一応、全体的に触れておかねばと。
実を言うと環境の変化で、月曜発売の週刊誌に目を通す暇がなく(ようやっと逆説の日本史を読むだけ。ジャンプすら飛び飛びだ。デスノートが終わりに近い、というのも伝聞で聞いてるだけなのだから)、第二回だけかな、ちゃんと通しで読めたのは。
それでもネットの引用や転載で大まかな見取り図はつかめる。
実をいうと、週刊現代の内部事情に関しても少〜〜しだけ(カブキ調)耳にしたことがあって、要は内部に、格闘技方面に”網を張っている”編集者が何人かいるらしい。常に追っているというより、何かの話が出てきたら即座に反応するような感じで。
以前、2003年に故森下直人社長が突然の死を遂げたときは週刊文春が一番深く追ったが、それ以降、石井館長脱税事件も、その逮捕に至る前の第一報は週刊現代によってなされたことを覚えている?
ちなみにそれをテキトーな怪しげな訳にしてUGフォーラムでアナウンスしたのは俺だ(笑)。
「脱税」という英単語を調べる手間を惜しみ、頭の中の手持ちの語彙を組み合わせ「TAX SCANDAL」と描いたのを覚えているよ。その後も在宅起訴とか、法廷用語には悩まされたなあ。
その後、裁判になって以降、総合的に論じた文章が「月刊現代」に出たことも有る。
今回の川又誠矢氏インタビューに関しては指摘されている通り、川又氏がまだ自分の正当化や不利な事実を隠している部分もあれば、針小棒大な部分もあるだろう。
しかし本質的にはそれはどうでもいいの。
というのは要は一次証言、「私は榊原さんと・・・という話をした」「私は・・・・とホテルの部屋で合った」という”自分の体験”として語れる人だということなんだよ川又氏は。他のジャーナリストがどんな詳細な調査やレポートをして、そっちのほうが詳しかったり正確だったりしても、それとは別の重みが「川又氏はこう語っている」という記録にはある。
ぶっちゃっけ、榊原信行さんは「川又氏は嘘をついている」と否定する形になって、そうすると自身の「実際の行動」に触れざるを得ないというジレンマがある。週刊現代も、まず上手くやれば訴訟で負けることはないだろう。
そして、話はそれ以上に大きくなる。というのは明日発売の
http://www.zasshi.com/ZASSHI_SOKUHOU/data/syuukangendai.html
「格闘技と暴力団」フジ・日テレへの公開質問状
ケイ・コンフィデンス・川又誠矢社長
これは一番やわらかい部分を狙ったボディ・ブローだ。それも、KOを狙ったボディ打ちだ。「公開質問状」という一文をみて、私は慄然としたよ。
というのは・・・・・近年、北海道新聞が北海道警の裏金不祥事を追及したことがあったでしょう。あの時以降、普通地域紙というのは事件のスクープに強いものだが、ぱったり道警上層部からの情報は来なくなった。
そこで北海道新聞はどうしたかというと、「平場」と呼ばれる、公式の記者会見の場を利用したんだな。田岡俊次氏も言っていたが、事件に強い記者は、他社にも話を聞かれる記者会見の場では、何も聞かず、こっそり夜回りで自分の持っているネタを、1対1でぶつける・・・というパターンだった。
しかし、平場、公の記者会見の席では、質問には無視せず答えなければいけないし、その場での答えは密室でのやり取りと違い取り消しも訂正もできない。そういうメリットがあるというわけだ。
今回の「公開質問」は、対象がDSEではなくフジテレビ。この前のライブドアとの一件で「放送の公共性」を必要以上にうたっている(笑)こともあり、無視するわけにもいかない。ましてや確か、フジ社長は定例会見もセットされているはず(違うかな?)雑誌は排除されているかどうかしらないが。
これを民放連の問題として取り上げることもできるし、興行で「手が汚れていない」ところ・・・たとえばNHKや朝日新聞などが後を追ってもおかしくは無いのだ。
それに、こういう形でフジテレビに問うとなると、中での「儀礼的なあいさつや、面識ぐらいはありますよ。それでも内部には口を出させません。興行は昔からそういう人たちが根を張っているから、まったく無関係にはなりにくいんですが、踏み込まないようにしています」ぐらいの説明(これが事実かどうかは知らないよ)もペケ。
まったく知りません、会ったこともありません、完全に事実無根です・・・という話になる。そのへん、相手をタテマエの縄で自縄自縛にさせる効果もあるのだ。
鎖は一番弱い場所が欠ければ、それだけで用を成さなくなる。
われわれは無責任な噂話として「格闘技・プロレスには暴力団が関係している」という話を聞いていたけど(PRIDEに限らないよ)、それが公の場で議論されるなら、それに興味は持たざるを得ない。
もちろんそれでPRIDEが崩壊したら、こんなに悲しいことはないんだけれど、だからといってこの関係がこのまま曖昧な噂で尻切れトンボになったらそのほうが将来のダメージは大きい。
まずは、週刊現代がフジテレビに「公開質問状」を出したのなら、きっちりフジテレビはそれに対して返答するのが筋だろう。また榊原信行DSE社長が訴訟か、反論文のオフィシャルサイト掲載か、どっちにせよリアクションするというならまずはそれを検証する。
(オフィシャルサイトでメディアに反論するというのはひとつのやり方で、前にも書いたけどいいことだと思う)
とにかくも、「また焼き直しの、目新しいことの無い失敗興行師のグチかー。」と思っていた週刊現代の川又誠矢インタビューが、思わぬ破壊力と深みを持っていたことは間違いない。