これもゴング格闘技167号より。もっと話題になっていいかと思ったのだが。(P36-37)
「坂本さん」は、もちろん現役時代”黒豹”の異名を取ったサスティンの坂本一弘代表のこと。
−− ・・・で・・・そのう・・・どうしても聞きたかったことなんですけど・・・金子賢・・・選手の話をちょっと。
ルミナ 耳が痛いですね(苦笑)。
−− ・・・その・・・、以前、ゴン格のインタビューで大きなイベント系の大会(註:修斗ではよく「競技」と「イベント」を分けて使う。ここではDynamite!やPRIDEを指すのであろう)は、事故がおきないと何が大切か分からないというようなことをルミナ選手は言われていましたよね。
それなのに金子・・・選手と練習をしていたというのはちょっと違うんじゃないかと。アマチュア修斗も経験したこともない選手が、あのルールで戦うというのは・・・
ルミナ まあ、素人ですね。基本的には大反対です。彼は(略)普通に仲の良い友達っていう関係だったんで。(略)基本的に彼にも言ったけど、俺はこういうものは好きじゃないって。でも、彼も大きなものに流されたり、芸能界の人間だから。(略)リングに上がるまでは応援するよと。
−− リングに上がってしまえば、結果的にそういう危ないことに、加担したのと同じではないでしょうか。これはルミナ選手、言っていることが少し違うんじゃないのかっていう。
ルミナ 俺が言ったからって止まるような世界じゃないから。変に大人になっちゃったのかなって、俺が。(略)
−− 相手の事情を考えてしまったわけですね。
ルミナ まあいろいろね、坂本さんにもPRIDEとの付き合いみたいなものもあって、その中で俺が突っぱねると坂本さんの顔が潰れるっていうのもあるし。長いものに巻かれるっていうのが若干あったかと思う。セコンドだけはつけなかったけど。それだけは、できなかった。
(略)
ルミナ まあ、だからね、五味(五味隆典)の試合やKID(山本KID徳郁)、所(所英男)の試合とかすっごいハイレベルな戦いと、芸能人の試合が同じリングで行われるのはね。一般の人が見たら同じもんだと思っちゃうでしょ。俺の中ではそれが嫌だから。自分だけ真剣にやってりゃいいとか、そういうことじゃないと思っているんで。
聞き手は村上太郎氏。
ものすごい、本当に凄いインタビューだ。
これだけ重要な発言を引き出すというのは、そう簡単に出来るものではない。相手との信頼関係の構築、質問の技術、真摯な姿勢があって初めて可能となるものだ。
一般的なジャーナリズムの範疇から言っても、修斗のカリスマで前環太平洋ライト級王者がこう考えていた、というのは大変な特ダネだ。
佐藤ルミナも、あたう限り誠実に、ウソをつかずに答えている。小泉純一郎のような、はぐらかしは無い。
中に(略)が多いのは、分量的なことがあって手間がかかるからだが、その部分にも重要な発言は多いので、あとで補足したい。