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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

東京新聞で安彦良和インタビュー連載。「富野監督は”便利屋”だった。だからガンダムは成功した」

東京新聞で、新聞小説みたいな帯のスペースで人物のロングインタビューを載せる「この道」という企画があって…そこで今、安彦良和氏のインタビューがあることに最近気づいた。今9回ぐらいまでやってるんですよ。
ウェブでは読めないようだけど、このtwitterで紹介されているね。
https://twitter.com/tokyobunkabu

東京新聞文化部 ‏@tokyobunkabu 11月11日
こんにちは。朝晩少し肌寒く、電車内などで咳き込む人を見かけるようになってきました。皆様どうぞご自愛ください。さて、本日から夕刊1面で、安彦良和さんの「この道」が始まりました。アニメーターとして「機動戦士ガンダム」などの制作に携わり、その後歴史物などの漫画を書いてきた方です。(C)
 
東京新聞文化部 ‏@tokyobunkabu 11月11日
安彦さんの「この道」を編集していると、オトボケ調の語りの中にひょっこりと良識が顔を出す、といった印象を受けます。アニメーターから漫画家への転身や漫画の創作について、実直に本音を吐露してくれます。12月末までの連載です。ご愛読ください。(C)
 
東京新聞文化部 ‏@tokyobunkabu 11月18日
安彦良和さんの「この道」は、第2週を迎えました。ガンダムの話が続けて出てくるのは、今週まで。今後も折にふれてガンダムの話は出てきますが、次週は大学時代のバイトや学生運動の話、虫プロに入ったころの話になっていきます。(C)

それで、ぼくが読んだのは7回目だったかな?これだ。

安彦氏が振り返る

ガンダムってすごくよくできていたんだ。ピースが一個一個はまるんだよってことを本当に実感した。そういってはなんだけど、監督の富野さんの一世一代の傑作だった。ガンダム全体をセッティングしたのは彼ですからね。
(略)
そのときの彼は巨匠でもエリートでもなくて、便利屋さんだったんですよね。そのへんが同じ虫プロ出身者でも出崎統とか松井ギサブローと大いに違うところ。彼らは当時でも偉い演出家だった。
富野さんは全然偉くなくて・・・(コンテ描き、仕事が速くて重宝だった)・・・気の置けない相手で、回りも「面白いじゃない」「これいいね」「じゃあいっそこうしたら」って言える訳です。それは僕も言ったし、設定をこしらえた奴なんかもああしろよ、こうしろよ、って言った。
それを受け入れて、彼のベストコンディションが物語を変化させていく・・・

へええ。
いかがですか。
自分がこうやって紹介しているのは、自分はアニメの演出家の個性とかなんてぜんぜん詳しくなくて(上の比較で出てきた人の名も正直「?」)、で…そのぶん岡田斗司夫氏や山本弘氏の放談トークを鵜呑みにしている(笑)。
その誰かが「富野監督は台風かなんかと同じ、自然災害と思うしかない」「すごいですよー、富野さんの個性は」とかおもしろおかしく語るもんだから、冨野氏はいわゆる、ものすごい個性派で、自分のイメージやプランを現場でもダーッと奔流のように押し付ける・・・のかと思ったのです。

ところが、ひょっとしたら大御所たる今では、また違うのかもしれないけど、少なくとも「ガンダム」当時は、気の置けない感じで、トップなのにみんな自由に意見を言えた。それをうまくすくい上げて、ミックスしてガンダムは成功した・・・こう、近くでみていた安彦氏が語る、そんなふうだったと。

やっぱり成功の秘訣なんて、けっこうシンプルなもんですね。だからこそ、誰でも出来るわけじゃないが、マネするつもりは持ち続けたい。

「ピースがうまくはまる」といえば安彦史劇漫画も。

わたしが好きな安彦氏の漫画は、実在人物が多数出てくるタイプのほう。
そうすると主人公を軸に、その人物に実在の偉人が多数出てくる。
ただ実在の人物だから「この時期は日本にいる」とか「この時期は病気で臥せっていた」「2人は犬猿の仲だから同席するはずが無い」というような制限があって。

そこの間を縫うパズル的な面白さもあるから、実在・架空人物の入り乱れは面白く大好きなんだが。
虹色のトロツキー」で、トロツキーそっくりで物まね芸人として活躍している男、があんまり話の本筋にからまず退場し…ついでにトロツキー自身もあんまり絡まない、というような「ん?」も正直あるけど。

安彦史劇やガンダムを「登場人物がここからここに旅して、目的はここでXXに変わって、この地で偶然Aに会って、だけどそれhがBの仕組んだ筋書き通りで…」といった、人間関係や会った会わないのチャートを作るとなんか面白そうな気がしてる。

こういうのを「香盤表」というそうですね。
失敗すると、そのお話で盛り上がる場面にあの人物を入れたいのにすでにストーリー上外国にいってたり、物理的に会えなくなったり、すでに死んでたり(笑)。長編ストーリーの「ピースを一個一個はめる」のは実際に物語作りをすると、たいそう難しいもののようだ。

「ストーリー作成ソフト」を椎名高志七月鏡一が語る/日本語版も誕生?/設定管理・香盤ソフトとは
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130814/p4


「ストーリー作成ソフト」をプロ漫画家・原作者が語る(椎名高志七月鏡一)/日本語版も誕生?
http://togetter.com/li/548274

設定管理・香盤表ソフトとはいろいろあるんだな。ウチはいまキャラが増えてる上に時間軸がややこしいことになってるので、導入を検討したい。
Takashi_Shiina 2013-08-13 22:54:11

@Takashi_Shiina 被りを気にするほど被ってる人はいないじゃないですか。ほとんどおにゃのこなんだし
imo_zy 2013-08-13 22:55:38

かぶるとかそういう話じゃねえよ。忘れるんだよ。細かい設定とか、その場にいることとか(笑) 
Takashi_Shiina 2013-08-13 22:57:33

まあ、キャラの描き忘れもマズいんだけど、もっとマズいのはすでに死んじゃった人をうっかり描いちゃう場合だな。志賀さんがみんなに混じって「イエーヽ(゚∀゚)ノ」とか言ってたらかなり気まずい。てか面白すぎてダメだ。
Takashi_Shiina 2013-08-13 23:27:35

ま、そんなことも含めて、東京新聞安彦良和インタビュー。興味ある方はおっかけてはいかが?