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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ウルトラマン50年。彼らの、そして「キャラクター」の保護期間はいつまで?ゴジラも。(組織の創作時)

ウルトラマンはことしで登場50年。

50年目のウルトラマン〜色あせない人気の秘密 : 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151204-OYT8T50048.html

さて、ところで「ウルトラマン」って『誰が作った』んだろーか。

wikipedia:成田享
著作権に関する問題[編集]
類例のないユニークなウルトラマンの成功は成田デザインの功績が大きいと言えるが(もちろん、造形やストーリー・演出も重要な成功要素である)、当時、円谷プロ社員として制作スタッフに参加していたため、作品内における、すべての権利は製作会社に帰属(これは職務著作または法人著作と呼称されている)することになった。ゆえに東映作品に原作者として参加した石森章太郎永井豪とは立場がまったく異なっている。
だが、後年になってウルトラマンや怪獣・メカニック等のデザインに関する権利を主張するようになり、作品そのものの著作権を持つ円谷プロに対して一方的な対立を表面化させた。
(略)
そして何度かあった新しいウルトラシリーズへの円谷プロからの参加依頼に、成田がこの著作権のロイヤリティーの話を持ち出したため、円谷側のスタッフが席を立ってしまったこともあった。また、カラータイマーの追加や新マン以降のバリエーションのデザインに対する嘆きともとれる発言もいくつか残している。
そして成田は晩年、原告として円谷プロを相手取り著作権に関する民事訴訟をおこしたが、裁判は判決を待たずに「原告側の訴訟取り下げ」により終了している。

わかった。じゃあ円谷プロウルトラマンを作ったんだと。
じゃあ、いつまで保護期間があるんだっ。

団体は倒産されたり子会社になったりはすれど(笑)基本死なないのだから、没●年とかはない。だから公開から…だよな?
いまは大方の「キャラクター」は、個人が作ったんだよということを強調しているから、ほとんどはその個人の寿命から判断できるのだが、会社だと…どうなんだろう?
どうなんだろうって、たしか「公開から50年」だと思ったのだが。てえことは、ウルトラマンは来年…フリー??

しかし、どうなのかね…
誕生がずっと先輩で、同じ議論なら保護期間終了も先輩になるはずの「ゴジラ」なのだが、数年前にまさに「ゴジラは誰のものか」裁判があったじゃないですか。

ゴジラは誰の物か」泥沼裁判に 本多監督の遺族、東宝を訴える #BLOGOS http://blogos.com/outline/25808/

http://blogos.com/article/25808/?p=3

東宝の主張(2010年5月14日付け書面による)

1.映画「ゴジラ」の撮影用台本は、故本多氏及び村田武雄氏が共同で著作されたものとされているが、この台本完成以前に、香山滋氏が著作した検討用台本が存在している。

2.ゴジラのキャラクターは、もともと製作者である(東宝のプロデューサー)田中友幸氏が発案したもの。香山脚本は、香山氏が田中氏の発案創意に基づき創作したものであり、ゴジラ・キャラクターの基本的な特徴は、香山脚本に表現されている。

3.ゴジラのキャラクターは映画化にあたり、製作者の田中友幸氏のイメージ及びアイデアに基づき造形され、同氏の監修の下で製作された。

4.当社は、ゴジラのキャラクターの著作者である田中氏及び香山氏から、その著作権を承継取得している。田中氏は1997年4月に亡くなるまでに製作された「ゴジラ」映画シリーズ22作品全ての製作を担当。当社は、田中氏から「当社がゴジラのキャラクターの著作権を持つ」という旨を確認している。

5.故本多氏は、「ゴジラ」映画シリーズ28作品のうち、8作品の監督を務め、そのうち2作品の共同脚本家ではあることは認める。しかし、「ゴジラ」映画シリーズの製作については、故本多氏が監督していない作品も含めて、故本多氏が異議を述べたことはなかった。初代「ゴジラ」映画の公開から50年以上経過した今になって、故本多氏がゴジラのキャラクターの著作権を有するという主張には、当社は大変驚いている

◆本多フィルムの主張(2010年4月23日付け書面による)
1.「ゴジラ」の原作者としては香山滋氏がクレジットされているが、本多監督は「ゴジラ」の脚本を作るにあたって、ゴジラの誕生の理由に関する描写や、ゴジラが姿を現すシーンの描写など、ゴジラのキャラクター設定につき重要な箇所において、原作に大幅な改編を加えている。

2.本多監督は、映画著作物である「ゴジラ」の監督として、同映画の登場キャラクターであるゴジラの挙動や、映像的表現を創作しており、映像面におけるゴジラを創作したのは紛れもなく本多監督である。

3.本多監督は、監督兼脚本家として「ゴジラ」に登場するゴジラの経歴・性格付けといった内面的なキャラクター設定を決定し、具体的に表現している。よって本多監督こそが(キャラクターとしての)ゴジラの著作者である。

4.さらに本多監督はゴジラの形状についても全面的に関与し、最終的なデザイン決定をしている。1954年の5月から7月にかけて、「ゴジラ」というネーミング決定と平行して、ゴジラの皮膚の質感、背びれの形、首や足の長さや太さ等のあらゆる外形的側面についても監督として最終的なデザインを決定した。この間、ゴジラの外見が数回にわたり大きく変化したことは、本多監督の意向を反映したものであることが、当社の調査で明らかになっている。

5.したがって、本多監督の著作権を相続した相続人らは、当然に「ゴジラ」のリメイク許諾権や、「ゴジラ」のキャラクター利用権を有する。

【補足】

ただしこの記事が「ライブドアニュース」に転載された後、元記事が、掲載元の「blogos」ごと終了し、その転載記事のほうが最終的に残ったため、後日、このように重大な追加訂正がライブドアニュースの方でなされることになった。
news.livedoor.com
  ↓

(※2012年3月30日訂正:上記の記述ですが、追加取材の結果、以下のように訂正いたします。)

これまで初代「ゴジラ」の映像に関しては、「本多監督が著作者」と東宝側は認めており、DVD化やテレビ放映などの際には、遺族に脚本使用料と監督追加報酬が支払われてきた。ただし、東宝側は本多監督が関わった部分を含む「ゴジラ」の全著作権が「自社に譲渡された」と主張している。



これの「著作権の承継取得」がわからん。

「A社」が1950年に製作したキャラクターなら発表後●●年だが、A社が「Bさんから著作権を承継取得」すると、Bさんの没50年になるのだろうか?だとしたら、田中さん長生きしたからなぁ……

ゴジラのキャラクターの著作者である田中氏及び香山氏から、その著作権を承継取得している。田中氏は1997年4月に亡くなるまでに製作された「ゴジラ」映画シリーズ22作品全ての製作を担当。当社は、田中氏から「当社がゴジラのキャラクターの著作権を持つ」という旨を確認している。


ただ『提訴直前の今年10月、本多フィルムは「ゴジラのキャラクターに関する著作権」の主張は撤回している』ので、司法的な結論がでなかった。


そんなこんなである。
ウルトラマンという「キャラクター」の権利、その保護期間ってどうなってるんでしょうね。
50年の節目の年に。

「キャラクターの著作権(はない)」「原画の著作権」「商標権」がいろいろ絡んでいるらしい。

ここがわかりやすかった。

http://knowledgeconduct.cocolog-nifty.com/

ここでは、著作権法によって保護できること、できないことをご説明します。
(1)著作権はキャラクターの原画にある!
 キャラクターは「漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念」といわれており、キャラクター自体に著作権はないと考えられています。
 しかし、「ひこにゃん」に関する報道など見ていますと「キャラクター」と「著作権」との関係が盛んに報道されていますね。
 これはどういうことなのか?
 実は、キャラクターの場合にはその原画が「美術の著作物」として著作権による保護が認められているケースが多いのです。キャラクターが描かれたTシャツであれば、キャラクターの原画にある著作権に基づき、保護を主張することができる、といった感じです。

(1)キャラクター名の商標登録は必須!
 一般に、キャラクター名は著作物とはいえません。
 ですから、例えキャラクター名を無断で使用されたとしても、それに対して著作権で保護することはできません。
 例えば、黒猫の人形に「ひこにゃん」と名前をつけて販売されたら、困りますよね。しかし残念なことに、このような場面において著作権はほぼ無力です。
 それに対し、キャラクター名を商標登録しておけば、他人が無断でキャラクター名を使って何かグッズを販売することをやめさせることができます。
(略)
 ですから、キャラクター名を思いついたら早めに商標登録を済ませておくことが、キャラクタービジネスをうまく進めるコツといえます。
(2)キャラクターの原画も商標登録?
 実は登録例が結構多いのです。
 なぜだと思いますか?
①商標権が方式主義であること
(略)
②商標権が絶対権であること
(略)


そして「キャラクター」を考える1丁目1番地。「ポパイ事件」判例

http://www.u-pat.com/h-3.html
最高裁判決)
著作権法上の著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したもので」(同法2条1項1号)とされており、一定の名称、容貌、役割等の特徴を有する登場人物が、反復して描かれている一話完結形式の連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。けだし、キャラクターといわれるものは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということができないからである。

こんな記事もある。
後半は有料だが、はてブなどを見ると、「そのキャラクターを商標にして、商標は続くから更新していく」という方法もあるらしい。これは使ってそうだな

キャラクターは著作権が切れても簡単に使えない http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070402/122215/


ふーむ、仮説としては
ウルトラマン著作権は、終わるかもしれない。
・しかし、「ウルトラマン」の姿かたちや名称は、おそらく円谷プロによって商標登録がされているだろう。ゴジラもたぶん東宝が同様に?
・商標権は更新していけば続くので、結果的にそちらの権利を円谷プロ東宝は、持ち続けるのではないか。


・・・・・・・・・・かな?

今回は奥の手で、またはてな人力検索と連動したっす。

今年で誕生50年の「ウルトラマン」や、「ゴジラ」(というキャラ)… - 人力検索はてな http://q.hatena.ne.jp/1451953907

「権利の保護期間」の話題に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください

古典落語著作権でなく著作隣接権なので、基本「上演50年」で保護期間が切れる』…えーっ?1965年以前は基本フリー?志ん生も円生も…? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160104/p3