以前も書いたように、近藤が寝技で判定まで押し切られる試合は、無名の若手が相手なことも含めて過去にもあった。だが年齢や最近の戦歴的にリカバリーが難しい(と周囲に思われている)この時期の、若手への敗戦がもつ意味は相変わらず大きい。
実際にケージフォースの映像を見ると、解説でも言われたように「岡見二世」は伊達じゃなく、外掛けなどのお上の得意技を駆使。そして、数々の寝技師を、ハマったときはこれを突破口として倒してきた「近藤立ち」の際も、常にバックを取って腕を回したままで、次のテイクダウンに結びつけた。そういう点で、この試合は例えば年間ベストバウトを狙えるといった性質のものでは全然無いけど、重要な意味を持つだろうし、藤井自身が欲したはずの勝利への見返りは十分なのではないか。
サムライTV放送の意義
なにしろメインは密着した状態から、バックを取って寝かせて「たすきがけ」で相手をコントロールする展開。カメラワークを駆使してこの攻防を追ってくれたからこそ、単調な面もあるこの試合に彩を与えてくれた。
インタビューで、やっぱりあまり喋れない(笑)近藤はともかく、自分の恐怖も含めて率直に喋る試合後コメントも良かったし、全体も入場シーンをどの試合で挿入するかも含めメリハリが利いていたと思う。サムライTVは大会の魅力を「増幅」することもあるなとあらためて思った。
「口出すんだったら・・・口出していいんです、口出すんだったらサムライと契約して放送を観なきゃいけない。逆に言うと、サムライと契約してなかったら口出す権利は無いですよね。」(青木調)
やばい、これはもちろん青木のパロディを通じて「そーいう理屈が通じるならこうなるが、そんなことないだろ?」ということを言いたいのだが、だんだん本気になってきた気も(笑)。実際、サムライTVは何度か存続危機というか、規模縮小もあった。サムライTVという”遊び場”を壊さないためには全ての格闘技ファンが契約する義務…は、やっぱりないな(笑)。私は個人的にサムライTVを楽しんでいますよ、と語り、推奨するのみ。