録画して観ました。
セミファイナル
セミファイナルの見ごたえある攻防、とくに最後の最後までカニバサミから足関節を仕掛けていった敗者の折れない心にはたいへん感銘を受けました。
にしても流血に関する扱いなのだが、「流血は相当あってもTKO、ドクターストップ扱いをしないのが世界標準だ」・・・とは聞いていたが、実際にその例を見るとおどろく。日本でそれなりの流血でとめるのは中山ドクターに言わせると「血が目に入ると、窓にバターを塗ったようなもの、油の膜で視界がさえぎられる。そこに打撃を受けることが怖い」とのことである。
このへん、どこが医学的、科学的に妥当なのかもっと論議されていいかと。
JDSvsケイン・ヴェラスケス
メインイベント・・・当たり前なんだが、「タックルを切る」「テイクダウンする」「パンチを当てる」というのはダメージや疲労の蓄積の結果であり、たとえば当代一のタックル切りの名手でも、強いパンチを受けてぴよったら、あるいはヘロヘロになったらキックボクサー以上にたやすくテイクダウンを取られる。その逆もしかり。
「一番の三角絞めのガードは殴ることだ」とか「(アマレスで)フォールするに一番いいのは、相手を失神させることだ」とかいうのは、まったく事実であるのだなあ。
岡見勇信
われわれは日本のファンだから、あの試合で「安心」したり喜んだりした・・・だが現地ファンのブーイングや、レフェリーのブレイクもある種の評価なのだろうね。
http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-1430.html
大会後記者会見でダナは、今日の大会はセミとメインに救われた、それ以外はあまり好きな試合ではなかったと、ずいぶんハッキリと言ってくれている。
ただ「オカミは安全運転の隙の無いファイター、退屈だが大崩れはしない。この難攻不落の上位選手を破れば、彼ですら勝てないアンデウソン攻略も見えてくる!!」みたいな位置づけは、ブーイングしているあっちのファンも含めて定着しているのではないか。
ある時期の郷野聡寛やガイ・メッツアー的なポジションというか。
そういう個性も、ちゃんとオクタゴンには居場所がある。「勝ちさえすれば」という厳しい条件付きだが、それでもオカミは2012年を生き残った。