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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

人間は機械軍団に敗れてしまうのか?明日21日、将棋ソフトvs渡辺明竜王が対局

うーん、すまん、また時間が足りないや(最初のエントリを長引かせすぎるんだよ)。いろいろ語りたいのだが、とりあえず紹介(転載)しておきます。
この記事は凄くわかりやすく、興味を引くのでぜひごらんください

http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070318/bnk070318005.htm

頂上対決…渡辺竜王22歳Vs最強将棋ソフト


渡辺明竜王
 コンピューターの将棋ソフトとプロ棋士の歴史的な“頂上対決”が21日、東京・品川プリンスホテルで行われる。渡辺明竜王(22)が、昨年5月の世界コンピューター将棋選手権で優勝した将棋ソフト「ボナンザ」を相手に、平手一番勝負を受けて立つ。プロのトップ棋士と将棋ソフトによる平手の公開対局は初めて。コンピューターはプロの牙城を脅かすことができるか。(中本哲也



自信・重圧

 竜王のタイトルは将棋界の大看板。もし、負けるようなことがあれば、大事件だ。「対局が近づくにつれて、いやだな、という気持ちが大きくなっている」と、渡辺竜王は心境を明かす。

 チェスの世界チャンピオンが、IBMのスーパーコンピューターに初めて敗れたのは1997年。取った駒が使えることや敵陣で「成る」ことなど、チェスに比べて将棋のルールは複雑だが、当時のコンピューターや人工知能の研究者の多くが「将棋でもコンピューターが人間を超える日は遠くない」と予測した。現在はアマ6段ぐらいの棋力とされているが、終盤の読みの速さ、正確さでは人間は太刀打ちできなくなっているという。

 中学生で史上4人目のプロ棋士になり、20歳でタイトルを獲得した渡辺竜王は「少なくとも3〜4年のうちに、自分がコンピューターに打ち負かされる姿は想像できない」と言い切る。プレッシャーを承知で、機械相手のやりにくい対局を受けた。「今ならまだ、負ける気はしない」からだが、コンピューターとの対戦はこれからの将棋界にとって「重要なコンテンツ」と位置づける。

 「誰が最初にやるかとなると、今の将棋界では自分が一番適任かな、と思った。上の世代の人だと背負っているものが大きくて引き受けにくいでしょう」



理論化学者

 ボナンザを開発したのは、東北大大学院理学研究科で理論化学を研究する保木(ほき)邦仁さん(31)。カナダ・トロント大学の博士研究員時代に趣味で将棋ソフトの開発を手がけ、1年でほぼ完成させた。インターネットにフリーソフトとして公開。昨年5月の世界コンピューター将棋選手権では、初出場で優勝した。

 コンピューター同士の棋戦では、ボナンザが突出して強いわけではないが「人間相手だとボナンザの勝率は際立っている」(渡辺竜王)という。一昨年秋、渡辺竜王のブログでは「プロ棋士数名が平手で餌食になったとか」「奨励会有段者クラスがコロコロ負けているらしい」と紹介された。

 日本将棋連盟が、公の場で許可なく将棋ソフトと対局することを禁止したのも一昨年秋。

 「これまでのソフトだと、奨励会の若手は問題にもしなかったんですけどね」

 将棋ソフトの棋力をプロも無視できなくなったということだろう。



独創性

 ボナンザはスペイン語で「大発見」を意味する。強さの秘密はどこにあるのか。

 保木さんは、自称アマ11級。「11級というクラスはないので、アマ4〜5級でしょう」(渡辺竜王)。決して強いとはいえない棋力だが、チェスのプログラムを参考に1人でボナンザを作り上げた。

 「カナダにいたせいもあって、将棋ソフトの潮流については、全く無知だった。それで、他のソフトとは違うところが多い」(保木さん)。

 将棋ソフトは、膨大な対局データから最善手を探し出す。ほとんどのソフトは、プロの対局を参考に無駄な手筋を捨て、候補を絞り込む方法を採っている。しかし、保木さんは全ての可能性をしらみ潰しに調べる「全幅検索」を採用した。

 また、盤上の局面が有利なのか不利なのかを数値化して判断する「評価関数」には、計算科学で使われる「最適化」という手法を応用した。

 「専門の理論化学では、最適化を化学反応に当てはめて、原子核や電子の振る舞いを研究しています。それを将棋の局面判断に使ったのです」

 プログラムの独創性にボナンザの強さの秘密があるらしいが、「何でこれほど強くなったのか」は、保木さんにも分かっていない



一番勝負

 「渡辺竜王vsボナンザ」は、4月から始まるネット棋戦「大和証券杯」の特別対局。コロシアムを思わせるような円形の会場で、約350人の将棋ファンと関係者らが見守るなかでの対局となる。先手はボナンザ。持ち時間は各2時間で、使い切ったら一手1分。

 渡辺竜王は、自宅のパソコンで何度もボナンザと対戦しているという。「10秒将棋だと10回のうち1〜2回やられる」というから、やはり相当に手強い。

 「五番勝負で3勝すればいいのなら楽だけど、一番勝負ですからね

 一方の保木さんは「心配なのは機械のトラブル。勝てるとは思っていません。ボナンザが力を出し切って、人の頭脳とコンピューターの違いが見いだせるような対局になることを願っています」と話している。

(2007/03/18 11:19)


あした付けで語りましょう。他の記事はhttp://blogs.itmedia.co.jp/mohno/2007/03/post_26a3.html
などがありますが、ほかにもGoogleで「ボナンザ」などで検索してください。