こちらの続編的な記事を。
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歴史は「銀英伝」で学べ!!!
田中芳樹原作による、小説、コミカライズ、アニメ、映画、舞台と、様々なメディアミックスで展開される銀河英雄伝説。
「大人も楽しめるスペースオペラ」は世界中の歴史や英雄のエッセンスが詰まっている! 本誌は元ネタとなった歴史的事実を検証し、類似点を探る。
世界史を知ると銀英伝が100倍面白くなる。
「登場人物たちの元ネタ考察、歴史的人物との相似点」
ラインハルトのモデル「アレクサンドロス大王」「アレクサンドロス大王」「ナポレオン1世」とはどのような人物だったのか?
ヤンのモデル「ルキウス・クイントゥス・キンキナトゥス」「岳飛」とはどのような人物だったのか?
「作中の事件、戦争の元ネタ考察」
本当にあった銀英伝で起きた戦いの歴史的元ネタ「アスターテ会戦」「カストロプ動乱」「リップシュタット戦役」
名言集の元ネタ考察なども掲載。
という本がある。昨年2019年に出た。
ただ、なーーーんか、いわゆる「編集プロダクション」が手がけた、志低い考察本っぽいもので、だいたいあんまり根拠なしに断定してるっぽい部分がある。
「マイウェイ出版」だって。評判をtwitter上で探したら…
https://twitter.com/search?q=%22%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E5%87%BA%E7%89%88%22&src=typed_querytwitter.com
なんというか、この手のムックは描き手の「やる気」、暴走と紙一重ぐらいの趣味的な熱量が欲しいんだけど、たぶんあんまりなく、無署名ライターがお仕事としてやった感じがありーでね。
そもそも、最初の項目が「ルドルフのモデルはピョートル大帝とフリードリヒ大王」と書いてて、それは作者がそう言ってる、としてるんだけど、他紙か俺の記憶ではそれ、フリードリッヒでも2世…大王のほうじゃなくて、いわゆる軍人王、その父親のほうだった、と記憶してるんだけど!!
一応、この本での主張を事実のみ紹介する。こういう羅列自体は著作権に関係ないしね
ルドルフは上記の通りとして
・ラインハルトのモデルはアレキサンダー大王、スウェーデンのカール12世、ナポレオン。
・長征1万光年は、劉備が荊州を逃れ蜀に入った行動がモデル
・キルヒアイスのモデルはローマのアグリッパ(アウグストゥスの名補佐役)
・疾風ウォルフはドイツ国防軍の「韋駄天ハインツ」
・ロイエンタールはハンニバル
・オーベルシュタインは李儒
・ミュラーは趙雲
・ビッテンフェルトは米国のハルゼー提督と、ナポレオンの部下ネイ元帥(ネイはナポレオンに「私が兵士を作れると思っているのか?」と、銀英伝の名セリフっぽい言葉で叱責されたとか)
・ヤン・ウェンリーは諸葛亮と岳飛と、共和制ローマで功績をあげるとすぐに退役して一市民に戻ったキンキナトゥス。
・ヤンとユリアンの関係は諸葛亮と姜維。
・アッテンボローがゲバラ。
・メルカッツは夏侯覇。
・ロイエンタールの叛乱は畠山重忠
・ヒルダが自分の父親に「ラインハルト側につきましょう」と説得するのは、賈詡が張繍 を説得したのがモデル・・・・・・・・
ぶっちゃけ一つ前の「ラインハルト暗殺未遂は荊軻が始皇帝を追い詰めた場面がモデル」だって、このムックになら十分載せられると思う(笑)
銀英伝雑談(1)ラインハルト暗殺未遂の元ネタの一部は、荊軻と始皇帝ですわな - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
これだけ項目があれば、へえと思う知識もそれはあるけど、それにしても熱量を感じさせない、なんというか「こういうムックも世の中に出てるんだなあ」というのが印象に残る、そんな本でした。
**コメント欄より
ヤンのモデルとして大村益次郎(村田蔵六)を挙げない時点でダメ(笑)。
もともと軍人志望でなかった、天才的軍略家、武勇からっきしダメ、何より左足のケガが元で暗殺に斃れる、と完全オマージュ丸出し(笑)。
更に言えば、実際の大村益次郎以上に司馬遼太郎「花神」での大村をモデルにしてるというね……。
まあ、世界史縛りだからこちらを無視してるのかもしれんけど(苦笑)(^^;)。
資料 後から実家で見つけた