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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

昨日は憲法記念日でした。

筑紫哲也ニュース23がちょっと楽しみで、全日本柔道ドキュメンタリー(NHK)も見ずに見ていたが、実につまらない若手知識人を二人呼んでだべらせただけ。面白くもなんともねー。この二人が全くの役者不足で、爆笑オンエアバトルだったら全部放送されないだろうな。

だからこちらはさておいて。
最近、護憲論で面白いのは「九条なんてもともと高邁な、あり得ない様な、果てしない未来の理想を書いたもの。実際に自衛隊が存在することとの矛盾とかは、元々あって当然なのだ。だからこのまま九条があってもいいじゃないか」ってな議論です。

これは実は、自衛隊PKO派遣、日米安保条約違憲論からは大幅に後退した議論ではあるのだが、たしかにその要塞に籠もっていては全滅を免れまい。ヤン艦隊のイゼルローン放棄のように、大胆ではあるが賢明なやり方なのだ。

9条どうでしょう

9条どうでしょう

元祖ということではないが、以前の護憲論とのしがらみが無い世代が主導する。一番世間に広めたのは内田樹氏だろうし、数日前には長谷部恭男氏が東京新聞に書いていた。



ま、もちろん「おおやにき」でも
http://alicia.zive.net/weblog/t-ohya/archives/000410.html

・・・ところで憲法にはその国家が目指すべき目標を書き込む部分があって、そのあたりで実態と目標とが乖離することがある、というのは正しい。判例上もいわゆるプログラム規定論というのがあり
(略)、
しかし第一に、憲法の全部が全部そんな規定ではないのであって、憲法衆議院内閣不信任決議を可決したら、内閣は総辞職するか、衆議院を解散しなくてはならないと書いてあるところ不信任の可決があって、しかし内閣が総辞職も解散総選挙もせず、いやあ憲法は目標であって実態との乖離が生じるのは当然ですよはっはっはとか言われたらたまったもんではねえのである。
第二に、(略)まあちょっと不穏当な比喩かもしれんが「東大絶対合格!!」とか机の前に掲げとくなら模試でC判定くらいは取るとか偏差値60は超えるとかいう実態が求められるわけで、E判定だの偏差値40だのなのにいやあれは目標であって実態との乖離が生じるのは当然ですよはっはっはとか言ってる受験生が本当に東大合格を目標としていると信じるものがいるだろうか。度を過ぎた乖離を放置するとき、目標は目標としてすら機能しないわけである。


と言われているのですが、ここを私はもう一歩進めたい。
つまり私の立場としては「改憲」でも「護憲」でもなく「論憲」でもなく「加憲」です。
おお公明党と同じだ。庶民の王者(意味不明)。


すなわち、現憲法
「警察を持たない」
「税務署を持たない」
「消防署を持たない」

ことを盛り込みたい。
よく考えて御覧なさい。警察ってものが人民をいかに苦しめているか。人々の自由を鉄の輪ッかで奪い、家に乗り込んで家捜しし、建物の中に閉じ込め、強制労働させる。こんなわるいやつらがいますか。よろしく廃止すべきである。

税務署、人々の金を奪っていくどろぼうです。

消防署も我が物顔で騒音を撒き散らして公道を暴走、人の家を水浸しにし、場合によっては破壊するやつら。
彼らを全面的に廃止したい。


警察が無くなったら、犯罪をどうやって防ぐのか? 「諸国民の公正と信義に期待」すればいいんですよ。
税務署も国民が自発的に寄付でもすればいいだけ。消防だって火事をみんなの努力で無くせばいい。



ただし、わたしも以前の社会党のような無責任一代政党とはちょっと違う。
理想が実現されるまで、現行の警察、消防、税務署を容認しようではありませんか、やむを得ず。
そして笑おう、高らかに。

「いやあ憲法は目標であって実態との乖離が生じるのは当然ですよはっはっは」


以上のアイデアは、実は福田恆存氏が既に・・・何年前の論文ということになるのか、「当用憲法論(當用憲法論)」で「同国人ですら信用できないということを前提に警察を置いているのに、諸国民の公正と信義を頼りに軍隊を置かないというのは滑稽(大意。原文はもっと品格ありつつ平明な文章である)」と指摘した、そのアイデアを借りている。

時事論文であるのに、おそろしく、古びないものだ。あの文章は憲法を考えるとき、読まないで済ませるわけにはいかない。一般で入手は難しいだろうが、多くの図書館には全集があるか、自治体の大きな親図書館から取り寄せ可能だろう。
もしくは「日本を思ふ」

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=19526043&introd_id=Xmo46Wk2oo6i9891i819iiXi62Gk356m&pg_from=u

を古本屋で入手すると読める。