これはCSでやる予定があるのかな?ないだろうな。狭いところで満員だったので、知り合いも来ていたのだろうが分からなかった。
名前も顔もほとんど知らない状態で、声援をどっちに送るかなどはパンフを見て判断するわけですが、だから気づいたこともある。
矢野卓見の弟子
パンクラスゲートに上田厚志選手という人が出ていました。
矢野といえば、トリッキーな動きと豊富な関節技および、相手の関節からの脱出法はよく知られているところだが「あの動きはワンアンドオンリーで、多くの人が学べるというものではないのでは?」という意見もよく聞いていた。さてその実際は・・・という興味で見ていると、やはり構えはあの半身ではなかった(笑)。ハイキックとかうまいし。
ただ、ライト級にしては長身の体を生かしたからみ方は淡白ではあったが、やっぱりエセ骨法っぽいかな、と思いました。
P’S LABは面白い人が多い。
面白い、というのは体系的に学ばず、統一戦略もないから個性的になるのかな、とちょっと思いました。
パラエストラ選手を圧倒し、豪快なパウンドを落としてフルラウンド圧倒したLAB東京の五十里祐一という選手がいたのですが、ちょっと日本人離れした豪快なパウンドと圧倒的な体力、スタミナはいいんだすが、いい加減極めてしまえばいいのに、という思いを持つぐらい圧倒して、でも極まらない。
会場が狭いので隣の人の話なんかが否応なく聞こえてくるんですが、「あの人、安定感って言葉からかけ離れているからなあ」と最後まで心配していましたな、たぶん会員仲間から。
言葉で説明しにくいんですが、とにかく圧倒しているのに、なぜか素人目からも危なっかしいというか一発逆転の危険がありそうに感じました。
あと一人、谷島勇気という選手がいて、あの吉田道場、いや違ったあの吉田道場ではないその吉田道場(わかんねえよその説明)の選手と対戦した。そしたら最初、本当にヒカルド・アローナばりの弾丸タックル、というかダイナマイトタックルを見せて会場中がどよめきました。
ただその後うまく返されて、バックをとられたらそれを前に落とそうとしたんですね、谷島選手。
そしたら、そこから腕十字を極められ敗北。
ただ、映像じゃないと説明しづらいが、バック→相手が前に落とそうとする→腕十字の場合、顔を踏みつけられる危ない場面って途中で出てくるじゃないですか。そこで何度かトライした後、彼は豪快なスラムを二回実施。かなりシビアな感じだったのだが、やっぱりそこから極められた。
でも、なんというかインパクトがあって分かりやすい、また見たいな、と思わせる試合だったのです。
強さはこの二人
ウエルターのヨシロックTと、ミドルの藤井陸平。ともに慧舟会、A-3 とRJW。
こら、この二人はそれぞれの階級で優勝しちゃうな、と思いました。
「ネオブラは ケージフォースの 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
となりそうな予感。
ヨシロックは獰猛きわまりないし、藤井はミドル級では反則だ、の185センチの長身。最後はがぶりからスピニングチョークだったが、その締め技よりその前の段階である、相手のがぶりがよかった。これも長身をうまく生かしたよさ。
この階級にとどまるのかはわからないが、ああいうソップ体型を維持し、「階級の中のセーム・シュルト」を目指す選手も増えるのかな。
でもパンチはだいぶもらっていましたが
そしてIsm鳥生将大。いいところゼロ
まず、高田道場・岩見谷智義に負けたというところでいかりや長介。だめだこりゃ。
私は、別に高田道場に恨みがあるわけでもないが、道場長の業界内振る舞いに関する反発もあって、同道場選手(現在)の勝利を祈ったことは正直ない。そして
http://www.takada-dojo.com/player/
の記録のとおり、かの道場は”常敗不勝の軍団”としての名声をほしいままにしていた。
Ismの勝率も負けず劣らずではあるが、それでもなあ、だ。
ま、勝敗は兵家の常だし、上の高田道場への見方も公平に判断すればフェアネスを欠くようなものではある。
だが、問題は内容。いや、基本的にはドローだよ。マストで判定があったということで。
しかし、そういう展開になったのは、ほとんどの時間をお互いがコーナーロープに押し付けあって(たぶん5度か6度かはあったはず)5分2ラウンドという短い時間を費やしてしまい、その結果たった一回あった、岩見谷のテイクダウン(そこからの大きなダメージはほとんどなし)でポイントを奪われてしまったというお粗末ぶりだったのです。
2R終盤は鳥生も上からパウンドを落としたのですが、それは相手が引き込みだったことと、パウンドもいわゆるLay & Prayであったためにポイント逆転には至らなかったのでしょうな。
客席からも「自分から体勢をつくれ!」「上体を起こしてパウンドしろ!!」とさかんな声が飛んでいました。つうか北岡悟からだが(笑)。
とにかく、試合としてここまで純粋につまらなさを突き詰めた若手の試合は近頃珍しい。
んで、そのつまらなさは公平に見れば両者に責任があるのだが、岩見谷がつまらなかろうとどうでもいいこと。
しかし鳥生を擁するパンクラスは、今、北岡やヒカルを育てたころと比べてもそういう余裕はない。Ismとしてデビューしたら、まずは最短距離でそこそこのスターにならなければ意味がないのだ。はやばやと、個人的には脱落の印象を心に刻み付けられました。
それに何度もいうけど、パンクラスIsmは構造的に、野球チームのごとく「団体ファンが勝ち負けに一喜一憂」することを興行の柱にしている。今回はそういうファンをどよーんとさせて、帰路につかせたわけだから当然興行には響くだろう。まあ将来性はたしかに公平にみて、あるとは思うんだが。
おまけ・気づいたこと
近くだからいろいろ裏方の動きをみたりきいたりできた。
◆一試合、吉本光志(AJジム)vs長谷川孝司(パンクラス稲垣久美)で吉本が優勢に試合を進めながら最後にひざを金的に当ててしまい「反則負け」となったのだが、「両者の意志により5月30日に再戦をすることになりました」とのこと。
うむ、名判断!!両者とも武士なり!!と拍手したのだが、よく考えると競技的にはへんでしょね。それがノーコンテストならともかく、反則勝ちなのだから無条件で勝者の長谷川が決勝に進むのが筋。 これはトーナメントとは別で、ここで勝っても決勝自体は長谷川が出るのかな?
このへんが前から言っていた「競技じゃないことが別の正統性を持ちうる」という実例
◆前からだったのかもしれないけど、試合前のボディチェックでレフェリーは手のひらに霧吹きで水を吹き掛け、その手で体に触ってすべりをチェックしていた。
◆リングアナが普段の人とは違っていたが、すごくうまい。発音もいいし、よどみがとにかくない。上の金的のアクシデントもうまいタイミングでアナウンスをしていた。顔に佐藤光留のようなヒゲをはやしていた。
はて、あんな小さい興行なのにこんなに語ることがあったよ。
この規模のイベントではなかなか他の観戦記もないでしょうが
MMA The Orange
http://blog.livedoor.jp/suck_me_disco/archives/50943624.html