だそうだ。昨日付の「産経抄」より。
赤穂浪士をめぐる諸問題は書きたいと言ってるうちに時期を逸して、井沢元彦の逆説の日本史も雑誌では終わってしまったね。
今までのエントリ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%c0%d6%ca%e6
まあ、とっかかりぐらいは書いているかな。
少し「風雲児たち」でも、この問題が描かれているのはご存知だろう。
リアルタイムの赤穂事件の時ではなく、大塩平八郎の乱を解説する際、大塩のラディカルさ、純粋さが儒学(陽明学)にあり、いかに極端な議論も有り得るか・・・を解説する場面だ。
「討ち入りに準備など要らない。主君を殺されたら準備があろうとなかろうと、そのまま切り込んでいくべきだ。それじゃ成功しないなどというのは「成功しなきゃイヤだ」という商人の発想で純粋ではない」という学者の論を紹介している。
みなもと太郎は名前を書いていないが、これ書いたのは、実は「葉隠」作者の山本常朝なんだよね。
「武道において分別出来れば、早おくるるな也。忠も孝も不入、士道に於ては死狂い也。批内に忠孝は自らこもるべし」
と今一部で流行語の「死狂い」を打ち出した人。
ただ、この人は陽明学かなあ?みなもと氏も留保しているけど。
で、実は「葉隠」にも、ある出生の秘密がある。
実はこの前、kitさんに「漢祭り」を送ってもらった(http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051228#p3など参照)とき、彼らが会場で買ったというみなもと太郎の「風雲児たち外伝」も一緒にいただいた。
それは本編ではいまいち存在感が薄いながらも実際に重要な、肥前鍋縞家の由来から説き起こしたものであった。
これがその、「葉隠」の裏の顔と、実はつながっていく・・・・・・(続くだろうか)
また、別の面からの「葉隠」の裏の顔に関し てはパオロ・マッツァリーノ『反社会学の不埒な研究報告』でも書かれている。
おっと、「葉隠」の話は面白いのだがわき道だ。
うーーん、なかなかまとめるにはデータが膨大で面倒だな。検索で先人の文章を探そう。
http://busino-ikuji.hp.infoseek.co.jp/akourous.htm
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2003_12.html#chu
ああ、あのNHKの人気番組でこのテーマをやってたのか。
・・・・吉良邸討ち入りによって、今も絶大な人気がある赤穂浪士。しかし大石内蔵助たちは、最初から「義士」として認められたわけではない。討ち入りが、幕府高官を集団で暗殺した事件とみなされれば、単なる犯罪者とされて終わる可能性もあったのだ。無罪放免からまで打ち首まで議論が百出。堂々めぐりのお裁きは、幕府の政治を根底から揺るがしかねない問題へと発展したのである。
すべての発端は2年前、殿中松の廊下の刃傷事件。「法」を重視する将軍・徳川綱吉は、浅野内匠頭に即日切腹を命じた。しかし今回の討ち入りを同様に法に照らして厳罰に処すれば、主君の恨みを晴らそうとした浪士たちの「忠義」を認めないことになり、幕府は批判の矢面に立たされる。かといって彼らの忠義を評価して無罪にすれば、徒党を組んで幕府高官を襲撃することを了承することになり、江戸の平和は崩壊する。「法」か「忠義」か?将軍・綱吉たちは、この大石内蔵助が投げかけた究極の問いかけに、右往左往するのである・・・・
むかし、小生はこの論争を「元禄十五年の「朝まで生テレビ」」と呼んだが、そのゆえんがわかるでしょう。
ところでうちのほうの活字の元ネタは、何度もいうように
山本七平「現人神の創作者たち」
- 作者: 山本七平
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- 作者: 井沢元彦
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そして・・・今井淳・小沢富夫の「日本思想論争史」。
初版が1979年に、ぺりかん社という小出版社から出たものなので、いま手に入るかなあ・・・?でももそのごく面白い。戦国時代に日本にやってきたイエズス会と、日本土着知識人(仏教、神道信徒)との論争も、もう実にすごいんだよ。
おおすごい、はまぞうにも載ってるし、まだ売ってるらしいぞ。
- 作者: 今井淳,小澤富夫
- 出版社/メーカー: ぺりかん社
- 発売日: 1979/01
- メディア: 単行本
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http://www.perikansha.co.jp/html/0240-5.html
そういえば、以前から「有明で格闘技興行があったら、途中のお台場海浜公園で降りて、「風雲児たち」ペリー来航編の追体験をしよう!」と言っていたのだが、明日は寒いからなあ。
もっと気候がいいときじゃないとダメだ。
お台場についてのエントリは
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%a4%aa%c2%e6%be%ec