http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20050303012.html
絵本「ちびくろ・さんぼ」復刊へ
黒人差別を助長するとの抗議を受け、1988年に絶版となった岩波書店発行のロングセラー絵本「ちびくろ・さんぼ」(フランク・ドビアス絵、光吉夏弥訳)が別の出版社から4月上旬に復刊されることが3日、分かった。新しい版元となる「瑞雲舎」(東京都港区、井上富雄社長)には書店からの注文が相次いでいるという。・・・黒人への蔑称(べっしょう)」などと市民団体などからの指摘を受け、岩波書店は同書を絶版に・・・
何度か「ブラック・サンボ君」や主人公を犬にした「ちびくろ・さんぽ」なども出たのだが、今回は岩波版ということで話題性が高い。
ところで、この問題に関する議論、異議を最初に問うた本をご存知だろうか。
経書房という、ごく小さい出版社から1990年に出た本だ。

- 作者: 径書房編集部
- 出版社/メーカー: 径書房
- 発売日: 1990/08/01
- メディア: 単行本
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おお!まだ発行されている。これもロングセラーだな。結構、図書館にも置かれているはずだから探してみて。
この出版社の創業者はたいへんリベラルな人で、天皇の戦争責任問題を同時期に発言して話題になった本島等市長への、賛否の手紙を本にしたりして話題になった。
その出版社ですら、敢えて異議を唱えたと言う意味は大きい。
http://www.komichi.co.jp/
それはそれとして。
是非読んでほしいのは、その絶版の大元である岩波書店の社長・・・ちょっと北朝鮮問題に詳しい人はご存知ですね、安江良介がインタビューに答えているのだ。
このインタビューと言うのが。
どうも、「絶版はおかしい」と思う人がいるなんてことを夢にも思っていなかったらしく、疑問点を聞き手が、あくまで丁寧に、誠実に尋ねているのに、極めてゴーマンで高圧的で、しかも論理性のない恫喝まがいの発言をしまくっているのである。インタビュアーも困惑していた。
安江良介という人は、日本戦後言論界に特筆大書されるべき戦犯といえるが、彼に代表される岩波書店の”闇”を垣間見る、好インタビューである。
これ以外にも、オスマン・サンコン(笑)や本多勝一、「黒人差別をなくす会」などさまざまな立場の人にインタビューをして多角的に光を当てている。
ちびくろさんぼ復刊に合わせて、この本を推薦いたします。