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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

KO続出した、「リング最終興行」。それを生んだサッカーボールキックルールも最後。

各々の試合は、例によってこちらをみるべし。

http://d.hatena.ne.jp/lutalivre/20140330

自分は遅れて会場入りしたためガイ・デルモ vs 馬場勇気や一本勝ちの大山峻護は見られなかったのだが、それ以降も中島、佐藤、才賀、清水、ISAOとKOが続出する大会でした。

特に自分が印象に残っているのは、バックスピンキックで完全に相手を失神KOさせた中島。


本人いわく
「1R2分38秒に俺が開発した回転スピントルネードサンダースペシャルキックでKOでした!」


そう、中島といえば、勝った後のマイクアピールで「ブログにアクセスが無いので心が折れそう。みんな来訪して!」とやったあの選手だ。
ま、そういうわけで見てください。

たいちの毎日!早くチャンピオンになりたいち!
http://ameblo.jp/cptaichi/

しかし「ノックアウト・オブ・ザ・ナイト」を仮に決めるとしたら、相当に頭を悩ますことになりそうな展開となった。
佐藤洋一郎が、石川英司のしつこいタックルにややてこずりながらも、ボクシング仕込みのスタンドと相手のタックルをがぶってのパウンドでKO勝ち。

清水が、長南との練習で培った最新MMAの成果か「サイコパス・パンチ」(とかつて自称していた。なぜか)で、そしてISAOがおなじみの豪腕でKO勝ちした。

…だが、ところで、最後の2試合はそのパンチでダウンをうばうと、追撃でサッカーボール・キックを入れての完全KO勝ちという展開だった。
この技が次々と廃止されていく中、パンクラスサッカーボールキック・踏み付けOKルールは、確かに一種の独自の迫力をもたらしたし、ミャンマーの「ラウェイ」が、その規模や選手層はともかくとして「素手で本当になぐりあったらどうなるんだろう?」という実戦シミュレーションとしての”権威”ももたらしていた。
佐伯繁氏のいう「ルールは個性」というやつであった。

しかし、くしくも最新号のゴン格で、PXCの代表が「ただしいフィーダー・ショーのあり方」というテーマで語っている。フィーダーショーとは聞きなれないことばだが、つまり「『はしご』のショー」…そこで勝ち上がった選手、王者がUFCに挑戦することを前提とした団体、という意味だ。
実質パンクラス修斗もDEEPも、それになりつつあるというのが現状だ(もちろん、そうでない選手も多いが)。

PXCの代表はいう。

MMAのトップはUFCだ。ならサッカーボールキックを認める必要があるだろうか? 独自のルールなんて必要ない。独自のルールなんてファンや選手を混乱させるもので、傲慢さのあらわれだよ。……世界最高のステージとルールが違うのはファンを迷わせる。

これがどのように正しいのかどうかはともかく、パンクラスの金網導入は実際にUFCやベラトール、WSOFを目指す選手が「目標の場所と似たルールに慣れる」効果があるのはたしかだ。
また、今回サッカーボールキックでてきめんに相手の意識が飛ぶのをみるとたしかに「強力すぎる」「安全性」という立場からサッカーボールキックや踏み付けは根本的に規制されるのかもしれない。
その場合、「路上の現実」や「実戦の護身」という観点からこの技術体系を残していく動きも、武術などではあるだろう。


まあ、そんなことを思わせた最後の大会を経て、今後パンクラスは北米流の金網やルールを本格的に導入する。最後に「サッカーボールキック」が存在感を見せたのも、ひとつの因縁ではありました。