今さら、日本大会の話題でもないだろという人もいるかもしれないが、まあ聞いちくり。
秋山成勲はウェルター級初戦、ジェイク・シールズに判定0-3で敗れ、連敗は続いている。
しかし。
自分なんかは正直「ジェイクはちゃっちゃとテイクダウンして、寝技に持ち込んで…そこから秋山は何も対抗できず、最後はキュウと絞められておしまいなんじゃないの?」ぐらいに想像していた。「シールズも2連敗だから、チューンナップ・ファイトが必要だろう」みたいなコメントも見たし。
自分はUFCを実際に見たあとの感想では
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120302/p1
「善戦…というのも、ちょっと違うんだろうな」と書いたけど、それはちょっと辛口で、とりあえずテイクダウンをあれだけ防いだのも結果的にはたいしたものだったのだろう。
その秘密は何か。実は先週金曜、3月16日更新のkaminoge move(携帯サイト)で、TK高阪剛がセコンド・トレーナーとして振り返る秋山vsシールズを語っている。
その「作戦部分」だけ見てみましょう
高阪 作戦としてはほぼ正解というか、秋山もよくわかっていたと思うし、よくできていたと思いますよ。
Q:それはどういった作戦ですか?
高阪 簡単に言えば、まず相手のタックルをもらわないようにするっていうことですよね。じつはジェイク・シールズっていうのは、これまでの試合全般がそうなんですけど、実はいろんな種類のタックルをやってくる選手なんですよ。Q:あ、そうなんですか。だからテイクダウン率がいい、と。
高阪 そうなんですけど、試合前に相手の研究をしているとき、ジェイク・シールズにいろんなタックルを出させずに、一種類のタックルだけにさせる方法に気付いたんですね。
Q:そんな重要なポイントに気付きましたか!!
高阪 なんで、まずはそこを徹底的にやっておこうということになって、実際にそれをやったことでシールズのタックルは1種類だけになったんですよ。
Q:それが、ほとんどのタックルが切れた要因だったんですか。
高阪 そうなんです。その一つのタックルだけに気をつければいいようになったんで。試合前に「他のタックルはまずやってこれないだろう」という形ができたんです。まず、その段階はクリアできたんですよ
その前後の総括は箇条書きにします
・秋山はやっとUFCで闘える「スタートライン」についた。だけどそれじゃ足りない。
・UFCのトップはひとつふたつ自分のやりたいことをつぶされても、できることがある
・ジェイクはタックルをつぶされても、押し込むまではできてしまう。普通ならあれだけ切れば心が折れるのに。
・逆に秋山が根負けして、3Rには倒された。
・正直、少し楽な相手と戦わせてあげたい(笑)
・なんとか次につなげたい
みたいな。
まあこのへんの総括は普通でしょうけど、とにかくこの幻想の「相手のタックルを一種類にさせた」戦略とは。・・・たぶん、ボクシングでいえば、「顔面だけをガチガチにブロックすれば、相手はボディを狙ってくる」みたいな、一部隙を作って、他は過剰に準備して・・・みたいなものかなあと思うんですが。
あと、なんだかんだといってもTKには前田日明の遺伝子も流入していて(笑)、技術的なハッタリ、幻想…といっちゃ失礼かな、興味を惹く言葉を振りまく技術に優れている。実際にその通りかどうかはさておき、技術的な細かい部分で「XXXは・・・だから・・○○○になるんです!!」と断言する。ある意味梶原一騎テイスト。
その言葉は確かに面白く、「売れる」商品になる。実際に”TKの技術解説”という商品は、雑誌に、TV解説に・・・、大ベストセラー、ロングセラー、不動の定番商品となっているではないか。
某( ´∀`)にUFC大会前、TKのそういう分析(最初は「詳細はいえないけど」みたいな感じだったが)を紹介したら、「彼はヒョードルでも誰でも『彼には癖があるんです』とか自信満々に分析してたじゃん」と言われた(笑)。
さて、上のTK自己解説はしょせん「KAMINOGE」である(失礼な)。
技術的な説明、分析は本日発売の専門誌でなら、もっと深く語っているかもしれない。語ってないかもしれない。
「相手のタックルを一種類にする」作戦、テクニックとは何か?
その答えをみなさんも探してみよう。
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