朝日がデジタル版の有料化を進めているので紹介しにくいが
http://astand.asahi.com/webshinsho/asahi/asahishimbun/product/2012031500010.html
などにある「カオスの深淵」。
きのう23日は、ハンガリーで実現には至らなかったものの、極めて真面目に検討されたという「子育て中の母親には2票を与える」という憲法改正案について特集している。
このほか、オーストリアでは選挙権を16歳に下げたという例(それが極右政党が勢いを増した一因だとか)や、日本で「年齢別に選挙区をつくる。余命に応じて議席を配分する」という制度を考案した一橋大の竹内幹教授の論などを紹介している。
こういうのが面白いのは、マイケル・サンデルの正義論が「おもしろ哲学クイーズ」として消費された(いいことです!)のと同様「おもしろ民主制アイデアコンクール〜」として、いろんな選択肢が仮に「民主制度」の範囲に限ってでもありえる、という話が思考を柔軟にし、視野を広げてくれるからです。
いまささやかに話題になっている「中選挙区制復帰論」もそうだけど、小選挙区と中(大)選挙区と比例代表と・・・どれを選んでも、結果はことなる。第一院と第二院の権限のデザインですらかわってくる。
正直、この前第一回投票がおわり、オランドとサルコジが決選をすることに決まったフランス大統領の「二回投票制度」も、ロシアですら採用しているとはいえ「んーー?なんかへんな制度だなあ」と個人的にはかすかに違和感を感じたりする。
そうそう、フランスでいえば「正式な結果が出るまで出口調査の結果を発表してはならない」なんて項目もあるそうで、これらも国によってちがう。
実際にある制度、学者の机上の空論もひっくるめて、こういう制度の比較や「君が作ろう、選ぼう、選挙制度!!」という意識で比較検討させれば、民主主義は鍛えられると思う。
それ以前の「カオスの深淵」では民主制度と別のところで、財政赤字や外債の購入、為替相場の圧力によって、「民主制度」と別のところから国策に対して干渉・影響力行使ができる「市場」(国民投票を断念したギリシャなんていい例だね)についても紹介していた。こちらもおもしろかった。
http://digital.asahi.com/special/2012chaos/
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