- 作者: 柳澤健
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/11/16
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (10件) を見る
1:「2011年の棚橋弘至と中邑真輔」柳澤健 について感想述べますhttps://t.co/3UUDjMLVMn
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
最初に読んで思ったのは「人間の記憶、ホントに数年前でも改変されるなあ」と。中邑や棚橋がスターになり、新日が不調から脱し業界の盟主になるのは必然のことのように思ってしまってた自分がいたが(続く)
2:だけど、ほんの一昔前にはK-1の谷川貞治氏が「かつてプロレスというものがあったんですけど」みたいに言うぐらいの経営的凋落があり、棚橋も「学プロ上がりのチャラいショーマン」中邑も「せいぜい二流の兼業MMA」と見られていたのだった。この本はそこからの脱皮と成長のストーリーである(続く)
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日3:正統評伝らしく、プロの門を2人が叩くまでも書いてある。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
棚橋は「学プロ」、中邑は「格闘技(レスリングと柔術)」という、それぞれ重要なキーワードが出てくるけど、ちょっと笑えるのは棚橋のエピソード。新日入門テストの上京費節約のため、プロレス会場で女性に声をかけタダで宿泊(さすが) pic.twitter.com/mh3qHbvMIU4:ところで、https://t.co/1a7CDPgZwk で「プロレス史を換骨奪胎して、たとえば企業ドラマにできるんじゃないか」と書いて試作したけど(笑)、今回、大きな登場人物となるのが「老害としてのアントニオ猪木」。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
いや、上の企業ドラマの続編でホントに出てきそうな「かつての」敏腕経営者
(続く)
※上ツイートで描いた「プロレス史翻案の企業ドラマ」ってこんな話舞台を変えるだけでオリジナルストーリーになる。その試作品
以前もこれかいた気がするが
・たとえば、電気製品、IT技術を開発する企業にしようか
・一代でそういう電気会社を築いたワンマン社長率いる大企業に、ある時期、2人の技術者が同期入社する
・片方のAは、開発部門の王道、エリート街道を歩む。もう一人のBは、社長直属部署に配属されてはいるが、ワンマン社長にいつも叱咤されてばかり。
・だが、それは二人のタイプを見抜き、それぞれのやり方で開花させんとする社長の親心だった
・それぞれ、そのことを知り感謝しつつ成長する一人だったが…ある日、社長はヤクザに刺されて急死(このへんも変えたほうがいいか…)
・そこから二人が軸になり、会社はさらに成長するが…いつしか二人は、その会社に旧弊と腐敗を見抜き、それぞれの会社を立ち上げる!
・Aは、奇をてらわぬ地味で堅実、徹底した高品質のものづくりを目指し、クオリティではどこにも負けないとの評判をとる。Bは、高い技術ももちろんあるが、世界的大会社とタイアップしたり、異業種へ突然に乗り出すなど、世間をあっと言わせることが大好きな本人の性質が反映された企業。
・そのAの会社、Bの会社にそれぞれ入ってきた人材も多種多様。どちらの会社からも、また独立して会社を興す人材が生まれたり、その会社の中で頭角を現す技術者も出てきたり…
・二つの会社は時に企業戦争、時に協力しながら、成長し続けていく。そんな中、Bはまたも突然、参議院選挙への出馬を表明。Aは、がんが見つかり…
これだと、著作権問題は発生しないですよね?今度「なろう」に投稿予定(嘘)。
5:MMA以降のプロレスはどこかで「最強」等の概念を切り離さねばならない点を理解できず、逆に融合させれば乗り切れると思い込み、さらには私利私欲も絡んで新日本の価値を削り続ける。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
ただ、読んでると「猪木がこういう誤解してたから、日本の総合格闘技は面白かったんだよな」とも思う(笑) 続く pic.twitter.com/yCBZWk18wJ
6:若き棚橋はそこから大きく距離を置く。しかし中邑は否応なく、そこの渦の中心に巻き込まれる。実に不利なシチュエーションで、ぎりぎりでも生き残れるか。MMAの場で自分の商品価値を守れるか。PRIDE出撃からイグナショフとの2試合などはヒリヒリする。中邑がこの渦から脱し得るかのサスペンス。 pic.twitter.com/JjVONGdRWJ
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
7:プロレスが「サイコロジー」の戦いだとよく言われるが、猪木が新日本のレスラーをリングに上げ「何に怒っている?」と尋ねる場面が描かれる。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
あれは即興で「誰にプロレスのセンスがあるか?」を試験する恐ろしい「真剣勝負」の場面だった。「お前はそれでいいや」な人もいたが(笑)、棚橋は… pic.twitter.com/zTqwF7bHvC
8:否応なく、MMAと猪木の渦に巻き込まれた中邑の話をもう少し紹介する。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
「猪木がロス道場でスパーし、現役MMA選手を極めた」という報道は覚えてるし、当時は「おお、すげー」と素直に感心したが…そのスパーも、出場までの三文芝居もジャパニーズ・”ソンタク”感満載(笑) 続く pic.twitter.com/iN9p0DExEa
間が開いた
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
9:棚橋が付き人になった、武藤の話も面白い。
その1
「企業秘密だから、俺は何も教えないよ」と言い放つマイペースぶりだが、「サインはお前が一度断れ。その後おれが『いいよ』とサインするから」と命じる。
或る意味こういう部分が一番棚橋プロレスの糧になったのではないか(笑)
続く pic.twitter.com/PwKgXzOCsk
10:棚橋は、あの時代を振り返ってこう語る
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
「新日は三銃士でなく、武藤さんを絶対的エースにすべきだった」。
ここ、同書では屈指の問いを投げかけられたと思ってる。三銃士鼎立のプロレスを楽しんだ世代として、この「IF」は少し腰を据えて考えるべきかも、と思う。
ただ、棚橋はこうも言う(続く) pic.twitter.com/2aUIHxJemP
11:「武藤さんって、実は相手を輝かせる戦いはしない。自分だけ目立つプロレスをやってた」(棚橋)
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
藤波辰巳のプロレスを模範とし、相手を輝かせる試合をする棚橋がエースだったことは、90年代の三銃士プロレスとやっぱり異なるのかな?
というか武藤プロレスってそんなふうに見えた?(質問)
続く
13:同時に「平成のデルフィン」を嫌悪する昭和層からのプロレス”奪回”と”再構築”も必要だった。棚橋は意識的に「愛してまーす」という〆の文句を言い出したが、会場ではダダ滑り(笑)。決め文句の元祖ヒット商品は猪木の「1,2、3、ダー」なのに(笑)。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
だが確かにその後は途切れてたな… pic.twitter.com/nKHIJ3wIdg
14:それでも棚橋は愚直なこういう「改革」を続けつつ、自分のそれを昭和層が嫌うことを逆手に取り「チャラくてナルシーな悪役」として自分をプロデュースする。徐々に変わる客席の反応。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
オカダ・カズチカも登場し変わる新日の空気。
そして中邑が、格闘技色をも取り込んで唯一無二の存在になる… pic.twitter.com/d7SWz1lszt
15:格闘技の記憶に繋がる膝蹴りを自分の技とし、猪木を上書きする「ボマイェ」と命名。「滾るぜ」「イヤァオ!」の決め台詞。MMAの時に言われた「脱力」を「クネクネ」。髪型も…メキシコでは「うちはストロングスタイルのNPJW選手を呼んだんだ、M・ジャクソンじゃない」と文句言われたそうな(笑 pic.twitter.com/A5CeEs7U1R
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
16:そして「棚橋を横綱に、中邑を大関に」という会社の思惑をぶっちぎり、大関用のベルト・インタコンチネンタルに「棚橋を挑戦させる」下剋上を中邑は成し遂げる。ファン投票で決まった試合順はもちろんメイン。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
上層部を実力と実績でねじ伏せる。企業小説なら「陸王」並みのカタルシスだよ!
続く pic.twitter.com/KRdiDBKG62
17:最後は現在進行形。ブシロードのてこ入れで興行的にも復活した新日本。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
その中心に立つ中邑の存在感は、マニアがビデオを必死に文通で交換した時代でないyoutubeの現在、瞬時に世界に伝わった。
当然やってくるWWEのオファー。それを受けた中邑は、そして棚橋は―
ラストシーンの一行に泣け。
(了) pic.twitter.com/8Gl09CNWke
最後に「外伝」を。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年11月21日
みんな大好き「道場で誰が強かった?」話だが、中邑は新弟子当時から「スパーが休憩時間でした」とか言えちゃう生意気な奴。それは柔術を知ってたから。指導するゴッチの「マイサン」木戸修だが、それに業を煮やし…「矢野通!相手してやれ!」いろいろ、神話とリアルの交錯(笑) pic.twitter.com/HvlkJbtPRL