INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

『幕末期、維新以上に「九州から来た脅威の剣客」が江戸の話題だった』という話(OGAWA kandai)

OGAWA Kandai @grossherzigkeit · 12月20日
https://twitter.com/grossherzigkeit/status/546137011782840320
おそらく数十年後、100年後に「歴史的に、学術的に」2014年の日本を振り返れば、集団的自衛権だ、消費税増税だといったことのみで日本が揺れてたように語られるんだろうが、多くの人々はそんなことより、佐村河内さんや小保方さん、兵庫の変な県議のことなどでゲラゲラ笑っていたのである。
 
https://twitter.com/grossherzigkeit/status/546137482417287168
幕末の江戸に九州から大石進という巨漢の剣客が来て盛んに道場破りをするという事件があり、勝海舟は同時代人の記憶として「ご一新のときの騒動以上」だったと言っているのである。お堅い事件は何をしなくたって伝わっていく。下らないことこそ、一生懸命繰り返し語り継いでいかないと残らんのである。


「どうでもいいことを記録しなければいけない」の例として、県議や”作曲家”と同様に挙げられるのも大石にとっては災難だったが(笑)、実際に知らない人だったな。
ところがもはや世界の「無駄な知識」の集積場になっているウィキペディアにはあるから、そこで話が終わって困る(笑)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%9F%B3%E7%A8%AE%E6%AC%A1

大石 種次(おおいし たねつぐ、1797年(寛政9年) - 1863年12月29日(文久3年11月19日))は、江戸時代後期から幕末の剣客、筑後国柳河藩藩士。諱は種次。通称は進、のち七太夫と改名[1]。隠居号は武楽。
大石神影流の創始者で、男谷信友、島田虎之助と並ぶ「天保の三剣豪」の一人。7尺といわれる長身に加え、5尺3寸の長竹刀を使用しての左片手突きは強烈で天下無双の技ともいわれた。六組での所属は立花壱岐組。家格は給人。
 (略)
江戸出府、名剣士たちとの対決[編集]
天保3年(1832年)、藩から聞次役を命じられ、暮れに江戸へ出府。種次は3ヶ月間、江戸府内の名門道場に次々と挑み、長身から繰り出される長竹刀に突き伏せられない者はいなかったといわれる。この間、千葉周作がかろうじて引き分けた(千葉は進の突きを防ぐために樽のふたを竹刀の鍔に使用したといわれる。)ほかは、『一刀流極意』によるとただひとり白井亨(天真一刀流、天真白井流)が種次を破ったという。このため、江戸の各道場は、大恐慌を来したといわれる。
天保4年(1833年)、種次はさらに、当時随一の実力といわれた男谷信友と試合する。初日は男谷が勝利した。なぜか男谷が頭を左右に振るだけで進の切っ先はかわされた。しかし、翌日、工夫して狙いをやや下げたところ、男谷がどんなに避けようとしても突きが命中し、今度は種次が勝った。日を改めて試合したが、男谷にも種次の突きは手に負えなかった。男谷は種次の技に感心して、諸方の師範家や高名な剣士の入門をあっせんしたという。同年、帰国して60石へ加増を受けた。
天保10年(1839年)、江戸へ再出府する。すでに種次の剣名は高く、旗本や諸藩の士が入門に詰めかけたという。同年9月3日、老中水野忠邦邸に招かれ、田島岩尾、島田虎之助らと技を戦わせ……

勝海舟の談話もあとで探してみたいものだ。


どうでもいいこと、ある意味常識的なことがあまり記録に残らないという話は伊沢元彦が「中日ドラゴンズの論理」と称して法則化していたな。

http://think-legal.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_671c.html
たとえば、井沢氏が例に出す「中日ドラゴンズの理論」は好例です。
ドラゴンズ50年史という史料で、「ドラゴンズ」という名前の由来について、「中部日本新聞社社長杉山虎之助の干支が『辰年』であるところから、それにちなんでニックネームが『ドラゴンズ』と決まった」と書かれています。
我々はこれを読んでも、あまり違和感は感じませんが、それは、野球チームのニックネームには、強い動物の名前を付けることが多い、という「常識」があるからです。もし、この「常識」がないと、社長の干支がネズミなら「マウス」で、ウサギなら「ラビット」と付けたはず、といった変な話になってしまいます…