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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ゴング格闘技グラップル」

読みました。マニアなつくりは揺るがないが、アブダビ・コンバットでのホジャー・グレイシーの二冠王や女性部門など求心力があるので飽きさせない。


ちょっと個人的に興味を惹かれたのは、あまり体系的に学ばず(諸般の事情で学べず)ビデオを頼りに大会に上位入賞しているアメリカの柔術家(すまぬ、手元にあるはずだが今どうしても見つからぬ。よって名前不明&以下の内容うろおぼえ)。なぜ体系的に学べないかというと、柔術道場(グレイシー系)を追い出されたためで、その理由はお馴染み「他の道場と交流して門外不出の技術を教えたから」だそうだ。


そのアメリカ人は「彼らは”武術”の発想だからだめなんだ」と指摘する。武術は門外不出にして研究させないようにするが、それで交流に消極的になるより、道場で他のみんなと交流すれば、どんどん新しい発想や新しい技術を得ることが出来、結果的にトクなんだと言う。

前にも少し書いたけど司馬遼太郎「北斗の人」は千葉周作を描いた中篇。
近代合理主義なナショナリズムに基づいた司馬氏らしく(このへんはちくま新書浅羽通明ナショナリズム」参照)、神秘の装飾を引き剥がして合理的体系を作り上げたことこそが北辰一刀流の画期的な点だと喝破している。


ただおそらく、技術体系の公開・交流によってどんどんワザを進化させていこう、というのはやっぱりスポーツ的な発想なのでしょうな。 実際、秘密主義も他人が公開する中で自分だけ秘密を持ってりゃ確かに意味はある(笑)。このあたりは「囚人のジレンマ」とか「ゲーム理論」にもつながるのでしょうが、それは数学の範囲なので俺は知らん(笑)。

女性のグラップリングに関してはあまり諸外国とも差は無いのに、キーラ・グレイシーが優勝したことを見て、格闘技に梶原一騎的なハッタリを持ち込む気はさらさらない筈の高島学氏が「これは”グレイシー”の強さでは?やはりグレイシーには、何か秘密のコツが伝わっているのんじゃなかろうか・・・」みたいなことを話していた。