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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「格闘技(ボクシング)もし素手なら…」死者は減る?そもそも頭を叩かない?(「mmaの書斎」より)

このご時世に、新しくMMAブログを始める奇特な方がいらっさった。

シャンプー @shampoomma · 13時間 13時間前
https://twitter.com/shampoomma
ブログ開設してみました。初回の記事はベアナックルボクシングの安全性についてです
http://mmastudyinc.seesaa.net/s/

その第一回記事はこちら。

ベアナックルボクシングの意外にも高い安全性 http://mmastudyinc.seesaa.net/article/419230017.html



素手の打撃あり総合格闘技、いまや「敢えてやる」ところがあったら、ヤフーのトップニュースになるぐらい珍しいものになっている。2012年の菊田早苗vs桜木裕司のことね。

菊田早苗の「意味ある試合」―。ベアナックル総合挑戦 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121003/p1
 
「季節はずれと どなたが言うた 菊と桜の 狂い咲き」(GRABAKA興行) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121029/p1

あるいは、ミャンマーのラウェイ。

ミャンマーで今、素手(顔面あり)で戦う「ラウェイ」が衰退中……”実戦”はここにあるか? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130812/p1


安全性の問題…野蛮に見えるベアナックルが、実は脳へのダメージの蓄積、衝撃を防いで結果的には死者が少ないのではないか? という問題も非常に重要で、過去にさまざまな考察がなされているが、それと同時に「もし素手で戦うなら、そもそも技の体系が変わっているだろう」というのも、さらに重要。
上のブログより

ベアナックルボクシングでは頭部は優先的な標的ではないためにベアナックルボクサーの構えはボディを主に防御している。グローブ無しに効果的なパンチを頭蓋骨に打ち込めば拳が壊れてしまうからだ。

グローブは顎の骨折や歯の損傷、失明を減らし、パンチの威力を向上させた。(頭蓋骨を打って拳をこわすことはたまにあるが)

目を破壊する素手のパンチか。

なんだかんだと格闘技は「路上の現実」「キングオブストリート」「護身」「愛する人を守る」…といった価値観から究極的には抜け出せない(これらの概念はほぼ不死であり、何度殺したつもりでも蘇ってくる)。そして、実生活でボクシンググローブやMMAオープンフィンガーグローブをつけて生活する人がいない以上(笑)、「素手で戦う」がある種の「権威」をもって語られることは間違いない。


ラウェイ記事をちょっと再掲載しよう。

(略)…それが「衰退」するのもいたしかたなし、という気は一方でしないでもない。
剣道、柔道がそうだったように、あまり大怪我に直結しないルール設定のほうが、それだけ練習の質、量がまして、結局強い格闘技になる…ということは確実にあるわけだからさ。
千葉周作道場は北辰一刀流が江戸一、日本一になったのはそれダ。以下の本参照。

新装版 北斗の人(上) (講談社文庫)

新装版 北斗の人(上) (講談社文庫)

新装版 北斗の人(下) (講談社文庫)

新装版 北斗の人(下) (講談社文庫)

怪我や事故はやっぱりふせがないとね。
しかし。
それでも「ラウェイ」のような試合があると、そこに路上の現実や「ホーリーランド」的な”実戦の影”、”幻影”がまた重ね合わさる形になることも否めない。もちろんテイクダウンも寝技もないんじゃしゃーない、と言われりゃそれまでだが、MMAがバリジャパ以降、「オープンフィンガーグローブ着用/頭突き禁止」が世界標準となったから、素手で顔面を叩き合い、頭突きもありのラウェイの意味合いはまた増す。
 
たとえば…「ラウェイの試合での攻防は、なぜかフルコンタクト空手より、寸止めの伝統派空手のような出入りの攻防になることが多い」と参戦した日本人選手が語った記述を、いつかのゴン格で読んだ。
リョート・マチダ的な試合か。

…んで、やっぱりそういう話を聞くと、伝統派空手の関係者はどや顔、フルコンタクト空手の関係者は渋顔…にならない??その両者が、ラウェイのようなルールを認めるか、といえば絶対に認めないのだろうが、素手や頭突きありで試合をやったら、おたくの戦い方が有効でした、と言われると嬉しい。
また「あいつは素手、頭突きありのラウェイ経験者だぜ…」と聞かされると、やっぱり選手自体への、ファンの見方も違ってくる。(後略)

過激なルールが嫌われて消滅していく一方で、一種の「権威」をもたらすことは、例えば「頭突き問題…別名、マーク・コールマン最強説問題」や「サッカーボールキック」などでも共通するものがあるのではないか。

IGFMMA、「頭突き」を認める…何かが変わるか?変わらないか?てかマーク・コールマン最強?? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140309/p1
 
肘打ちと頭突きについて - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070523/p4
 
KO続出した、「リング最終興行」。それを生んだサッカーボールキックルールも最後。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140401/p1

そんな折、過去の素手MMAが、格闘技のアレクサンドリア大図書館こと「UFCファイトパス」で見られるようになった。

lutalivre @lutalivre_jp
ファイトパスにIVCが追加されてる。ブラジルで1997〜1999まで行われたベアナックルでのNHBイベント。若き日のヴァンダレイの試合などが見られる。
http://www.ufc.tv/category/international-vale-tudo-championship

この映像も、なにがしかの参考になるかもしれないし、「過激」を求める人に好まれるかもしれない。北欧のフィンファイトの映像はまだないか。


ところで、素手の打撃とグローブの打撃の差異をごく簡単に説明すると

http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/BBS-SELECTION/strikepower.files/strikepower.htm

(略)…球の表面積は半径の二乗に比例するので、球面波ではエネルギー密度が打撃点からの距離の二乗に反比例して減少する(例えば、打撃点から10cmの部位では打撃点から1cmの部位に比べてエネルギー密度が1/100になる)。対して平面波では打撃点からの距離が増加しても表面積が変化しないため、エネルギー密度も減少しない。
(略)

実際に計算を行うと、波の波長に比べて円板の半径が十分小さい時(※リンク先に数式画像あり)、波動は球面波的になり、エネルギーは等方的に発散する。波長に比べて円板の半径が十分大きい時(※リンク先に数式画像あり)にはエネルギーはz軸付近に集中する。即ち、打撃面の表面積が大きく、インパクト時間の短い打撃を行えば貫通力が大きくなり、身体の内部を破壊することができる。

だそうだよ。
わかりやすいね!!!



さらにちなみに、私の記憶が正しければ、「俺も素手で戦って、ベアナックルを相手の顔面にぶちこみくてたまんねーぜ!!!どこでもいいからオファーしやがれ!!」と「駿河の狂鬼」こと佐野哲也が言っていたような、いなかったような。