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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

いまボブ・サップは「負け役」で稼ぎつつ「障害を抱える引退格闘家の支援活動」をしている(「野獣の怒り」評最終回)

お休みをはさんで、計三回にわたったこの本の紹介を締めくくろう。

野獣の怒り

野獣の怒り

過去2回の紹介は
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130326/p1
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130327/p1

サップ、価値暴落後のお値段。500万円〜200万円?

年表的に書こう。
同書によると、こんな感じだそうだ。

大会、カード 金額など
2009年 DREAMスーパーハルク 1試合6万ドル
2009年 戦極 5万ドル(うちニコラス・ペタスが2万ドル抜く契約で、成立に至らず)
2010年大晦日 猪木祭り vs鈴川真一。ガチMMA 3万ドル、前払い(実際にはもらえず、スポンサーが直接くれた)
その後 世界中で11年に12試合、12年は14試合 2万〜4万ドル

これがお得か、お得でないかはいろいろあるだろう。日本は元大スターの地位もあるし、もっと吹っかけてるかと思ったら、2010年時点で300万円ね。まあ相手が鈴川真一か、もっと歴戦のMMAファイターか、などで変わってもくるのだろう。
しかし300万円でかつての大スターを呼べる、というとたしかにプロモーターも「うーん」と考えどころ、になるのかも…

で、これについて…とくに2011年、12年の”大活躍”について

いまのオレに、一部の格闘技ファンから批判が飛んでいることは承知している。
「サップは昔の名前で売って、ドサ周りを続けている」・・・(後略)

以前Dropkickサイトに載った、MMAジャーナリストとのやり取りのほうが明確にサップの意見が伝わるので再録しよう。

http://ningenfusha.jugem.jp/?eid=200
「はした金でダメージを受けたいのなら、軍隊に行け」


「わずかのカネで痛めつけあうのが好きなら、軍隊にでも入れ。ちゃんとサンクションされていて、安全性が確保されていて、治療費も払ってくれるような大会で怪我をしたなら、それはたしかにエンターテインメントの範疇の話だ。俺様にはファンも家族もいて、勝っても負けても、応援してくれているんだ。だからボブサップ様に言わせれば、勝者を愛するなんてことはチンケなことなのさ、フハハハハハ
(略)

Q だれもあなたにMMAを強要してないじゃないですか。
「こんな景気ではしょうがないだろう。どうやって生活費を払うんだよ。あんたが払ってくれるのか!フハハハハハ」
 
Q 「痛い思いをしなくても、世界中で稼げるぞ」と思ったのには何かきっかけがあったのですか。
「グッドリッジが脳障害を負ったのにファイトマネーをもらえないきっかけは何だったのかな。ファイトマネーを回収してもやっぱり文句を言われるのかい。もっと危険に身をさらせって?UFCファイターはもっと少ないカネでもっとハードに戦っている? それならおまえらがもっと払ってやれ。俺様がやっているのはプロモーターと同じ、ファイトビジネスなんだ。ビジネスの成果は、マネーで測るんだよ。フハハハハハ」
 
Q 60秒だけでもいいから、その変な笑い声をやめてまじめに答えてもらえませんか。そしたら少しはリスペクトもできるんですけど。
「リスペクト?あんたのリスペクトはカネになるのか?」

ただ、こうは言いつつも、たまには一生懸命、最後まで闘っています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18140640


それはそれとして、これだけならたしかに落ちぶれた格闘家の、過去の歴史と名声の切り売り、なのですが・・・・・・。

トップに立つ一人として、ファイティングビジネス業界への責務があると思っている。
自分が何をなすべきか―その結論が、困難を抱えたファイターへのサポート活動だった。
(略)
オレが受け取るスポンサー料を困っているファイターに還元する仕組み・・・協賛企業のロゴの入ったスウェットやタオルを売り…ファイター達のリタイヤヤード・ファンド(引退基金)にまわしている。
現在、対象になっている選手はドン・フライ、ショーニー・カーター…ジェイク・ロバーツ…ゲーリー・グッドリッジなどで・・・3カ月毎のローテーションで500〜2000ドルの現金が支払われる

ゲーリー・グッドリッジの現状に関してはここ(というかOMASUKI FIGHT氏のDropkick記事)を参照

■”MMA第1世代”が引退し、そして…グッドリッジのその後
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110514/p1

これに対して身銭を切って(正確には支援スポンサーを見つけて)、実際に数千ドルを引退ファイターに渡せるようになっている、というのだから文句のつけようもない。疑いなく立派な行為だ。

だけどねえ・・・このtwitterのやりとりに同感。

まなべる堂@comic of MMA ‏@manabelldo 3月25日
無気力試合で稼いだ莫大なファイトマネーの一部を寄付、というのは美談かという問題。無気力試合ムエタイにもあるという意見にうーんと考え込む。もう客もプロモーターも、サップがロー一発で倒れる姿を見て赤い羽根を貰ったと考えるしかない。
  
matsu ‏@matsu009 3月25日
@manabelldo そもそもそれが美談かどうかを考える必要もないのかなーとも思います。サップと寄付先の間だけのお話なのかなぁと。
 
まなべる堂@comic of MMA ‏@manabelldo 3月25日
@matsu009 避難の矛先をかわす手段って感じですもんねえ。


そう、闘う・・・というか試合に出るはいいけど、いいのを貰ったらすぐタップ、この前のギャグを繰り返すと「呼ばれてとび出て、パパパパーン(マットを叩く音)」の状態だ。
でも
「この試合に出て得られたスポンサー料は、引退して肉体的、経済的困難にある元ファイターのために使われています」
「ご存知ですか、後遺症のおそろしさ。健康のため早めのタップを」
と、こういわれてしまうと、ウッと批判の矛先は鈍る。


「モーターボートの収益金は、世界のハンセン病撲滅のために使われています。戸じまり用心、火の用心」みたいなもんだ。

それがいいか、悪いか・・・もうそれを論じるのはやめ、審判は読者に委ねることとしよう
(完)

追記1 もういちど、この感想を再掲載します

最近は徐々に、本当に徐々に・・・ゆっくりだが、「K 多重アリバイ」というか「P 多重アリバイ」というか、「D 多重アリバイ」というか・・・90年―2000年代のメジャー総合格闘技、それも経営面における証言が出始めている。
しかし、それを素人的に「へーほー」「そーなんかー」と読んでいると・・・その多重アリバイが徐々に収斂し、ピントがあってくるかと思いきや全然そーならねー(笑)。ますます矛盾が増えに増えまくり、混沌の世界に入っていくのだ。
これは、本職のノンフィクション作家・・・それも一流の人間に資料を集めてもらい、証言のまるで異なる人々にインタビューしてもらい・・・、そういう形で本を一冊書いてもらうしかないと思う。

 

追記2 別に話題になった、「看護婦との交際で、日本は何ていい国だ!と思った」という話は

うちのブログには載せられないので各自調査(笑)。
だが「それは日本の良さとか、そーいう話じゃない」とだけはサップに言っておきたい。