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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

カール・ゴッチを悼む

http://blog.livedoor.jp/nhbnews/archives/51012722.html

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/wrestling/20070729-00000039-spnavi-fight.html

……“プロレスの神様”として知られ、現在では無我ワールド・プロレスリングの名誉顧問を務めるカール・ゴッチ(本名カール・イスターツ)さんが29日(米国現地時間)に死亡したことが現地の専門ウェブサイト「レスリング・オブザーバー」により報じられた。ゴッチさんが亡くなったのは夜9時45分で死因は不明。82歳だった

82歳という年齢は、体を酷使するプロレスラーの経歴を考えても、大往生ではあろう。
自分なりに、心の準備もしていた。


http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061121#p1

……ルー・テーズをはじめとする伝説が、次々と幽明境を異とすることになった。ゴッチ翁も失礼ながら、いつ訃報が伝わってきてもおかしくないご高齢なわけで、だからこそその一言一言、一瞬一瞬のたたずまいを記録に残していってほしいものだ。


されど
「一人の老人の死は、一軒の図書館が焼けるということだ」というアフリカ?の格言がまさに当てはまる死でもある。
彼の生涯に不足はなかったとしても、もっと多くを学び、聞き、記録としたかったこちら側に悔いが残る訃報であったのだ。


シュートの逆説

このブログを覗くような人にとっては、キャッチから新日、UWFへと続く彼の歴史をいまさら一から紐解く必要もあまり無いだろう。だが、ひとつの確認として「ゴッチが、いわゆるMMA、競技としての総合格闘技を行ったと確認できる資料は無い(らしい)」ということをこの際書いておくことも無駄ではあるまい。

実のところ、桜井康雄氏や梶原一騎氏が書いたような「妥協なきシュート野郎」「1千の関節技を使う鍛え抜かれたテクニシャン」というのも、控え室でひそひそと語られた面もあったが、現役のころから一種の売り、ギミックというかキャラクターの一種でもあった。

流智美氏が発掘した当時のアメリカの雑誌記事でも
「蛇の穴は私に、人間の殺し方を教えた」
という見出しが躍っている。残された現在の動画でも、けっこうプロレスの水に染まっていると感じる人は多い。
ここで動画が紹介されている。
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20070729


こう書いたのは、無論貶めるためではない。既にプロレスが厳然としてプロレスである…そんな時代の中でゴッチはキャッチの技術を磨き、改良し、伝えんとしてきた。そのしっかり守られた種が、いかなる花を結んだか……いうまでもあるまい。

アイザック・アシモフがSFの中で描いた「ファウンデーション」をご存知だろうか。いったん衰亡した文明が、それを糧に再び再生できるための知識と知恵を詰め込んだ避難場。まさにゴッチの技術はこれであったのではないか。


その晩年

ゴッチは、義理の息子(空中氏)も早くに亡くし、また手塩にかけた弟子たちも、それぞれの歩く道は翁から見ての「正道」とは思えず「ビジネスマンになってしまった」と愚痴っていたこともご存知の方はいよう。

その半面、それでも多くの人が尋ねてきたり、プロ格闘家ではないが、週末ごとに訪れては技術を習ったりキャッチ論の聞き手になるような若者もいた【ひねリン情報による( http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060923#p1 )。この人のインタビュー記事、どこかで希望】。


そして、「彼」…ジョシュ・バーネットが”間に合った”……のは、この老キャッチ戦士の晩年にとって幸せな一場面だったんじゃないだろうか。そう思いたい。たとえゴッチの口をついて出た言葉が、お小言ばっかりだとしてもだ(笑)。

君はキャッチレスリングの動きを全くしていない。
両手にグローブをして、パンチのことだけを考えている(略)
…全て間違っているよ。本当のことを言ってほしいんだろう?


あらためて、この二人の表情を見直す。
http://www20.tok2.com/home/gryphon/data/joshvsgotch.JPG

追悼パネル作って、読者プレゼントにしてください。(写真の権利、移ってるのかな?)


この右側にいる、若者とその若者の友人たちとの練習風景が、この雑誌が紆余曲折を経て今発行している最新号でこう描写されている…

GONKAKU (ゴンカク) 2007年 09月号 [雑誌]

GONKAKU (ゴンカク) 2007年 09月号 [雑誌]

…生徒たちに−−グラップリング教室ではあまり見かけない−−フロントフェイスロックのかけかたを実演しながら、そのポイントを示していた。相手の頬骨に自らの親指の骨を合わせてひねるやり方。そおのまま相手の上体を起こして引き付けて首をひねると、思わずスパーリングパートナーは中空を仰ぐように慌ててパンパンとたたいてタップした(略)。

ジョシュが、グローブをはずしながら楽しそうに話し掛けてきた。
「ボーン・トゥ・ボーンだね」
「ボーン・トゥ・ボーン。骨と骨?」
「そう、ホネとホネ。ゴッチさんがこの前も言っていたよ。教え子たちによく言い聞かせていた言葉だって。」

(第4号38P)


肉体と離れた魂が存在するかどうかは別にして、教えが受け継がれていくその間は、カール・ゴッチはなお死せず、といっていいのではないか。


【補遺】
今知って驚愕したが、読んでもいないのにほぼ同じような感想を、その「彼」が語っている。
http://www.burningspirit.com/log/eid1109.html

ゴッチ翁の言葉

これは私のサイト。いつか更新、補足したいと思いつつ、その大元が断ち切られて怠慢に気づく。
http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/BBS-SELECTION/Gotch.htm
抜粋

(いわゆる世界チャンピオン・バディ=ロジャースリンチ事件 について )

「(何故タイトルを挑戦させないかを問い詰めに控え室に行き) 私は「男(マン)」に会いにいったつもりだったが、そこにいたのは「鼠(マウス)」だった。結果としてチャンピオンは白いキャデラックで会場にやってきて、白い救急車に乗って帰っていった、というわけさ」



(ステロイドを使用する格闘家へ)
「いいか、レスリングというのは自分との闘いなんだ。ステロイドの誘惑にも勝てないような奴が、どうして自分との闘いに勝てる訳があるか。」



(闘いの心構え)
「勝ちたい、という気持ちさえ、闘いにおいては邪魔になるのだ。その瞬間、もっとも効果的な技を出すことだけを考えるんだ。勝利はその結果として、天から与えられるものに過ぎない。」

同じことを行っている人がいた。

http://homepage3.nifty.com/9961/gotch.html

もし私が、生まれかわることができるとして、やはりわたしはレスリングをやるだろう。その時には、ただひとつだけ望みがある。できることなら、現在の私のような師に巡り合いたい。そうすれば、一から始めなくてすむからだ。



どの国のどんな形であろうが、サンボだろうがなんだろうが、レスリングはレスリングだよ。だが、WCWとか、WWFみたいな奴らをレスラーと言うなら、私は中国の皇帝になってもおかしくない。



私には自分のレスリングのスタイルがひとつあり、愛する女性が一人いた。幸せな男だ。人生は単純さ(Life is simple)。

とあるレスラー(藤波だったか?)が自分のプロレスに悩み、
「真のプロレスとはどうあるべきか?」と尋ねた時のゴッチさんの答え。


「プロレスとは……(以下の答えは http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20070729 を参照)」

フィクション的なゴッチ翁

今月、kamiproでは「プロレススターウォーズ」の特集をやっていて大変おもしろい。
これについては、稿をあらためて書きたいのだが、同作品でも重要な役どころ?をゴッチ氏は担っていた。

そんなノリで、フィクション的に(俺が)翁の活躍を描いたのがこれ。エピソードや場面には、かなり現実の事例を交えている。今回、この流れがあるので再度紹介してみた。

http://homepage1.nifty.com/~memo8/griffon/0004.html



また、こっちの話も忘れるわけにはいかない。

http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/rcomic/1179318157/l50

id:g83BU2m10
猪木 「ハローゴッチさん!
    で どんな顔ぶれの大物レスラーをよこしてくれますか?」
ゴッチ「それが………
    いいかイノキ冷静にきけよ
    誰ひとりきみの新日本プロレスに参加するのをオーケーしない
    テレビ中継もない新団体では不安だ
    それに新日本プロレスにあがったら最後
    もう二度と日本プロレスによんでもらえんという」
猪木 「ウ〜〜〜ヌ!!
    日本プロレスのワル幹部どもが
    アメリカのレスラーたちに手をまわし圧力をかけたな!」
ゴッチ「どうやらそのようだが
    感情的になったら負けだぞイノキ
    新日本プロレスの旗あげ興行は立派にやれるッ!
    一人の超大物レスラーが日本へいき
    きみと戦うからな!」
猪木 「エッ……そ その超大物とは!?
ゴッチ「わたしだよ
    それともカール・ゴッチは超大物ではないかな?」
猪木 「ゴ……ゴッチさん!(感涙)」