【創作系譜論】
ことのおこりはこれらしい。
全人類を惚れさせるプリキュア剣城あきら/キュアショコラさんに陥落したお子さんたち - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1089744
プリキュアってぜんぜん知らない。ただ、中国拳法由来の超絶サブミッションを使ってるらしいという断片的情報は、以前ネットでみかけてまとめを作った。
柔術?中国拳法?あるアニメの格闘技シーンの関節技がすごかった話 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/847419
ふと「そういえば初代プリキュアの戦闘シーンってガチだったよなー。でも思い出補正かなり入ってるんだろうなぁ」と思って劇場版見直してみたら、補正のかかった思い出よりガチだったでござるの巻。 pic.twitter.com/IuiN4Wn77g
— No-Marcy@フラットウッズの森 (@NoMarcy1225) 2015年1月17日
そこからシリーズがいろいろ続いているらしい(それぞれにばらばらなのかひとつのワールドなのかとかはわからん)
それだけ続くということは人気シリーズなのだろう。
でまあ、上のまとめから
https://t.co/cVuf8ZyomB
— オトギリ (@ura_otogiri) 2017年3月12日
全人類を惚れさせに来てるよ剣城あきら/キュアショコラさん #precure pic.twitter.com/jR6mVr8xQ0
正直、外部からみたら「何かの食べ物をまぜて変身」するところも含めて、率直にいうとぽかーーーんとするところもあるのだけど、とにかく好評っぽいわけです。
そして、こういうところからおなじみ、私がいうところの『創作系譜論』なまとめも生まれた。
男装の麗人に惚れる文化はどれくらい前から受け継がれているのか?「曾祖母だと水の江瀧子かな」「これが宿業か」 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1090051
シムテック @simteck 2017-03-12 21:32:35
天王はるか(セーラーウラヌス)に惚れたお母さん達へ
我が娘が剣城あきら(キュアショコラ)に惚れたのを見て業が深いと思っているかもしれませんがそれは違います
あなた方のお母さんが『ベルサイユのばら』のオスカルに惚れたのが始まりなのです
全ては45年前に仕組まれた宿命なのです
源流はどこだ!?
林檎牛乳@クロスツァイト執筆ちう @kokkumapple 2017-03-13 15:50:14
世代間やべーな……そしてそれをさらに遡るとリボンの騎士のサファイアだ。
シン・権田原米三 @ShiraishiM1970 2017-03-13 05:33:17
いいえ、そのお母さんが「リボン騎士」のサファイアに惚れたのが始まりなのです。すべては、64年前に仕組まれた宿命なのです。@simteck
おみ太郎@2017はジョジョイヤー @OMItaro0117 2017-03-13 11:24:36
@ShiraishiM1970 @simteck そしてその「リボンの騎士」を描かれた手塚先生は宝塚のファン。全ては103年前から始まっていたのです。
kaya トップバッター担当 @kaya_rod 2017-03-13 11:57:33
@OMItaro0117 @ShiraishiM1970 @simteck その剣城あきら役の方が元宝塚という…
noe @noetique 2017-03-13 07:50:12
@simteck 曽祖母が水の江瀧子に惚れたのが全ての始まりってことでいいかな。
82年前。
こまい『この世界の片隅に』応援!! @komai_maiko 2017-03-13 15:44:40
みずのえたきこまでは遡れる。
まー、おもしろいんだけどもちろん実感はない。されど、われらには「ZUCCA×ZUCA」という『宝塚ファン』の姿をデフォルメしつつも浮き彫りにした資料がある。
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これだけ「熱狂的なファン」「太いファン」を生み出せる、その原動力はなにか…? ということで、やっと話はつながる
「1985年のクラッシュ・ギャルズ」より
昨日に続いて柳澤健氏のノンフィクション本紹介だが、
「1985年のクラッシュ・ギャルズ」であります。
ここに、「中性的女性ヒロインへの、少女の憧れ」を一般化して述べたくだりがあります。また例によって実物が埋もれてしまって(笑)、どこにあるかみつからんので、孫引きしよう。
http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-4936.html
▼クラッシュの基本イメージは「中性」である。
千種の中学時代、後輩の女生徒たちは、男にも女にもなりきれない千種に憧れ、深く愛した。心の奥底で、自分が女であることを悲しんでいたからだ。
思春期は内なる性と向かい合う季節である。
思春期の少女たちにとって、女であることは屈辱でしかない。かといって男を愛すれば、自分が女でしかないことを突きつけられるだけだ。だからこそ少女たちは、女であることから自由な女を愛する。
中学時代の長与千種は、後輩たちからそのように見えたからこそ愛されたのである。
理屈ではなく、実感としてこの構造を知る長与千種は、クラッシュが少女たちに愛されるためには「中性」のイメージが必要だと考えた。(pp.105-106)髪をストレートで揃えて、純粋で清潔な雰囲気を出し、リングではニコリともせず闘志むき出しのイメージを出す。強大かつ理不尽な敵にさんざんに痛めつけられ、流血を強いられる美少女を、勇敢な友が窮地から救い出し、ついには劇的な逆転勝利を得る―そういう「物語」の新鮮さだけでなく、クラッシュはプロレスのスタイルも新しかったという。
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しかし!
一方で、宝塚は大ブームも冬の時代もありつつ、みごと100周年を突破した一方で、女子プロレスは最大大手の全女が倒産し消滅。いまも小団体はあるとはいえ、市場規模は驚くほど縮小した(とはいえ「」)。
ふたつの「かっこいい・中性的な女性」を打ち出したエンターテインメントの間の差は。
同時にガチンコの総合格闘技では、いまやUFCでもRIZINでも、女子格闘技が一番人気のメーンコンテンツになりつつある。
RIZINのポスターが完全しました!皆さん是非会場へ!! pic.twitter.com/6sAJwXrsQG
— ALLIANCE 郄阪剛 (@alliancesquare) 2017年3月3日
また、たとえば上の話でいえば「ベルばらが・リボンの騎士が・宝塚が・クラッシュギャルズが、それぞれ個別のコンテンツ・キャラクターとして優れていただけだ」という仮説もなりたつ。
そうではなく、「少女たちは、女であることから自由な女を愛する」という<普遍的な法則>というものを抽出できるのか、どうか…?
もしそれが普遍的な魅力なら、今回の「プリキュア」のみならず、さらに魅力的なこういう女性キャラクターが生まれるのでしょうね。
さてこれ以上調べようにも、わからんですよ。知識ないのでね。だからそういう『問い』だけ出して、あとはどこかで議論が進まないか期待しておきます。
これとつながる興味をもとに書いた過去記事を紹介しておきます。
シン・ゴジラで女性性を強調しない登場人物(尾頭課長補佐)が人気に見えるのは、ポリコレ的に大変いいこと…なのかしら? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160810/p2
高度に発達した「テンプレ破り」は、ポリコレと区別がつかない(俺は)。女性、民族キャラクターなどを例に…… - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160508/p3
キャラクターの「パターンを破る」のと「偏見の打破」の関係について(再論)〜「進撃の巨人」を例に - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160603/p1
あと、実際に読んだのも未読なのもあるけど、このへんの書籍がよく言及されていますね。
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キャラクター精神分析: マンガ・文学・日本人 (ちくま文庫)
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