昨日の記者会見を各紙が伝えている。
日本”亡命”中のフジモリが再出馬できるというのは、国籍の存在などが争点となった経緯から難しいかと思ったが、そのへんのフレキシブルさは南米ならでは(笑)。
なにしろフジモリ辞職後の大統領選にも、金銭スキャンダルで亡命していたその前の大統領が再出馬、しかも大善戦した(笑)。
今のトレド大統領もとにかく周辺にスキャンダルが相次ぎ、鉱物資源の価格上昇による経済成長と、小切手を貧困層に直接ばら撒く政策などで支持率はやや持ち直したものの、フジモリと同じ水準(20%前後)だ・・・と各新聞は伝えている。
(ちなみにフジモリと一騎打ちをした選挙戦で、何度もアジア系全体を蔑視する発言をしていた)
彼の政策は、例の「自己クーデター」も含め、大きな部分では正しい方向性を掴んでいたように思う。実は数年前から言われていたことだが、トレド政権はしゃかりきになって、フジモリの「秘密口座」を調査し続けていたが、結局独裁者おきまりの巨額資産を預金した口座は発見されなかったのである(朝日新聞より)。
民主主義者という文脈で語ることはできないだろうが、「開発独裁者列伝」の中では訒小平や朴正煕と比肩しうるような功績を挙げた人物であり、それをこの支持率が証明するのだろう。
この場合、彼を保護する決断を下した日本外務省もなかなかのグッジョブ、と珍しく褒めるべきなのか。
そういえば、なぜかクリントン政権はマハティール、フジモリなど開発独裁系の政府には露骨に対立していた。中国との関係を見ても理念的な人権外交をしていたわけが無いのに、あれはなんだったんだろうか?