退職が事実なら、上村幸治氏の新作は読めないことになりニーノ・エルビス・ションボリ(小ネタ)であるが、別の傑作もある。フム興味深い。
発信箱 機密の海=潮田道夫
自宅や会社の緯度・経度がすぐ分かる方法がある。ちなみに毎日新聞東京本社は北緯35度41分28秒、東経139度45分27秒だ。私の自宅も秒の単位まで開示可能だがやめておく。タネ明かしすると、国土地理院のホームページだ。地理情報の閲覧・提供サービスのコーナーの「全国の2万5000分の1地図を見る」で、お望みの場所をクリックすると、緯度・経度が表示される。
国土地理院は参謀本部陸地測量部が前身だ。ここが1924(大正13)年に5万分の1地図を完成させた。しかし、当時の地図にはところどころ空白がある。軍事施設などの所在地だ。
いま地図は秘密でもなんでもない。だが、海図は別。ことに潜水艦用は国家機密らしい。
米原潜「USSサンフランシスコ」が年初、グアム近海で海山に衝突、乗組員1人が死亡、23人が重傷を負った。海図が不正確だったからだ。海は広すぎる。世界最強の米海軍にして海図は完備にほど遠い。
海上自衛隊の元潜水艦長に聞くと、海図のない海域で潜水艦を操艦する気にはなれないという。日本領海を侵犯した中国原潜は浅い海を延々と潜行して帰投した。よほど精密な海図を持っているに違いない。中国の海洋調査船が日本近海で海図つくりのデータ収集をしているようだが、いい仕事をしている。
潜水艦の魚雷は1発で巡洋艦を真っぷたつにする。だから、潜水艦がいると分かると空母は一目散で逃げる。日本近海での潜水艦の鬼ごっこは、空母の行動の自由、つまりは制海権がかかっているらしい。(論説室)
毎日新聞 2005年5月13日 東京朝刊
ふーむ、海図なんて一通り、地球上に全図が出来てるもんだと思ってたんだけどね。
これがどれだけ重要なことなのか、正直素人には実感できないな。
海の中には、エベレストより遥かに高い山がある!なんてのを、昔学研まんが「海のひみつ」だったかなんかで読んだことがあるよ。
そういえば「風雲児たち」でも、日本近海の外国船の測量に関するエピソードが何度も描かれていた。