上に「政権交替」という言葉を使ったんで思い出したんで書いておこう。
もし民主が政権をとったばあい「スモール・アーリー・サクセス」と呼ばれる、簡単にできて世論に支持される小さな成功をどう、収めるかが課題といわれる。これは実施のときに官の反発が相当強いことも考えられ、「スモール」になるか分からないが・・・民主が掲げる中で大きな予算措置もおそらくはいらず、世論の支持もあるだろうと思われるのは「取調べの可視化」だ。
もし実現した場合・・・・こういうことは難しくなるのか、残るのか。
元特捜部の検事で、ヤメ検になったあとは「闇社会の守護神」と呼ばれた田中森一・・・この前、控訴でも負けたんだっけ。
彼が取調べた中に、こんなのがある。
容疑者は、文部省のノンキャリアトップの職員で、そのもらった金の使い道を田中は追及していた。取調べに対し・・
ありゃ?もう文庫になっているんだ。
「実は私、他人には絶対にいえない趣味があるんです」
そう言うと、呼吸を整えるかのようにしばらく口をつぐむ。
「なんや、はよう言わんかい」
こっちは気が短いのでつい口を挟んだ。すると、彼は切り出した。
「もし、これがばれたら、死ぬ以外にありません。だから、これまで金の使い道については何もしゃべることができなかったのです」
そして、また黙り込む。仕方なく、今度はやさしく言葉をかけた。
「どういうことや」
うなだれたまま、彼がようやく小さく口を開けた。
「私には家内も子供もおります。でも、本当は男の人しか興味が無いのです。だから、業者から受け取った金は、そういうところに使いました」
「えっ」
同性愛好者だというのだ。思わず、声をあげそうになるほど、驚いた。実際にそう漏らしたかもしれない。だが、驚いた態度を見せるわけにはいかない。冷静を装い、わざと言った。
「そんなこと、おまえから言われんでも、知っとったわい。検察をなめたらあかんで。おまえがそれをいつしゃべるか、見とったんや」
そのあと「そういうところに使った」のディテールが、いろいろ書かれているのだが、それはこの逮捕者に気の毒だし控えよう。一言でいえば、趣味を出せるワンルームマンションを借りてあるものを集めたり、逢引の場所も逆に一流ホテルでなければならない理由があるというのだ(詳細は直接読めば分かる)
さて、自供した彼をめぐっては・・・
「ワシはこの事件でウソの調書をつくるから。おまえが相手にしていた男を、すべて女に置き換えて、そこに金をつかっていたことにするからな。その代わり、絶対にこのことは公判でも話すんやないで」
けっきょく、相手の弁護士や裁判官まで巻き込んで、この裁判は大きな部分の「真実」を欠いたまま進んで、そのまま判決が出た。
いい時代?だったともいえるし、カミングアウトのできる環境がどうとかそういう部分からも検証されるべきかもしれない。本人は「公判で行動が公になれば彼が自殺するから」というふうにいっている。ただし、こういう部分を握られている以上、公判で検察に逆らえなかったことは容易に想像できる。田中氏も、「わたしは間違いなく男を相手にしてきました」と一筆書かせたという。
もうひとつ「ヒルズ黙示録最終章」という本がある。
ここで笑っちゃったのが、例のなんとかとかかんとかという経済犯罪の容疑で逮捕したホリエモンに対して、東京地検特捜部は集中的にホリエモンは援助交際をしたんじゃないか?ということを捜査している(笑)
いかにもそういう感じのキャラクターなためでしょうけど、あとはホリエモンを起訴した容疑が、まれにみるほど法律上微妙だということがあるんじゃないだろうか。そっちでは無罪だが、押収したPC資料などから援助交際(なんとか条例違反)のほうを立証し、そっちで罰することで社会的に葬ると。
検事たちはこういうこともやっていくのだ。
でも、児童なんとか条例違反で起訴するならまだマシで、それを突き止めた後、そっちは起訴しない、取り上げないことと交換条件で、その微妙な経済事件の案件で認めさせる・・・ということもあり得る。はっきり言って、こっちのほうが楽で効果的かもしれない。
あ、彼の名誉のために言っておくと、秋霜烈日の東京地検特捜部の必死の捜査にもかかわらず、援助交際がらみではまったくの白。ホリエモンが未成年者に興味なくてよかったですね(笑)。
うーむ、堀江貴文をパクった東京地検が、彼をまったく畑違いの「援助交際」がらみの罪はないかと捜査した、という話は面白いのだが、ネット上には関連記事ないな。
「ヒルズ黙示録 最終章」は電車の中に置き忘れてしまった・・・・
女性問題だ、未成年の援助交際だというのもあれだが、今後、女性の社会進出が盛んになればこういうのもあるかもしれないな。
キャリア女性官僚とかの家宅捜索で知見がこれを発見すれば、すぐ落とせそう。
おお、期せずして有明での某イベントにあわせた、タイムリーなネタになった。