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単行本でも読んだけど、アントニオ猪木の「ブルーザー・ブロディでくのぼう論」は面白かった
#アントニオ猪木#ブルーザー・ブロディ
— 木村光一 (@vdxJog5HlRT47XH) July 16, 2026
【アントニオ猪木インタビュー】
〜ブルーザー・ブロディ
〈聞き手・文/木村光一〉
◾️ベートーヴェンの『運命』…(略)
◾️利己主義の権化のようなブロディのファイトスタイル
──ブロディと闘ってみて印象は変わりましたか?
猪木 最初は「こんな〝木偶の坊〟はいない!」っていうのが正直な感想でしたね。相手をどうこうするというより、自分の決められたパターンしか演じないというブロディの〝型〟が出来上がっていて、誰が何と言おうとそれを崩そうとしない。絶対に相手に合わせようとしないんだから、いい試合をしようにもどうにもならないというか……。
──スタイルの違いでは済まされなかったと?
猪木 もっとも扱いにくくて厄介な選手でしたね。新聞記者をやってたくらい頭も良かったんだけど、まるで人を信じられない性格なんですよ。プロレスは闘いだけど殺し合いじゃない。だから許し合える世界もそこにないといけない。なのにそれが彼にはなかった。おそらくそれがああいう死に方(註/1988年、プエルトリコでの試合前、レスラー兼ブッカーのホセ・ゴンザレスとの諍いが原因で試合前の控室で刺殺された)につながってしまったんだと思う。
──人を信じようとしない利己的な人間性が、そのままブロディのファイトスタイルに直結していたとすると、猪木さんとブロディの試合は、他者を肯定する者と否定する者が、互いの生き方をぶつけ合った闘いでもあったんですね。
猪木 そうかもしれないですね。
◾️〝受けきる快感〟が極限に達した瞬間に生じる〝殺されても本望〟という異次元の達成感
──ブロディの頑ななファイトスタイルに対し、猪木さんは徹底的に彼の技を受けることで試合を成立させていたように思います。そのためか、ブロディもまた、猪木さんが相手のときはニードロップを喉元に落とすなど、それまでのファイトより一段も二段もギアを上げていたような気がします。
猪木 最近になって気づいたんだけど、俺がプロレスの試合に求めていたのは、強いか弱いかとか勝った負けたとかじゃなくて相手との調和だったんですよ。それはさっき言ったプロデュース感覚にも関係してるんだけど、ブロディをそれに当てはめて言えば、噛み合わないなら噛み合わないで、俺が徹底して受けることでブロディに心地よさを与えて彼のテンションをさらに上げていった。俺もそこに試合の意義と満足感を見つけて達成感を味わっていたんですね。その心地よさっていうのは、きっと観客にも伝わっていたんじゃないかな。(略)
──せっかくハードな闘いを通じて何かを共有できたかもしれなかったブロディが、その後、再びトラブルメーカーに逆戻りしてしまったのは残念でした。
猪木 結局、自分を高く売ることばかり考えてたんですよ。プライドの高さをそのまま即ギャランティとかに結びつけてしまう。プロですからそれは構わないんだけど、ちょっと度を越していたというか。こっちが「よし、今日は徹底的にやるぞ!」ってテンションを高めているのに、試合直前になって突然「試合はやらない」とか言い出すんだからね……。俺が控室まで乗り込んだこともありましたよ。
──それはファイトマネーを吊り上げるための駆け引きだったんですか?
猪木 彼の常套手段だったんですよ。それで全日本もずいぶん泣かされたんじゃないかと思います。それにしても限度ってものがありますから。本当のところはわからないけど、もしかすると彼には、人を信じられないという性格だけじゃなくて、彼自身、自分でもコントロールしきれない分裂症的な側面を抱えていたのかもしれませんね。
──闘ってみて猪木さんのブロディに対する評価は変わりましたか?
猪木 監督と役者というか、マイク・タイソンとドン・キングの関係みたいな、第三者のプロデュースを受け入れることができていたら、ブロディは大輪の花を咲かせたと思うんですよ。
(後略)
※これはこの本から、著者自らが抜粋した


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