さてさて、明日、あさってに結果が出るやらでないやら……
これまでかいた関連記事以上の話も別にないので、表題にうたった話だけひとこと。
元ネタは、何度も紹介した「アシモフの雑学コレクション」。探せば絶対に現物があり、原文も紹介できるはずなのだが、例によって埋もれて見つからないので記憶でいうと、どんなレトリックや条件付けか忘れたけど、とにかくタイトルのようなことを端的に語っていた。
「アメリカは、現存する中で世界最古の国家である」と。
- 作者:アイザック アシモフ
- 発売日: 1986/07/29
- メディア: 文庫
国家がどこからどこまで「続く」のかはぶっちゃけ定義次第の話である。
これはたまたま、いまの日本が、象徴的な意味合いを持つ「王朝」の血統が続いていることになっているから、その定義(※定義次第だから、それが全く間違ってるわけでもない)を出して必要以上に誇る傾向があるので言っておく話。
鎌倉幕府も室町幕府も徳川政権も、ひとつの「王朝」として興亡した、ともいえるし、たとえば天皇主権であっても、その国家は1945年に消滅し、新憲法のもと新国家が生まれた、ともみなせるわけで。
逆に例えば中国が、いわゆる俗的な王朝交替の史観で
・ 殷、周、秦、漢、三国、晋、南北朝、隋、唐、五代、 宋、元、明、清……を、それぞれ天命を受けた王朝の交代の上で中国があった、とみなしても、
いやモンゴルはモンゴルとして宋を「滅亡」させて、大元ウルスとして征服したんじゃない?みたいに定義することもできる。
・・・・・・・・ということで、国が「続いている」かどうかなんて定義次第ではあるんだけど、それでもその定義の中で有力なのは
「国は憲法のもと建国される。」
というもので、憲法の重要改正ごとに「第〇共和国」と自ら任じてる国もあるでしょ
そういう立場に立てば「アメリカが今も続く中では最古の国家である」というのも、ぜんぜん普通の話なのです。
で、この前の「ひるおび!」かな、アメリカがいまだに大統領選の勝敗をトータルの通算得票でなく、「州ごとの選挙人」の数で選ぶ、それも州ごとにほぼ総どりになるのを見て「なんで総得票で選ばないんですかね」と出演者が不思議がってたけど、何最古の国には、古くから続く奇妙な伝統があるのだ、ということです。
それに州がそれぞれの国だと考えれば、確かにその州で選ぶ長は「1人」であるほうが理屈は立つ。
その「国衆」の代表者が、お館様を選ぶのだ、と考えれば話は早い。真田丸状態だ。
そんなこんなで
「アメリカは最古の国家である」
この言葉を、ちょっと思い出しながら、今回の選挙を見守りませう。