「戦国ちょっといい話・悪い話」
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797 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 18:12:57.25 id:hoI4lCBT
井伊直孝の金の使い方
(略)
ある日、とある幕臣が金に困り、手持ちの高麗茶碗を七十両で手放したいと直孝の元にやってきた。
この幕臣は直孝に憚ったのか、茶碗と共に小堀遠州の書翰を数冊渡した。直孝は承知してこれらを買った。だが幕臣が帰った後、高麗茶碗を手に取って語った。
「わしはこの茶碗が欲しくて七十両を払ったわけではない。あの男の貧窮を助けねばならぬと思ったから
買い取ったのだ。
そもそも、こんなものがなければ、かの者はこんな目に合わずに済んだのだ。」そう言うと直孝は茶碗を庭石目がけて投げつけ、小堀遠州の書翰も火にくべて燃やしてしまった。
(家光・。十一名臣/徳永真一郎より 出典元不明)
「へうげもの」はフィクションながら、この井伊の主君に当たる徳川家康を「無粋(=質素)の代表」と位置づけ、しかもその無粋をひとつの哲学、美学として誇っている、という造形をしている。
上の話なんかも確かに一面では美談である。
ただすべての文化はある面で「奢侈贅沢」が生み、そしてその美や文化はやはり、後世に末永く受け継ぐべきものである・・・と考えると、この井伊が割った茶碗のエピソードを「おそるべき文化の冒涜」と、彼を悪役にして描写することもできよう。
そんな、文化と贅沢と非文化と質素の緊張関係。
「へうげもの」、7月に最新巻が出るんだね。

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そういえば、NHKの大河ドラマをこの前偶然見たんだが、利休の切腹をちょうどやっていたな。
かなり前に書いた
■映画「利休」覚書
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051112/p4
もこの際に再度紹介。

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