INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

日沖発、グイダを打撃で上回るも…「ラスト・オブ・ガードポジションファイター」の苦闘

日本格闘技界の切り札のひとりである日沖発が、UFC on FOXに登場した。
相手はクレイ・グイダ。総合格闘技はどう考えても邪魔な髪の毛を振り乱して闘う ブルーザー・ブロディジミー・スヌーカを思わせる野獣的な風ボウ(梶原一騎調)ながら、それを操るのは「ゲーム理論」に基づいた戦略を立てる当代一流の理論家グレッグ・ジャクソンだという。
その戦略家の肖像はこちら

■グレッグ・ジャクソンは数学を格闘技に持ち込み、実戦経験ゼロで「最強のトレーナー」に。嘘の様な実話。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120916/p2

そして何より相手はライト級から一階級落とした相手だ。
掛け率も含め、不利を予想されていたが・・・


まず打撃では、完全に先手。リーチの差からすれば当然だと思うかもしれないが、グイダは「必要以上に、過剰に、頭や身体を揺らして攻めてくる」ことでも知られる相手。いや普通に、相手の打撃を避ける効果があるんだろうけど、ちょっとそれじゃ説明がつかないほど身体を揺らしてくるんだ。
その揺らしを、まったく気にせずに?的確に当てていった感じがある。なんか市役所の窓口でクレームをつけてくるおっさんを、融通の利かない窓口職員が「規則は規則ですので」と内規を盾にとって相手にしないような感じだった(笑)。
UFCは、打撃ヒット数を試合中にカウントして表示するのだが、それが二倍近くに積みあがるのを見ると、」ああ、こら行けるかな??
と思ったんですよ。

・・・しかし、グイダには、ジャクソン門下生には伝家の宝刀がある。「とにかくしゃにむにテイクダウンして、まずは上を取って固める」という。贔屓目ながらそこからグイダが効果的に攻めていたとは思えないが、日沖の攻めも封じられて、あとは上に乗った時間をおそらくはカウントされて・・・スプリットで敗北した。
まあグイダが立派なわけで、日沖だって国内の試合ではそうやすやすとタックルをとられたりはしなかった。そして下になっても「え?三角絞めってこんなに簡単に極まるもんなの?」と誤解させるほど見事に三角絞めを極めて・・・6試合、三角での一本勝ちがある選手だ。
グイダにも日沖は三角を仕掛けたが、それをグイダは胸を張ってクリアし、勝利につなげた。
 
日沖自身もこうグイダをたたえる。
https://twitter.com/hatsu_hioki

Hatsu Hioki ‏@hatsu_hioki
@clayguida is a very respectful gentleman and hat off to him. I will learn from this and be back in the Octagon better&put on show thank you
「クレイ・グイダ(@clayguida )は尊敬に値する紳士でした。(試合ぶりには)脱帽するしかありません。私は今回の結果から学び、より強くなって、オクタゴンに戻りその成果を見せたいと思います。サンキュー」
 
13時間 Hatsu Hioki ‏@hatsu_hioki
Thank you very much for all the support and cheers. I am sorry I cannot reply to everyone of you individually, but I really appreciate all
「@hatsu_hioki  すべての応援、声援にとても感謝しています。皆さんに対して個別にリプライすることができなくて申し訳ないですが、そのすべてをありがたくおもっています。」

にしても・・・戦法に流行り廃りがあるのはルールや判定基準という外的要素もあるから当然とはいえ、初期UFCで猛威を振るい、鉄壁の技術のように言われたガードポジションが、いま不利な状況に置かれていることをあらためて実感する。人間の手が一本増えたわけでも、足が一本増えたわけでもないのに、同じ人間の格闘技であっても戦法とはかわってくるものだ。
日沖が「ガードポジションファイター」というのはあくまでUFCの中での相対的な評価に過ぎないけど、おそらくこれからもさらに減っていくのだろう。(もちろん「普通以上にできて、しかも使わない」という形だ)。ガードから腕十字や三角締めを仕掛けてそれで一本勝ちしたら、野球でサヨナラホームランを見るぐらい「今日は珍しいものみたなー。ラッキーだった」となるのかね。


「2連敗」からUFCは、選手を解雇する可能性が出てくる・・・
シュウ・ヒラタ氏の見立てでは

Shu Hirata ‏@ShuHirata
微妙な判定だな.....ま、ショーンは彼の事を「Too Specialだ」と言っているし、間違いなくUFCのフェザーで長い間やっていける力がある事は、今回の試合でもまた証明したと思うんで、一つ一つしっかりと勝って、また這い上がって欲しいですね。もち、日沖選手のことです。

とあり、大丈夫だとは思うが、ここからまさに「這い上がる」ストーリーを期待したい。