民主党バラク・オバマ大統領候補の副大統領候補選出は、各紙で扱いも評価もさまざまだった。プラスかマイナスかという評価ひとつをとっても慎重に見極める必要があるから、なかなか簡単ではないのだが、個人的には朝日新聞24日の「時時刻刻」が面白かった(ネット上には無い様子)。
ひとつには副大統領の名前を特定させず、情報管理に成功したことで「選挙スタッフを完全に管理掌握している」ことを評価されたというのだ。それも大統領としての資質らしい。
そしてそれ以上に興味深いのが、今回は、副大統領発表の報告を希望する人をメールで受け付け、そこに一斉発表したという手法だ。マスコミにも同じ時間に発表。つまりメール登録者はまさにフラットに、メディアと同じ情報を受け取ることになる。情報管理はそれを演出するためにも必要だったらしい。
ふーんと感心したのは、朝日新聞が解説した、その手法の効果だ。
「メール登録した有権者の電話番号などのデータは、今後の選挙活動に生かすことができる」
当たり前といえばあたり前で、他の業界ではおなじみの手法だが・・・・たしかに有効だ。
もともと「民主党の副大統領候補を知りたい」というのは潜在的な支持層だ。しかし姿の見えないそれを「メール登録すればこの情報をメールで、マスコミと同時発表します!」という形で集めるというのは大変効果的だろう(そのメールデータを濫用したらもちろん逆効果だが)。情報好きにとってはマスコミに負けない速さ、というのもそれだけで価値がある。そういう人はマスコミも熱心にチェックするから、すぐに情報は古びる。
何しろ「情報」はただ、無料。いくらばらまいても、いくらその見返りを(メールという形で)求めても問題は無い。
これをどう応用するか。
例えば「大晦日のDynamite!もしくは「やれんのか!」のカードは、記者会見と同時に、ご登録いただいた皆様にメールで発表します。」なんてのをやったら、ある程度潜在的ファンの掘り起こしや、登録者による組織化ができるのではないか。
もちろん「メルマガ登録者にはいち早く情報をお届け!」というのをやっている会社は多いが、今回のオバマ戦術で感じるのは、例えば「FEG社のメルマガ」というような定期的な発表のメルマガより
「2008年やれんのか!のメインイベントは何か? X月X日、登録いただいた皆さんにメールで一斉発表!」というイベント系のやり方のほうが反響を呼ぶのではないのかなあ・・・ということでした。
少年ジャンプなら例えば、バクマンの連載に当たって、「XX号から、あの大物の連載が決定!それは誰か?テーマは何か?詳細は登録いただいた方のメールに、X日X時に一斉送信・・・」なんてのもできると思うが。
すでにやっているところもあるかもしれないし、そもそも日本の格闘技団体じゃ「カードが決まる日は本人もわからん」といわれたりしかねないけど(笑)、ひとつの戦術として、面白かったので自分の思い付きを紹介しておきました。