http://www.ocn.ne.jp/game/og/18-dennou/interview.html
http://www.ocn.ne.jp/game/og/18-dennou/interview2.html
http://www.ocn.ne.jp/game/og/18-dennou/interview3.html
相変わらず通訳を置いてけぼりにしていくなあ(笑)
それはともかく、このインタビューは格闘家・プロレスラーでオタクな、という特異なキャラクターを除外しても、一人の知性に富んだアメリカ中産階級の若者が、日本のサブカルチャーを知って、深みにはまっていくひとつの例として実に興味深い。(もっともアメリカといっても地域ごとに違うが。彼はシアトル出身)
前から言っていた「黎明もの」のひとつだね。
このインタビュー、実は例の2002年に我々がジョシュを案内した時のやり取りをネットに紹介した文章を一部「前提」に質問されているので、最初にこの二つの文章+ひとつの漫画を読んでいただくとさらに分かりやすいかもしれない。
”青い目のケンシロウ”ジョシュ・バーネット
☆新世紀最強オタク伝説!!! from UG forum(その1)
http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/UG/joshUG.htm
josh barnett in Akihabara
http://www.slcn.jp/josh.html
がんばれ!バアネットくん
http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/UG/Joshmanga.htm
闘うためのモチベーションにもなっているわけですね。ちなみに初めて観た日本のアニメはなんだったんですか?
「『宇宙戦艦ヤマト』だね。5、6才の頃だったかな。ちょうど朝の時間帯に放映していて、学校に行く準備をしているときに家族と一緒に観てたんだ。ボクのファミリーはみんな『宇宙戦艦ヤマト』が大好きだよ!」
朝っぱらから『宇宙戦艦ヤマト』を家族全員で観てたんですか?
「そう、バーネット家全員でね。毎回毎回、ハドウホウ(波動砲/ヤマトが持つ究極の艦戦兵器)が発射準備に入って、コックピットでマモル・コダイ(古代守/主人公)が引き金を引くシーンになると、みんなで『ワーッ!!』って盛り上がってさ、毎回ラストシーンに出てくる『人類絶滅まであと何日』っていうメッセージには家族全員がソワソワしながら手に汗を握っていたよ」
マクロス・イズ・ベスト!(サムアップして)
(略)
見た目はロボットものだったから子どもだったボクはすぐに虜になってさ、かといってそこで描かれる人間関係なんかがロボットものだからって低年齢層をターゲットにしたものじゃなかったものだから、逆にまたボクの心に響いたんだよね。リン・ミンメイやミサ・ハヤセといったキャラクターは今でも超LOVEだよ!」」
このへんはまあ定番ですが、
ちょっとここに注目したい。
オタクコミュニティが存在しなかった?
「そうだね。今みたいに、インターネットのBBSとか、ファンが集まるチャットルームとかがなかった時代だからさ。でも、それがさみしいことだとはまったく思わなかったけどね」
当時はあくまで“個”の世界だった?
「自分としてはそういった日本のアニメやマンガがただ好きだと思ってただけであって、意見を交換したいとか、同じ世界観を持ったみんなと集まりたいというわけではなかったね。なんだろう、アメリカンオタクスタイルの初期型とでもいうのかな。ザクでいえば旧ザクみたいなものだよ」
アハハハハ!
「その頃のボクはもう完全にアメリカンオタク初期型だったわけでさ、独自研究なんかも怠らなかったよ。自分の好きなそれらの作品が日本のものだということは既に理解していたし、雑誌とかテレビとかビデオとか、自分が好きなものがいろんな場所に登場していることも随時チェックしていたね」
ほんとに10年前の実感とかはすぐ忘れてしまうもので、アメリカのコアなファンが日本サブカル情報に詳しく、そこでコミュニティができている状況が当たり前だったように感じるけど、ジョシュ(1977年生まれ)の時代ではまだまだ珍しかったんだ。
そもそも、もう今のファンは「ビデオテープの海外ファン同士の交換」なんて慣習を知らないんだよ。
プロレスファンも、この風習の守り手だった時期があるんだけどね。
もう懐かしいでしょ。
実は昨日とおととい「日本オタク大賞」がCSで前後編として放送されたわけだけど、「ニコニコ動画」がやたらと話題の中心になっていた。まあ当然か。
その中でパネリストが「昔はオタクというのはコミュニケーションを拒絶したりできないというイメージだったけど、今はこういうオタク物件は、人とつながるツールなんだな」見たいな事をいってました。
オタクに対するネガティブイメージの有無や、国民性の明るさ真面目さなどあるのでしょうけど、まあこのへんを比較文化史や社会学的に、真面目にアカデミックに分析してもらいたい、という希望はあるな。「思想地図」当たりに。
また、ジョシュの学校生活という部分も特異なのでね。
レスリングとフットボールでは、州の中で相当いいところまでいっていたし、この頃から学校の門番をしていたタイ人からムエタイを習い(ドラマチックでしょ?)、けっこう短期で相当喧嘩もしていたそうだ。
アメリカの学校におけるヒエラルキー、については町山智浩とその弟子パトリック・マシアスがいろいろと書いていて、不文律のようなものがあるらしい。ジョシュの場合、特異すぎて位置関係が不明だったのでは(笑)
- 作者: パトリック・マシアス,町山智浩
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/08/09
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 398回
- この商品を含むブログ (121件) を見る
読むだけでも疲労困憊の大インタビューなのであとはダイジェストで
「『AKIRA』の登場はアメリカにおける日本アニメという世界でのひとつのビックバン・・・けど・・・リアル過ぎる表現技法やストーリーの奥深さ、ビル崩壊シーンの緻密な描写なんかがもうあまりにも衝撃的過ぎて、周りはどういう反応・・・、『こんなのはクレイジーだ!』って受け止めた人の意見が多くなっちゃって(苦笑」
ちなみに、ジョシュさんが『彼女にも読ませたい』って思ったマンガっていうのは?
「『剣風伝奇ベルセルク』だね(即答)」
そんなケンシロウと究極の暗殺拳『北斗神拳』の存在が、ジョシュさんが格闘家を目指されたきっかけのひとつになってたりとかは?
「それもオフコース!って言いたいところなんだけどそれはちょっとないかなぁ。だってさ、北斗神拳は一子相伝なものだからやっぱり学ぶことができないわけだし・・・・・・」
(引用者註:だれか突っ込まないでいいのでしょうか)
『ドラゴンボール』は好きじゃないね
(その理由は本文を参照)
「(無視して)格闘マンガだったら、『グラップラー刃牙』も好きだね(略) あの最大トーナメントにはチャンスがあればボクも是非出場したいね! バキに勝ってボクが世界一だということを証明するよ。
(『はじめの一歩』)は「日常的なボクシングを読まされてもおもしろくないからね。ボクたちファイターがいつもいつも経験しているようなことを超リアルに読んでもしょうがないだろ。アニメやマンガは誠実な現実を大切にしていれば、少しくらい現実からかけ離れていてもオッケーさ。
ゲームは好きに決まってるじゃないか(サムアップして)。今、丁度『ファイナルファンタジータクティクス』をPSPでやっているんだけど、 なかなか抜け出しにくい場面に出くわしているところだよ」
「・・・「ボトムズ』は絶対に外せないかなぁ(ブツブツ)」
「ガンダム」から始まったリアルロボットアニメ路線の頂点とされている『装甲騎兵ボトムズ』ですね!ボクも大好きです。
「そうか、キミも好きなんだ! じゃあ『ボトムズ』の略なんかも知ってる? 」
い、いえ、知りません(汗)
「え!? 知らないの? 『ボトムズ』はVOTOMSってスペルで『Vertical One-man Tank for Offence & Maneuver』って意味なんだよ」
(引用者註:へー、知らなかった)
ジョシュさんは『ガンダム』にはいかなかったんですか?
「もちろん大好きに決まってるじゃないか! 『ガンダム』が好きじゃない人間なんてこの地球上にいるのかい? いたら今すぐに連れてきてくれよ!!(首をかっ斬るポーズで)」
なんで引用だけでこんなに疲れるんだ・・・
【補足】CSが見られない人に朗報。パンクラスでのジョシュのキャッチレスリングが地上波放送
http://www.burningspirit.com/log/eid1167.html
【補足その2】関連のはてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/furu_ringo/20080128