うーん、書きたいことが多肢にわたって連動しているのはいいけど、それを全部書くと散漫になってしまうなあ。
でもその散漫さをそのまま生かして、断片的な話をしてみるか。
ます「信長モノ」の人気に再度驚く。
「信長のシェフ」がドラマ化されたことにはさすがに驚いた。個人的な受け止め方では、「JIN」のコンセプトをグルメものでやったという、ある意味どーってことない作品だったと思うが・・・。
ただ、原作も人気はあったんだろうな。それに時代性を無視した「異能の天才」を登場させることで擬似タイムスリップものになっている、という点では同じ「マリー・アントワネットの料理人」と比べると、やっぱり前者のほうが優れていると思います。
マリー・アントワネットの料理人 1 (ジャンプコミックス デラックス)
- 作者:里見 桂
- 発売日: 2008/10/03
- メディア: コミック
2011年、メジャー系の雑誌も含めて5作品も信長が重要人物として登場する作品があって、こんなにか!と驚いてこんなエントリにしたんだが
■しかし、信長の漫画がいま多いねえ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111025/p5
もっと驚くべきは2013年、これらの作品がすべて連載継続しているということだよ!(※「センゴク天正記」は完結だが、すぐ新シリーズが続いている)シビアな漫画業界、どんな長期構想があろうが無かろうが人気が出なきゃ打ち切られる。それだけ信長ものは人気だということです。
最新刊を中心にもう一度紹介
- 作者:梶川 卓郎
- 発売日: 2012/10/16
- メディア: コミック
- 作者:宮下 英樹
- 発売日: 2012/10/05
- メディア: コミック
- 作者:重野 なおき
- 発売日: 2012/12/26
- メディア: コミック
- 作者:平野 耕太
- 発売日: 2011/10/13
- メディア: コミック
ほかにもあるのかしらん。
「信長の忍び」比叡山焼き討ちへ。
ここでちょっと注目したいのは、「信長の忍び」です。
この画像は繋がっているわけでなく、4コマ漫画2本の後半2コマづつです。
信長のキャラクターに関して、作者の重野なおき氏は非常に考えているところがあるのですが、彼が「手を汚す」この事件をどう描写するのか。
「ドリフターズ」では異世界に鉄砲が持ち込まれ、作られようとしている
以前、
■間もなくアニメが始まるという「まおゆう」と平野耕太「ドリフターズ」って隣接ジャンルやねん。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130104/p2
ときに、その後の関連記事を読んでいると「JIN」「信長のシェフ」「まおゆう」「紺碧の艦隊」「遥かな街へ」「未来の想い出」そして「ドリフターズ」などを…
■「未来技術・未来知識チート」もの
と表現しているところがあり
( http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130106/p1 に引用した、あ、「チート」なることばの意味は各自検索してね)
なるほどと思いました。タイムマシンやタイムスリップなどによる厳密なものだけでなく、「異世界」の人間や「飛びぬけた大天才」が、実際には未来に匹敵するような知識や技術で活躍、というのもそれに入るわけで、これは便利な定義ですね。
さて、本題に戻って…その、戦国時代の騒乱で軍事知識を蓄えた「チート」信長はなぜ苦労してまで鉄砲をこの異世界で作ろうとしているのか?
信長の知識も種子島レベルなので、こうエルフやドワーフたちから尋ねられます。
「今までの弩(ボウガン)や弓と大して変わらないのでは?」
それに対して、信長が思いつつも言わなかったのが以下の独白。
うわっ、身もふたもねー!
そう、関羽や張飛、前田慶次ら「鬼○○」が活躍する時代は、鉄砲によって本質的には終わっていく。「花の慶次」でも「いくら慶次でも、鉄砲だけはいけない」と明言されていたな。
ただし史実の織田信長は、状況的にも歴史的にもそれを目にすることはなかったが・・・銃を持ち、長年武芸で鍛え抜かれた豪傑、サムライや騎士という軍事貴族をばたばたとなぎ倒していった鉄砲を持った雑兵たちは、ヨーロッパの地でその後「国民平等」「民主主義」にも目覚めていく・・・・・・
そこも「ドリフターズ」では描かれていくのでしょうかね。
参考
■カイヨワ「戦争論」を読んで
http://ironair.blog46.fc2.com/blog-entry-44.html
http://ironair.blog46.fc2.com/blog-entry-45.html
http://ironair.blog46.fc2.com/blog-entry-46.html
(その2より)
歩兵がマスケット銃により騎士に変わって主力になったことで、歩兵の必要性が高まり、同じ歩兵でも傭兵より市民軍のほうが士気がずっと高くなる……それゆえ歩兵と民主主義はある意味相性がいい、という関係があるように思えます。貴族歩兵制の失敗とあわせると、なおのことその印象が強まります。
その意味において、歩兵と民主主義の結びつきは確かに存在し、まさに「マスケット銃が歩兵をつくり、歩兵が民主主義をつくった」といえるでしょう。
しかし、「殺すこと、殺意、罪悪感の簡便化」はアメリカの乱射事件にもつながるのだろうか。
もうひとつ思い出したなあ。
司馬遼太郎が戦火のベトナムを回った「人間の集団について」。
かなり昔の読んだ本の記憶による大意なので、かなり細部は違っているかもしれないが・・・こんなことを書いていた
『植民地支配を被征服民族が打ち破る意識の変化をもたらしたのは結局「武器の平等」である。白人だろうと日本人だろうと、その地を支配する連中も引き金を引いて発射した弾が当たれば死ぬし、爆弾を投げつければ建物は壊れる。この平等感、「あいつらもおれたちと同じだ」という意識は、一番強烈なのだ』
鋭い史観による独特の発想と、優しい心に映った内戦下のベトナムの姿―。複雑な国際関係と政治の力学について、善意の知識人が誰一人として言及しなかった深い洞察がここにある。南ベトナム各地を歩き、直接眼にふれたナマの感覚から、人間そのものの問題に切りこむ、知的な刺激力に満ちた「第一級の思想書」である。
- 作者:司馬 遼太郎
- 発売日: 1996/09/18
- メディア: 文庫
そして銃は火薬を欲し、火薬は窒素(硝石)を欲する。
一時期は「硝石は輸入するしかない」と思われて堺の商人達が強大なパワーと富を握り(信長のシェフ)
その後、化学反応は分からなくても人の死体や排泄物から硝石が生まれることがわかり(ドリフターズ)
最後はドイツで「空気窒素固定法」が生み出され・・・(栄光なき天才たち)
- 作者:森田 信吾
- 発売日: 1997/05/16
- メディア: 文庫
そして人に死と破壊をもたらす火薬は、生と創造をもたらす「肥料」と一緒に歩んでいくという皮肉。
だからこちら・・・
■食糧生産の歴史を語る良togetterから「まおゆう」のことを考えた。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121027/p4
というかこちら
■20世紀ぐらいまでの食べ物の作り方
http://togetter.com/li/394794
にも関連してくるのDEATH。