな記事も、格闘技マスコミ以外の一般メディアが載せていくだろうからね。

「ロッキー」や「ランボー」が80年代、レーガン時代の潮流を映し出したように、ランペイジへのアメリカの「世間」の反応もそれが分かるような気がする。


ただ、ランペイジといえば例の「神秘体験を通じて、神様を信じなかった男が敬虔なクリスチャンに回帰し、トランクスにも十字架を縫い付けた」というストーリーもある。クリスチャンに回帰しながら、相変わらず下品なのだが(笑)、このへんをアメリカメディアはどう報じるか。




今日はこの記事でおしまい。