格闘技通信が、今回の号で通算400号を迎えたそうです。おめでとうございます。すでに俺の主観の中では、格闘技雑誌の王者の座を滑り落ちて久しいのですが(昔は某ゴング格闘技を読むたびに「ゴング格闘技が格通を超える日は永久に来ないだろうな・・・」と思っていたのだが)、それえも月二回発行なのだからすごいものです。
喜ばしいのは「教えて中山先生!」が一冊の本にまとまったこと。
中山氏の前の著書「ドクターストップ!」という本は少々面白くなく、「修斗の小方レフェリーはいやなやつ」という情報ぐらいしか覚えていないが(笑)、こっちは連載の時から楽しんでいたからね。
格闘技ザ・カルテ―格闘技通信連載「教えて!中山先生」SPECIAL EDITION
- 作者: 中山健児
- 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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アマジムの指導者にも同好会的なところの人も、いや、だからこそというべきか、
一冊購入して知識を身につけておかれたい。
でもひとつ追加してほしかった。
Q:足で押されたところ、体は大丈夫ですが心が痛みます。どう処置すればいいでしょう?
さて余談はともかく。
今回ちょいと楽しみだったのはK-1韓国大会リポートだ。
いろいろとプロモーション的なあれやこれやで制約があるだろうなかで、あの大巨人対決(の判定)をどう批判するかがだ。もちろん、前煽り記事でチェ・ホンマンが勝つとか言ってた人がいたことも承知。
だからこそ楽しみだったす。
ところが、がくしゃらに前に出ましたよここで。
チェ・ホンマンが勝つ。それを確信したのは、K-1韓国大会の2日前のことだった。
今年に入って、ホンマンのトレーナーを務める金泰泳氏に話を聞くと、「ローキック対策は万全です。どんどん蹴ってきてもらいたいですよ。秘策?もちろん用意しました(後略)」試合前だったため、だれにもその内容(註:秘策)は話せなかったが、筆者は周りの関係者に「ホンマンが勝つ」と断言したが、その度に「勝てるわけがない。スタミナ無いし、ロー蹴られて終わりだ」と日本だけではなく、韓国の記者にも笑われた。
分かってないなぁ、ホントに。
レミー・ボンヤスキー戦で露呈したローキックのディフェンスの課題は金トレーナーが修正済み。ザ・プレデター戦で見せたスタミナ切れは試合直前の足の怪我で走り込みができなかったため。今回は走りこみを十分にやってきたようで、絶対の自信を持っていた。
以上の事を背景に秘策を加味すれば、ホンマンの勝利を予想する人は多くなったはずだ。
ちなみにその秘策とはワンツーからの左フック。
(略)予想は的中する。
しゅるとのまえ蹴り、ローキックは足を上げることでディフェンス。ヒザ蹴りもあたらない。
連戦が続いていたためか、シュルトの動きも悪かった。シュルトも、ときおりパンチをヒットさせたがホンマンの顔をのけぞらせるまでには至っていない。K-1は、ローキックやパンチでバランスを崩したり、動きを止めないと大きなポイントにならない。ドローでもいいのではとの声も多かったが、2R終盤にホンマンが見せたパンチのラッシュは明らかにポイントになる。
ホンマンが判定勝利を収めたのは、妥当といってもいいように感じた。おそらく、なかには韓国でのK-1人気のために勝たせたと思う人もいるかもしれない。
でも、逆に言えばシュルトが勝っていた要素は見当たらない。仮にシュルトとホンマンを入れ替えて見たら、シュルトノ勝利を支持した人が多かったのではないだろうか。筆者にとってホンマンの勝ちは揺るがない。
悪くてもドローといったところだと思う。
(略)願わくば、アジア初のワールドGP王者になってもらいたい。ホンマンになら、その夢を託せる。(P126、127)
ちなみに写真キャプションも
「クリンチが目立ったシュルト」
「シュルトは両手を伸ばして逃げるのが精一杯だった」
「まともにヒットしていればKOを狙えただろう」
「パンチのテクニックはホンマンの方が上だ」
などと書いてある(苦笑)。
このレポートの筆者は、松井孝夫氏。
彼が悪いわけじゃないと思う。
考えるに、彼にページを与えて、レポート記事を書かせた編集部に責任があるように思います(笑)。
これはこれで面白いので、こういう揺ぎ無い世界観は、井上編集長のように扱ってほしい。
「ゆうちゃ悪いけど、ホンマンには「殺し」があるんですよ!(ドンッ)」とか。