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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

マグロとウナギ、食えるときに食っとけ。もうすぐ食えなくなる。(NHKスペシャル)

http://www.nhk.or.jp/special/onair/060910.html

2006年9月10日(日)午後9時〜9時49分 総合テレビ

マグロが食卓から消える?
〜世界の魚争奪戦〜

日本人が大好きな魚・マグロ。日本人が1年間に食べるマグロは、およそ60万トン。世界のマグロ漁獲量の実に3分の一を独占している。しかしこのマグロが今、供給不足に陥り価格が高騰。将来、私たちの食卓に上らなくなると心配されている。一体、マグロに何が起きているのか。

世界の魚の流通が、大きく変わろうとしている。経済発展の波に乗って魚の消費量が増え、世界の4割に達しようとしている中国。鳥インフルエンザ、BSEの発生以来、安全と健康志向で 魚食ブームにわく欧米諸国。その影響で、世界一の水産物マーケットを持つ日本に集中していた魚が、『日本離れ』を始め、熾烈な獲得競争が起きている。

世界の水産物マーケットを揺るがす台風の目となっている中国は、急速に輸出国から消費国へ構造転換している。これまで上海など沿岸部の富裕層しか口にしなかった海鮮料理を、内陸部の人まで大量に食べるようになり、海の魚の消費量が爆発的に増え始めたのだ。マグロや伊勢エビなど、高級食材から大衆魚まで、世界の魚が一斉に中国へと向かい始めている。

こうした中、世界の水産マーケットでは、日本の商社が、海外のバイヤーに買い負けし、日本向けに充分な魚が確保できない事態が相次いでいる。
一方で、日本最大の遠洋マグロの基地・宮城県気仙沼では、マグロ船主が次々と廃業し、大量の船員が船を降り、日本の遠洋マグロ漁は存亡の危機に立たされている。

番組は、中国の巨大な胃袋のパワーや世界の水産物資源の争奪の現場を取材し、これまで世界の海産物を独占し、輸入に依存し飽食を謳歌してきた日本人の食卓が、今後、どう変わるのかを見つめる。


中国が豊かになり、おいしいものを食べたくなる。お金があるので買う。
何も悪くない。が、日本人が庶民にいたるまで快適に、楽しい暮らしをするには、相対的に世界の中で日本がカネをもっていなければ不可能だ、という実もフタも無い事実を、マグロ買い付け競争は伝えている。

むかしの「マグロ」のエントリ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%a5%de%a5%b0%a5%ed

しかしマグロはおいしいからなあ。
もし、もうすぐ食えなくなるのなら、今のうちに食っておこうや。


ここまではNHKスペシャル」だが、もうひとつの危機が迫っている。

http://www.sanspo.com/tohoku/top/th200608/th2006082108.html

天然のウナギが食べられなくなる!?
夏バテ解消にはもってこいのウナギのかば焼き。香ばしいにおいがただよってきそうだが、ちょっと待った! 天然のウナギ資源が世界各国で急減。近い将来ウナギが食べられなくなる…
ここ数年、中国産養殖ウナギがどっと輸入されるようになり、ウナギは過去に比べて身近な食材になった。だが、その陰で天然のウナギ資源が世界各国で急減していることはあまり知られていない。減少のペースは速く、関係者の間には「このままでは近い将来にウナギが食べられなくなる」との危機感が広がっている。

▽天然頼み
「ウナギの消費量は増加傾向にあるのに、捕れるウナギはどんどん減っている。こんなことをしていたら資源が枯渇するのは明らかで、そのうちウナギは幻の魚になってしまう」。国内のウナギ主産地の一つ、鹿児島県の関係者はこう嘆く。

日本人が食べるウナギの99%以上がいわゆる「養殖もの」。といっても人工的に卵を採取し、成魚まで育てるという本当の養殖ではなく、シラスウナギと呼ばれる幼い魚を大量に漁獲して、それを池で育てている。

2003年、水産総合研究センター養殖研究所(三重県)のグループは、初のウナギの完全養殖に成功、世界的に大きな注目を浴びた。だが、同研究所の田中秀樹繁殖研究グループ長によると、現在の成功率はまだ0・026%。商業化の見通しは立っておらず、天然のシラス頼みの構造は当面変わらない。

そして、このシラスウナギの漁獲量が、場所によっては最盛期の10%近くにまで落ち込み、減少傾向に歯止めがかからないのだ。

▽減少は世界的
だが、ウナギ研究の権威でオランダ漁業研究所のウィレム・デッカーさんは「日本の状況はまだましだ」と言う。「欧州で毎年、新たに川に上るウナギの量は最盛期の5%足らず。今年も過去最低記録を更新した」と同研究員。「資源保護のためには今すぐにすべてのウナギ漁を中止すべきだ、というのが科学者の提言だ。今、やめなくてもどうせ数年後には漁業はできなくなるのだから同じこと」と、いらだちを隠さない。

米国でもウナギの漁獲量が急減し、政府が絶滅危惧種に指定することを検討し始めるなど、減少は地球規模で進む。乱獲に加え、ダム建設などの環境破壊が原因とされるが、つい最近、オランダ・ライデン大学の研究で、ウナギの稚魚がPCBなどの有害物質に非常に弱いことも分かった。原因が絞れないだけに、対策も進まない。

▽日本の消費が一因
欧州のウナギの減少には日本でのウナギの大量消費が深く関連している。1990年代末から、大量の欧州ウナギが中国経由で日本に輸出されるようになったためだ。ウナギは中国でかば焼きに加工され、日本の市場に流れ込む。97年に中国の養殖池に入れられた欧州産のウナギは、日本の池入れ量の8倍近くにも上ったという。

おかげで高級品だったウナギのイメージは一変。スーパーの店先に中国産の安いかば焼きパックが並び、食堂やコンビニにも頻繁にウナギが顔を見せるようになった。

民間の野生生物取引監視団体、トラフィック・ジャパンの石原明子さんは「資源保護のためには世界のウナギの7割近くを食べる日本で、消費や販売のスタイルを考え直す必要がある」と指摘する。「でも、ウナギが店先に山積になっている姿から、消費者が天然ウナギが置かれた厳しい状況を想像するのは難しい」と石原さん。

「もし、欧州のウナギの禁漁や禁輸が決まったら、日本の市場はパニックになる」。東京・築地のある業者のこんな懸念をよそに、今日もウナギは町にあふれる。

今までの「ウナギ」のエントリ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%a5%a6%a5%ca%a5%ae

うなぎを食い続けるためなら米国との一戦も辞さじ・・・・といいたいところだが、何しろ卵からの養殖が出来ず、全部天然の稚魚を捕まえているのだから立場が弱い。まだ人工完全養殖はできぬか。
じゃあ、やっぱり無力な大衆としては、食えるときに食っておくしかない。


孫の代には「昔はまぐろとうなぎという、美味い食い物があってなあ」と語るだけになるのだろうか。




【メモ】プロレス・スターウォーズが復活!!(詳細後で)