内容紹介
- 作者: バロネス・オルツィ,平山雄一
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2014/01/31
- メディア: 単行本
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元祖“安楽椅子探偵"にして、もっとも著名な“シャーロック・ホームズのライバル"。世界ミステリ小説史上に燦然と輝く傑作「隅の老人」シリーズ。原書単行本全3巻に未収録の幻の作品を新発見! 本邦初訳4篇、戦後初改訳7篇! 第1、第2短篇集収録作は初出誌から翻訳! 初出誌の挿絵90点収録!
シリーズ全38篇を網羅した、世界初の完全版1巻本全集!
詳細な訳者解説付
出版社からのコメント
当時、シャーロック・ホームズの人気にあやかろうとして、イギリスの雑誌は「シャーロック・ホームズのライバルたち」と後に呼ばれる作品を、競うように掲載していた。マーチン・ヒューイット、思考機械、ソーンダイク博士といった面々が登場する作品は今でも読み継がれているが、オルツィが『ロイヤル・マガジン』一九〇一年五月号に第一作「フェンチャーチ街駅の謎」を掲載してはじまった「隅の老人」は、最も有名な「シャーロック・ホームズのライバル」と呼んでも、過言ではない。現在では、名探偵の一人として挙げられるばかりでなく、いわゆる「安楽椅子探偵」の代名詞としてもしばしば使われているからだ。
日本で出版された「隅の老人」の単行本は、残念ながら現在までは(…)日本での独自編集によるものばかりで、オリジナルどおりに全訳されたものがなかった。とくに第三短篇集『解かれた結び目』は未訳作品がほとんどである。本書では、三冊の単行本とこれらに収録されなかった「グラスゴーの謎」を全訳して、完全を期した。
自分もごたぶんに漏れず、子供向けの「探偵大百科」的な本を読んでいて、この「ホームズのライバルたち」という区分は大好き。実際に作品を読まずに、想像をたくましくしてた。
また個性がたしかにあるんだ、「思考機械」、「動く実験室」…そのなかでもこの「隅の老人」はまたとんでもなくキャラが立っててねえ。
ただ解説文にあるけど、実は安楽椅子探偵に見えてけっこう現場に足を運んでおり、「安楽椅子探偵の元祖」というのはやや羊頭狗肉らしい(笑)。
実はホームズの兄さん、初代MI6長官のマイクロフトも、「私は座って推理をするのは大得意だが、現場に行って証拠をさがすなんて真っ平だ」と、じっさいに取り扱った事件はないが時分で安楽椅子探偵キャラを自己申告してるのね(笑)。
ま、だれが元祖か、隅の老人は安楽椅子探偵の定義に入るかはともかく…むしろ「正体不明だが、とある場所でいつもあう、謎の人物がいる。この人の話や情報、推理が面白い」というキャラクターのミステリアスさが、なんとも東洋的なテイストもあってよろしいし、オリジナリティがあったのではないか。
この完全版ははっきり言ってめちゃくちゃお高い(笑)。
あたしは不完全な文庫を持っているのだが、積ん読だ。
隅の老人の事件簿 (創元推理文庫 177-1 シャーロック・ホームズのライヴァルたち)
- 作者: バロネス・オルツィ,深町眞理子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1977/08/19
- メディア: 文庫
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ただ、完全版にある作者の略伝や、裏話はいろいろと面白い。時間がないので今回は断念するが、あとで紹介できれば。