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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

桜庭和志vs秋山成勲、すべりやストップに関する基礎知識まとめ

「すっごいすべるよ!」を商標登録したら商売にならないかね。
Tシャツとか。

それはさておき(そら、さて置くだろ)関連した資料を引っ張り出しておきます。
その他、意見は正月休みを挟んでいるので他所では既出の指摘や意見が多いかも分からんけど、それは基本的には気にしてません。


Q:油や何かを塗る方法は?汗と誤解したのでは?

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061117#p1
ほんの一ヵ月半前、ジョン・フランソワ・レノグと闘った菊田早苗が、レノグも体に何かを塗っていたとクレームをつけている。

汗だというのはどんなに滑っても分かるし、滑るもせいぜい2R目から。でも、レノグのは全然それとは違った。しょっぱらのタックルで倒した時点でいきなり滑ってるんだから。それも普通の滑りじゃない。油ですべるのと水ですべるのの差なんて誰にでも分かるでしょう。それと同じ。しかも今は11月。バックを取ろうとした時のすっぽ抜ける感覚も忘れない。長年戦ってれば汗かそうじゃないかなんてすぐ分かる。試合始まって早々セコンドに訴えたくらいだから。


方法については、そのリンク先でも紹介しているけど、高阪剛が対戦したギルバート・アイブルを例に出して語っている。

・まずワセリンだか油だかを塗りたくる。

・そのあとよーく拭く。

・試合前のレフェリーチェックではみつからないが、試合をやっていくと毛穴から溶け出して汗と混ざってぬーるぬる。

【補足】コメント欄より

ujimusi 『ワセリンを塗布する前にサウナで汗抜いとくなんて口伝の職人芸もありませんでしたっけ。効果あるのかは知らないけど。』(2007/01/04 14:55)


Poet 『油を塗ってから拭くっていうのは、19世紀のプロレス王者、ファーマー・バーンズが弟子のフランク・ゴッチに授けたと言われる、「バーンズ流オイル・トリック」ですね。このトリックのおかげで、ゴッチがハッケンシュミットに勝ち、プロレスの本場がヨーロッパからアメリカに移ったとも言われる、由緒正しきテクニックだな。』

Q:でもレノグもアイブルも処分されてないよね?

その通り。
レノグに対しても、菊田がアピールというか文句は言ってたらしいんですな。それをレフェリーに正式に言って、レフェリーが正式にチェックしたかはちょっと自分はしらないけど。
アイブルも、これも上リンクにあるように
「俺、汗が油っぽいんだよね。偶然だよ」とインタビューでは答えている。


公平を期すなら
「体質によっては、プロ格闘家である対戦相手も『こいつ塗ってるのか』と誤解してしまうような汗が出る人もいる」可能性も無くはない・・・?


【補足】戸井田カツヤ日記(秋山は戸井田の所属する慧舟會でよく練習している)
http://blog02.yapeus.com/users/toikatu/

秋山成勲vs桜庭和志×

色々書かれてますが、それ以上に実力差があるから問題無し!というか桜庭はもう今の総合の流れにはついて来れてないな。悲しいけど…。それと秋山さんは多汗症で、練習でもよく滑りますよ

Q:桜庭の「タイム」アピールって認められるの?

個人的に思い出したのは、PRIDEに初参戦したダン・ボビッシュゲーリー・グッドリッジと闘った試合。

あの時ボビッシュは打撃戦の途中で「サミングだ」とアピールしたけど、それは認められずグッドリッジが打撃をさらに加えてKOした。解説の人も「試合中だから駄目」とか言ってたはずだな。
その次の試合後コメントでボビッシュはこう語っている。

・・・11月9日のゲーリー・グッドリッジ戦でサミングが入ってしまって、それで目の下を骨折してしまい、2カ月間トレーニングをすることができなかった


他の試合では金的とかサミングのアピールで中断されて、実際に回復まで待ったり口頭注意が与えられることもままあるわけだからアピールも必要といえば必要なのでしょうが、大抵の場合は故意じゃないし、ことに金的にはファールカップがあるから当てた人も「あ、当たっちゃったな」と感触でわかって自発的に間を取ることも多い。
意図的に反則から攻勢に転じようとする人は当然それをしないだろうから、酷ではあるがアピールしたいほうが膠着でも距離をとるでも、もしくはバービック流(リング外に出る)でも、何とかレフェリーにアピールしうる「間」を自分でとるしかないのでは。その間を取れない場合、相手は攻めるだろうし、レフェリーはタイムを入れるかもしれないし入れないかもしれない、ってところでしょう。
桜庭がやった手をTにする「タイム」要求って、他の競技ではルールに明文化されているからタイムが認められてるだけなんだから。
一つの案として、相手の不正を発見したとして選手はアピールし一旦止めることもできるけど、相手の不正がいざ見つからなった場合は止めたほうに警告、ファイトマネー減・・・とかできないかね。


Q:梅木レフェリー以外がゴング鳴らしたんじゃ?

これは昨年10月までにルールを改正していますね。
http://gbring.com/sokuho/news/2006_10/1003_heros_03.htm

 また前回大会の反省を踏まえて前田SVは「後頭部への攻撃に対する反則を厳しくとるようにする。ストップの件についてもレフェリー以外のドクターや自分なんかが試合を止める権限を持つようにしている」とルールの一部改正を示唆。

 HERO'S実行委員である谷川貞治FEG代表も「ドクターや第3者が試合を止めてもいいというルールに改正します。こちらの件については直前会見で詳細を発表したいと思っています」と話した。

梅木レフェリーが目を離したという指摘もあるけど、映像に映っている限りではその点は問題ないと思う。サブとある程度意思疎通もしなきゃならない部分もあるし、サブも見つつ秋山桜庭も視界に入っていたから。


止めるスピードに関しては、後半は難しい。
今は意識の有無とは別に、意識がはっきりしていてもまともなパウンドを何発も連続で食らい、有効な防御をしにくい状況になったらストップする傾向にある。ことにHERO'Sでは早めにストップ取る。その点では前半、桜庭の頭がロープに出かけた時に2回ぐらい、ゴング前に止めてもいい状況があったんじゃないっすかね。

ただ一般論として、これで一番難しいのは相手が下から三角、腕十字、足関などを取り掛けて、上の人がパウンドでそれを振りほどこう、KOしようとしているときだ。
上の選手が殴ってる間に隙ができて、そこでバシッと華麗に一本が極まる(下も敢えて殴らせて隙を誘っている)場合もあるし、固定された状態でまともに打撃が何発も連続で入ることもある。前者はアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラvsセーム・シュルト三角締めで空いている腕で叩き込むシュルトのパウンドが次第に弱弱しくなり、最後にタップになるシーンは印象的だった)、後者の典型は吉田秀彦vsジェームス・トンプソン
これは本当に難しいわな。

【補足】コメント欄より

ドキタ 『ラストのストップに関しては、難しくない。明らかに遅い。その位明白だ。なーんも難しくない。』

Q:レフェリー、試合後にチェックしたのは上半身じゃん

これは映像を見る限りその通りで、確実に失態。組み付いたのは主に片足タックルだったのだから、少し慎重に類推すれば足首も触って確認することは可能だったのにね。
惜しむらくは、桜庭も(試合後の興奮では無理だろうが)「足首がすっごいすべるよ!」と詳しくレフェリーに指摘すればまたチェックのやり方も変わっていただろう。
そのチェック自体も(これもやむを得ないが)、桜庭陣営は応急措置をやっていたので見てはいないようだ。

Q:試合後、桜庭のセコンドもチェックして異常なかったんでしょ?

なんかそんな報道も聞くね。
http://www.boutreview.com/data/reports05/061231dynamite.html

谷川貞治FEG代表は、勝ち名乗り直後の秋山の体と試合前に脱ぎ捨てた柔道着の両方をチェックするも、不正なオイル類は検出されなかったため、

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/column/200701/at00011924.html

桜庭の猛抗議も「レフェリーにも桜庭さんのセコンドの人にも全部チェックしてもらって何の問題もなかった。だから抗議されても応えようがない」と困惑気味だった
(引用者註:試合後の話でいいのかな?)

映像には、残っていないんだけどね。
一つの案として、手でチェックするのも必要だろうけど、不正塗布の疑惑に反しては布で疑惑の箇所を丁寧に拭き、それを証拠として保全する仕組みを作っておくといいのでは。これは実際に行われたら、物証が確実に残る性質の反則なのだから有効だと思います。


Q:秋山は「前科」があるから疑われるのでは?

それはそうでしょう。柔道時代の話は、自分は「疑惑」に過ぎず、もし原因が多汗の体質にあるのだったら柔道時代からも誤解が続いてもおかしくないと思ったのですが・・・
ここで決定的な指摘をくまページがしている。

http://kumapage.exblog.jp/4929508/

以前、03年2月4日にフジテレビで放送された
ジャンクスポーツに秋山選手が出演した際に、
まだ総合格闘家ではなく現役の柔道家だった秋山選手は
番組中で「胴着滑りやすくして有利に試合をすすめる
「母親が柔軟剤のハミングを使って洗っている」といったコメントをして
ダウンタウン浜田氏に「卑怯やん」 とつっこまれています

(なんでこんな自白してるんだ・・・やはりあの場は特殊な何かがあって舞い上がるのか?)

これは番組の性質上、録画してる人は少ないだろうけど、
だれか保存してないですか?動画があれば迫力が違うぞ。

実は明文で柔道着を滑りやすくするな、という規定は(当時?)ないらしいんだけど、まあこういう戦略を彼が意図して取っていたとは、同ページが正しければ間違いないであろうと。