PRIDEの将来というのは微妙に予想がついて、UFCとのアライアンスって要はあんたがたとDEEPやパンクラス、修斗が結んでいる”同盟”関係になるわけっしょ。
201X年のPRIDE風景
「やったー!! PRIDE−GPミドル級、頂点に輝いたのは○○選手!!」「○○選手はこれで、”UFCチャレンジゲート”への挑戦権が与えられますからね。頑張ってください」
「さあ次はいよいよスーパーファイト。このところUFCでは調子を落とし、勝ち星に恵まれないXX選手ですが、PRIDEですっきり勝ってUFC復帰を目指したいですね」
「今日も熱い試合が続きましたね。それでは、熱気渦巻く後楽園ホールからお伝えしました」
これが資本主義。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061225#p1の再録でした。 しかし、悪い予言ってあたるもんですね。
いやまだ早い。
世界のPRIDEから「日本(アジア)のPRIDE」、実はいい結果を?
上のエントリは冗談としましても、UFCとPRIDEが関係を強化(婉曲表現)した場合、超一流選手の多くがオクタゴンをベースに闘うようになる、ことは大いにあり得るでしょう。
だが、それがむしろいい結果を出したりしないでしょうか?
まあお茶でも飲んでじっくり話しましょう。ズズズ。
最近、2試合ほどWOWOWでUFCを見ていて思ったのですが、やっぱり縁もゆかりも無いというか、予備知識一切無しでアメリカ人同士の試合を観てもやっぱり印象に残らないってえ部分がある。(その試合内容がものすごくよかった時はともかく。)しかし逆に言えば、アメリカのファンはアメリカ人同士の試合を、ある程度ゲタを履かせて楽しむことが出来るわけですな。
逆に、アメリカ人がPPVでPRIDE見ても、日本人で見て楽しめるのは全盛期のサクラバとか、ゴミやアオキぐらいなもんで、某や某などに対しては「何でこいつがPRIDEに出てるの?」と思ってたでしょう、やっぱり。
ここでナショナリズムという厄介な話を持ち出すとややこしくなるが、日本なら日本、アメリカならアメリカのご当地味付けはやっぱり必要なのでしょう。
もちろん「ヒョードルへの声援>コールマンへの声援」で全業界に衝撃を与えたPRIDEラスベガス大会や、すっかり定着したK-1GP、決勝が4人全員外国籍でも盛り上がったPRIDE無差別GPもある。超一流同士の試合なら、その国や地域に関係なく人気を呼ぶのだろう。しかし。
ここでPRIDEの最近の傾向を見ると・・・・・五味隆典がいるからまたそれは例外としても、ミドルなんかでは、なかなか日本人が結果は出ないでしょう。マウリシオ・ショーグンやヒカルド・アローナ、パウロ・フィリョに日本人の誰が勝てるというのだ。
こういう人はUFCにお引取りいただき、ほどよい相手と日本人エースがメインイベントで戦って、日本人が快勝。
それで中村和裕当たりが調子に乗ってマイクアピールして大会を〆る。
こっちのほうが、マス・リングとしては盛り上がりませんか? なんか憂鬱だけど。
こういう構造が出来たとき、「面白いけど、やっぱり本場はXXなんだよな・・・」となってしらけるかどうか。
これは分からん。Jリーグとワールドカップや、イチロー松井流出後のメジャーと日本プロ野球となるかもしれない。
ただ、「日本国内」で回すJリーグと違い、リングの上では日本人エースvs二線級外国人でも擬似ナショナリズムを演出できるからね。あ、でもパンクラスでも修斗でも、やっぱり呼んだ相手の外国人が一流の時と、二流のときでは客入りが違うもんな。難しいか。
ちゃんぴおんかあにばる。
ただ、ヒョードルやミルコやショーグンがUFCに行ったら行ったで、今度はアメリカ人がなかなか勝てまい(笑)。
とするとどうなるかというと、こういう超一流層は「60年代のNWA王者化」すると。
UFCに行ってはあちらの人気者を2、3人料理。
「次はXXが挑戦だ!」と盛り上がるうちは居座って、それが「もうこいつには勝てないな・・・」と思いはじめたら、今度はPRIDEに来て、その時々でPRIDEの第一線に来ている選手と対戦する。また勝つ。そして再び・・・と。
これは希望的観測です。そうなれば回数は減っても見られるからね。
ただ、そうやっているうちに外国籍でも「俺だけの郷野!」ならぬ「俺たちのミルコ」となっていくだろうし、そしたらそしたでどっちかに定着するでしょうさ。おまけにUFCは、同じ英語圏のイギリスを拠点に、ヨーロッパに第二の拠点を築く勢いでもあり、その時はミルコが「ご当地欧州のエース」となる可能性も高い。
まあ、日本人が逆にその「行き来できる超一流層」になれればそれは一番いいことなんだろうですが。
ジョシュ・バーネットはどうなる?
27日の記者会見で来日する(噂)ダナ・ホワイトに対して、誰かが聞いて欲しいのですが
「あなたが『彼のことが好きではない』とつねづね公言しているジョシュ・バーネットは、PRIDE無差別級GPで準優勝の実績を残している。我々の見るところ、戦績も技術レベルも、試合の熱狂度も明らかにティム・シルビアより上だと思うが、彼の処遇はどうなるのか?」
もちろん、にこやかに建前の回答が返ってくるのだろうが、表情をアップにしてその内心をよぎっているものに迫ってくれ(笑)。
冗談はともかく、上のナショナリズム論に関していうと元TBSの樋口潮さんは世界的なスポーツ大会を放送するときは「”日本人”を『作れ』」という名言を残している。感情移入できるような情報をバンバン流して、どこの国であろうと、日本人のように視聴者がその側に立って見るようなキャラクターにしてしまえ、ってことです。
その副作用が「彼には闘う理由がある」ってやつだが(笑)
ジョシュはそれをナチュラルにこなし”日本人”となっている稀有な存在だ。ダナが彼を嫌いなら、ぜひこっちに残しておいてください。