ヤングサンデーのカウントダウンは着々とせまっております。
PRIDE終了後の選手たちも、現在ヤンサン連載中の作家と同じ不安をかかえていたのでしょうか(笑)。
その中でも一番生き残ってほしいのが「とめはねっ!」なんですが、果たしてどうなりますか。
そういえば、最近面白いのは「作者の河合克敏は、恋愛を書くのがヘタというか、非常にその描写がコドモっぽい(のが弱点)」という指摘が以前からあったんですが、やっぱり作者の作風というのはそうそう変わらないもので、そういう部分が出ていました。
主人公のガチャピンこと・・・本名忘れた(笑)気弱で真面目な男の子と、女子柔道の高校日本一を狙えるような強豪でありながら字がとてもヘタでそれを直すために入部した望月さんというのがヒロインで、この二人がメインなのですが、望月という子は天性の負けず嫌いで、同じ初心者ながら書の才能と進化を見せるガチャピンに対抗意識を燃やします。
ところがいろいろあって、ガチャピンに親しい別の女の子ができると、書の対抗心とは別種の「トゲ」がガチャピンに対して生まれてきているようです。それが嫉妬とも、なんとも取り難い微妙さ(たぶん当人の中でも未分化だろう)でして、それが逆に味わい深い。
「恋愛描写のコドモっぽさ」は弱点ではなく、使いようによっては武器にもなるんですね。格闘技でもなんでもそうだが、弱みは克服するより反転させて強みにできれば、これは欠点を埋めて平均点にするより効果的だ。
あとはやっぱりこういうような薀蓄ですね。私は中国史や文化交流史とは別の「漢字を漢字として考える」知識は、高島俊男の本などでしか得ていないけれど、こういうのはやはり楽しい。
あ、いま画像張ってわかった、主人公は大江ナントカ。。
こういう書を書きたい。
読んでいると自分も書を書きたくなってくるけど、私が書を書くとしたら、作中に出ているような題材はあまり書きたくないな。作中でも偉い人が「今は自分の好きな書を選んで書く時代だ」と言っている。
自分が書くなら、上に書いたように中国史や近代史と関連付けた書を書きたい。つまり「あの三国志のXXXの台詞」とか「あの毛沢東が、xxxに際して言った言葉」とか、そういう付加価値のついた書を見たい。まったく邪道ですが、そういうテーマの書の展覧会とか無いのかなあ。
いやほら、でっかく
「燕賊簒位(燕賊、位を奪う)」
とか書いてあったらかっこいいなあ、と思うのですよ。
なんのことかと思う人は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E6%A5%BD%E5%B8%9D
また
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080701
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下のブログの基となったのは
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おお!!昨年ちくま文庫に収録されたのか!!解説は誰だろう。
高島氏は文春連載終了後、逆に執筆活動が旺盛になった気がする。
「しくじった皇帝たち」もたいそう面白かったが、紹介の時期を逃してしまったな。あとで書ければいいのだが。
ただ、もっとたくさん、多種類の「しくじった皇帝」を紹介してほしかった。実質隋の煬帝、明の建文帝の二人だけで、また後者は幸田露伴の「運命」論だし(たしか文学界だかに掲載された)。この作品と元ネタの比較検討の中で、どこにオリジナリティがあり、どこが丸写しなのかを明らかにしていき、また幸田の事実誤認や思い込みも暴いていく。
そういえば「運命」は田中芳樹が子供向けのリライトをしている。彼の卒業論文は、実は高島のこの本とほぼ同じテーマを扱っていたという。
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元の「運命」は青空文庫で読める。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000051/files/1452_16991.html
歴史をうたう詩
そもそも中国には、かつての歴史の名場面をうたう「詠史」というジャンルがあるのだから、そこあらだけあつめた書展があってもおかしかない。
有名なものとして李白が蘇武をうたった詩があるといいます(陳舜臣「唐詩新選」より)
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蘇武牧羊図に題す
蘇武匈奴に在り
十年漢節を持す
白雁上林に飛び
空しく伝う一書札
羊を牧うて辺地に苦しみ
落日帰心絶ゆ
渇しては月窟の水を飲み
飢えては天上の雪を喰らう
東に還れば沙寒遠し
北 河梁の別をいたむ
泣いて李陵の衣を把り
相看て涙血を成す