INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「オールラウンダー廻」難波死闘編の行く末は?その他。

オールラウンダー廻」中間報告。
現在、地元では得られなかった全日本の出場権を得る為に廻クンは大阪に遠征(アマ修斗はそれが可能)、難波死闘編に突入しました。しかしそこはアウェイの地。
草も木も納豆もないジャングルに、死を呼ぶ罠が待っている。
しかし、廻はトーナメントを経て、キワの攻防が鋭くなっている!
ボディにパンチを当てたら、すかさずタックル!打倒極!!

しかし・・・不気味に試合を分析する、ナニワの老兵。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120119/p2
実はこのおっさん、前日調整していた廻君に親しく話しかけ、アドバイスをするふりをしながら、弱点を収集するというインテリジェンス活動に従事。なぜなら自分も同階級のトーナメントに出るから(笑)。
メグルは「自分はパンチ力、特に右のパンチに自信が無くて・・・」的なことを言ってたらしく、その証言と試合を組み合わせて、”最後の挑戦”と心に期す老兵は、深く仮想敵の分析を続けていく・・・
 
もうひとつ、個人的にも印象に残ったシーンを。寝技の攻防です。

ある技が極まりかけたんだけど、どうもその技に自信がないので、そこから自分の得意技に切り替えていく。
しかも腕十字。
これ、自分もそうだったので偉く懐かしく感じまして。自分も「三角絞めは、極まらない技なのである」と技のせいにしてたぐらいでな。まあ客観的にみれば足の短さもあって「ひし形絞め」だった気もするが。
だから自分は三角から十字、キムラロックから十字、ネルソンから十字、一本背負いの失敗から十字(「伏龍」と厨二的に命名)、がぶりから十字・・・何言ってるかよくわからないかもしれないが、それぐらい十字に頼っていた。それほどまあ、十字固めというのは簡単に極まって、へたくそでも取れる良くできた技だよね。
ぜひ武道必修化の暁には、2010年大晦日的な腕折りの惨事が続出して欲しい、と思ったのだが、中学ではもともと関節技が禁止だったのでした。


おるめぐ(←※公式略称です)二次創作「バレンタインデーの廻クンたち」

※最初に断っておくと…最近聞いた、とある方の体験談(※格闘技ではないが運動系)が実に愉快で、しかもちょっとこの作品のキャラクター配置に各者の人間関係が似ていた(笑)ので、あてはめると面白いなーと思っていた。そこで、いわゆる二次創作ってやつだな、それ的に書くのだが…その話をしてる人、時々ここを見てるんだよね。漫画世界に舞台を借りているのでよもや貴方のこととはわからんはずだが、万が一(というか、かなりの確率で)見られた時のためにあらかじめ謝っておく。

ファイターズ・ブリュージムのバレンタイン

その日、東京郊外の雑居ビルの一角にあるキック・総合格闘技ジム「ファイターズ・ブリュ―」の練習には、奇妙な緊張感が漂っていた。
試合が近い人も、減量に入ろうかという人も、それなりにいないわけではないが・・・、そういった意味での緊張感ではない。
この日は2月14日だったのだ。
硬派で古風な道場的ジムだと、そんなことを気にするのもはばかられる雰囲気もあるかもしれない。
だが、このジムはその反対、練習の厳しさとはまた別の、お気楽で家族的な雰囲気がある。所属プロ選手にしてBJJの指導者、田宮は、意中の女子選手と廻が親しく会話していたら「お前なんか一生白帯のままにしてやる!」と口走ったり、その田宮を含めたジムの先輩たちは、廻と同い年の北村勇大が後輩の柔道部の女子・愛川桃子に慕われている(?)ことが分かると、ほほえましく見守るどころか「なんでアイツが」「メガネが萌えポイントなのか?」…と、ブツブツ暗い情念を燃やすほどなのだ。
 
しかし、さすがに2月14日を意識はしていても、その話題や行事はおそらく練習後。
練習時間はみな集中して、それぞれのトレーニングに一生懸命だ。
 
・・・その一角に、特に一生懸命なところがあった。
「なんど言ったら分かるんだよ!!相手の首は”ひっかける”んだよ!」
「回すタイミングがずれている!!」
「・・・マキちゃん、ちょ、ちょっとタンマ。ちょっと息を整えるから…」
「甘い!!敵は待っててくれないぞ!!」
首相撲の練習をする神谷真希と、高柳廻である。
 
 
指導する古屋健一郎と、絹川まりあが「?」という表情を浮かべながら、練習を遠くから観察する。 
「おいおい、えらく気合が入ってるなマキのやつ。また試合があるんだっけ?」
「今のところは特に無いはずだけど・・・」
「それに、今日は廻のメニューって、柔術のほうじゃなかったか」
「ええ、でもメグル君と田宮さんが練習しようとしてたら、凄い迫力で『お前に首相撲の特訓をしてやる!!』って」
 
「ほんと、マキの奴は何があったんだ!?鬼気迫るものがあったぞ」
指導対象を奪われた当人、柔術家の田宮が話に入ってきた。
「だいたい、その首相撲の練習だが…、あんな一方的にやられるだけでいいのか?」
「ん?たしかにメグル、今日はやられっぱなしだな。最近はコツも分かってきて、体力の差も生かしてマキとは互角になりつつあったはずだが…」
古屋が首をかしげると、打撃の専門家のまりあが喝破する。
「あれは、精神力と集中力ね。メグル君に絶対に負けない、という意識でやってるから、普段の練習以上の力が出ているのよ。あなどれないわね…」
 
「おいおい、『首相撲で事故』とでもなったら洒落にならんぞ。ほどほどにするよう・・・田宮から、マキに言ってやれよ」
「なんで俺が! い、今はちょっとあの子に近づくのは…。メグルには尊い犠牲になってもらいましょう。いつものように」
 
「というか、なんでまたそんな思いっきりのリンチ…いや練習をマキが廻にしてるんだ?また何かあったのか?……というか、まりあが何を焚きつけたのか…」
「アタシをなんだと思ってるのよ。まあ、おおよその見当はつくけど…」
「???」
どうも絹川まりあと、他の指導者の会話は微妙にかみあわなかった。
 
◇ ◇ ◇
 
練習終了後。
メグルは通常の3倍状態でぼろぞーきんになって倒れている。
そのメグルにも、原因を作った鬼気迫るマキにも、眼を合わせようとするジム生はいなかった。
一通り、クールダウンも終えたあとで・・・。
「みなさーん、今日はバレンタインデーなので、わたしからチョコを贈りまーす。あ、でも減量始める人はガムで我慢してね」
ごく小さい、儀礼的なものではあったが、やはりプロ選手をはじめ皆の顔がほころぶ。
 
素直な廻は「うれしいっス、ありがとうございます」とストレートに喜ぶ。
シャイな勇大は「・・・ども」と、わざとぶっきらぼうに、関心のなさそうに振舞う。
なぜか桃子も貰う側になって「おうっ おうっ」と一番よろこんでがっついている(笑)


そんな中で、背後からマキに「メグルッツ!!」と怒鳴られた…いや声をかけられた廻は、条件反射的にびくっと怯えながら振り向いた。
マキ「今日の、練習なんだけどな・・・」
廻「は、はい、本日は有難うございました…わたしめに何か、至らぬ点などありましたでしょうか」
なんか、練習がトラウマになっているらしく、敬語になっている(笑)。
「お前の弱点は、フィジカルだ!!」
びしっ、と指を指すマキ。
「・・・5巻の48、49ページでマキちゃん、『力で引きつけるのはNG』『力で引こうとすると、結局パワーのある奴には負ける』って言ってなかった?」
「う、うるさい!!」→(前蹴り)
うずくまる廻を前に、なおも言葉を続ける。
「技は力のうちにあり、ってオーヤマ先生も言ってたろ?筋肉と、パワーが足りないんだよお前には!………………だから、これだ!!」
 
袋を、とんと置いた。
「あたしも使ってるプロティンだ、飲め。今飲め。トレーニング直後が一番効果的なんだ」
「うーん、でもプロティンなら自分も使ってるのが・・・(チラッ)・・・はい、いただきます」
相手の前蹴りの予備動作を見て、すぐさま廻は態度を変えた。
そして牛乳と一緒に、口に入れた。
 
 
そして、廻は何の気なしにひとり言を言う。別に大声ではなかったが、ジムのどこからでも、その声ははっきりと聞こえた。
「あ、これ結構おいしいや。チョコ味で」
 
ジムにいた人は、その能天気な発言の意味するところを瞬時に理解し、一斉に廻と真希に注目が集まった。
無骨者のナベさんも、勇大もちょっと驚いた表情。田宮は露骨に羨望の表情。絹川まりあに至っては、悪魔的な笑みを浮かべている(笑)。
意味が分からないのは「おうっ」と余ったチョコを口に入れるのに集中している桃子と、一方の当事者のメグル君だけだった。
 
「あ…あ……」
 
こっそり、秘密のつもりの行動が大バレにばれたことが分かり、この上無く赤面するマキ。
「ありがとう、これいいね!」
とまったく自分だけ理解せず満面の笑みのメグル。
この0.03秒後、廻にハイキックが炸裂、彼は意識を失ったが、ジムで彼に同情するものは誰もいなかった・・・という。

Xさん(イニシャルも書けないわ…)これぐらい元の話を改変して他のキャラクターに乗せればばれないでしょ(笑)。
あー、でもあれだな、モデルに怒られて消す可能性と、二次創作とはいえ、あんまりガラじゃないラブコメ的な文章を書いたという気恥ずかしさが増大して、あとで消すかもしんね、これ(笑)