この前「パチンコ業界について」の話を抜き出したら反響を呼んだので、あとひとつ印象に残った話を書いておこう。
この録画をもうすぐHDDから消しちゃうし。
東海村原八(なんだこのPNは)という方が主に語っている。この人も作り手だそうだ。
東海村:何年か前のオタク大賞で海洋堂の食玩が(賞を)とってたと思うんですけど、まあそれとちょうど対になって象徴的だなと。
いろんなところで言われているんですけど、原油高騰だとか、中国の人件費がどんどんあがってきているとかで、要は革命的に安く作れたちっちゃい食玩が、もうあのコストじゃできない。200円ではもうできないということで。
海洋堂なんかはやめちゃったし、他のメーカーとかは例えば200円で食玩で売るのをあきらめて、しょうがないから一個500円にしようじゃ、それも無理だから、じゃあちょっと大きめの5000円にしようとかいう感じで。とにかく安くてヤホーイのような夢のような時代は…
鶴岡法斎:なくなりましたよね。
東海村:ちょっと終わって、まあ現実的な、年相応の・・・それこそなんだったかな、「オタクなんだからDVDと同じぐらいのお金は出そうよフィギュアにも」というような状況なってるんですよ。
唐沢:内的要因じゃないんですね 要するにオタクの嗜好が変わったとかじゃなくて。
東海村:それもありますね、要は数の出るビッグタイトルがやっぱりなくなっているんで、昔だったらそれこそこれを出せば…それこそ最初の
「TOO HARD」(※リアルなプラモのレーベル、シリーズじゃ?)「to heart」は14万個売れてたのが1万個しか売れい。そういうのもありますね。だから、全体的に多品種少量生産になってきているんです。
(中略:ガンダムデザインとおもちゃと、今回の「ガンダム00」について話す)
東海村:ガレージキットメーカーだったところがおもちゃを作って…要は完成品を作ってたり、バンダイみたいな大手のおもちゃメーカーがフィギュアを作ったり、で、流通があのー、自分のところでフィギュアを企画したり見たいな感じで。
要はまあ、極端な話おもちゃメーカーを始めようと思ったら、ツテがあれば、あと電話一本で要は生産はぜんぶ中国でできるんですよ。原型士?は外注で使えるっていうんで。
ってことはもう、ベンチャー的に始められるんですね。だから実際問題「どこそこを辞めて独立しました」というちっちゃいおもちゃメーカー、わりと一杯あるんで。そういう意味でわりと、下り坂になりつつ、ぐちゃぐちゃにお互いの領域を食い合っている状況が2007年だと。
鶴岡:なんかほんとにあれですね、さっきからいろいろ聞いていてこう、第一回の頃のオタク大賞と比べて「ここになにか金山があるんじゃないか」的なトークからほんとにしょんぼりしたトークがほんとに増えてきましたね
東海村:模型の山はわりと、こう・・・・
鶴岡:早かったですね(笑)
東海村:出尽くしたわけじゃないんですけど、これ以上掘ろうと思うと掘削コストのほうが出てくる石油より掛かる(笑)
いくつか思うことあり。
・中国で人件費が上がっているのは、一般的にいえばいいことなんだろう。これで実際に働く、現場の労働者が潤えばいい。まあ後段のようになっているかどうかは分からない
・中国が人件費の安さ「だけ」で勝っているのなら、インドなり何とかなりに移るのだろうけど、やはり中国にはそれなりの技術があるのだろうな。
こっから先の話が本題ですが、
もともと私が本格的にこのへんの食玩を見たのは、詳しい人に例のジョシュ・バーネットを案内してもらった2002年の時ですが、あまりに出来が良くて、しかも値段が安いのにはたしかに信じられない思いをしたものです。
こういうものは、時代が進み技術が進めばどんどん安く、良くなっていくたぐいのものかとつい思ってしまっていましたが、やはりITとかとは違うのですね。
「90年代−00年代初頭に最盛期を迎え、その後に衰えていっているものは?」というと、私は「全日本系のプロレスと、少年サンデー」と頭に思い浮かぶのですが(笑)、食玩もその中に入るのか。
逆に言うと、この90-00年代初頭に生み出されたフィギュアは、値段と質を見たときに歴史的に実に「お買い得」なものであり、これをコレクターしていた人は勝ち組、コレクションはひと財産ということになりそうです。
ぼくは今、メトロン星人の食玩はふたつ持っていますね。ひとつはちゃぶ台つき。
ネタ元の動画は例によって
http://www.nicovideo.jp/search/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%AF%E5%A4%A7%E8%B3%9E
にあります。
07年の「前編」開始後16分ごろからです。