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■夢枕獏書き下ろし「真・餓狼伝」が始動、時代は明治後期
夢枕獏原作による野部優美の新連載「真・餓狼伝」が、本日2月14日発売の週刊少年チャンピオン11号(秋田書店)にてスタートした。夢枕にとって初のマンガ原作書き下ろしとなる「真・餓狼伝」。明治時代後期、主人公の丹波文吉を軸として、武道に生きる男たちの格闘ドラマが紡がれる。第1話はブラジルにいる格闘家、前田光世の回想から始まる。
爆死が直接の漫画原作をはじめるのは今回が初。何度かオファーがあったが「自分の頭の中の構想を小説にするので手一杯なので」と断っていた。
「餓狼伝」と漫画ということでいえば、自分はなんだかんだと谷口ジロー版派なのである。(谷口も、餓狼伝もそもそもこのバージョンで知った)
- 作者: 夢枕獏,谷口ジロー
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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さて、真・餓狼伝か。
「うーん餓狼伝と餓狼伝でおおかみがだぶってしまった」感も正直ある。
どんなふうにサーガが重なっているのか、だれかが一寸整理してくれんと分からんし、そもそも原作はどこまで行って、何がどうなったんだっけ。あの間隔で出されたらフツーに忘れるよ(笑)。それも怠惰なわけじゃなく、勤勉に仕事をしているのに多分野すぎて出ないのだしね(笑)。
そして夢枕獏氏、たぶん完結させる気が失せている。それも、正式な意味での確信犯としてだ。3度目の引用になるが・・・
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060212#p3
おれは怖くなった。
いくらでも広がっていきそうになる風呂敷を、なんと、このおれは、押さえながら書いているのであった。(略)ようするに、思いつきの垂れ流しになってしまうのではないか。
【註:そうしたら、ある編集者が】
「かまうことはありません。大風呂敷、結構ではありませんか。いくらでもがんがん広げてしまえばいいではありませんか」
どん。
「しかし、そうなるとプロとして結末の責任をどうとってゆけばいいのか、非常にむずかしくなってしまうのではありませんか」
(略)
「これこれという作品をごらんなさい。だれそれさんのあれはどうですか。それに、あの作品があるではありませんか。それらはみな、どれも、伝奇小説としては傑作と呼ばれているものです。しかし、どの作品も例外なく結末が書かれていないのです」
(「大帝の剣 妖魔復活編あとがき」より)
舞台は明治後期か。
・陸奥天兵(陸奥圓明流37代)は1872年生まれ
・緋村剣心(抜刀斎)は幕末にティーンエイジャー。
・姿三四郎は「明治15年、17歳で上京」らしいから明治の年号プラス2歳か。
・斎藤一は1844年生まれ。日露戦争のときに還暦だったというとイメージしやすいわけか。
・広瀬武夫、1868年生まれ。
・足関で講道館を恐怖させた男、田辺又右衛門は明治2年(1869)1月生まれだそうだ。明治23年(1890)警視庁柔術師範になっている由。
http://www.konishi.co.jp/html/fujiyama/konishibunko/budou/kendou/kikigaki_08.html
・山岡鉄舟は明治21年(1888年)53歳で死去。
明治期に最強を争うなら、だいたいこんなところだろう。